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債権譲渡時の対抗要件とは?第三者との違いや必要な手続き

コラム

2018.01.09

債権譲渡時には、対抗要件を満たす事が債権の回収に繋がります。
対抗を得ることで、債権を債務者や第三者へ譲渡したことを主張する事が可能となる為です。
しかしそのためには、対抗要件を否認されるケースや手続きの知識などを知っておく必要があります。
そこでこの記事では、必要な手続きや対抗要件を満たす方法、対抗要件が否認された判例などの情報を徹底解説していきます。

債権譲渡の対抗要件とは

ここではまず債権譲渡とはどのようなものなのか、その例と目的、注意点などの情報をご紹介していきます。

 

債権譲渡とは?

債権譲渡とは、債権を他人に譲り渡すことです。

(債権譲渡の例)

AさんがBさんにお金を貸した場合、その債権はAさんが保有していることになります。

ここでいう債権とは、AさんがBさんに貸したお金を請求できる権利の事を指します。

この債権をAさんがCさんに譲渡した場合、Bさんへのお金を請求できる権利はCさんに移行することとなります。

このように、債権譲渡とは第三者に自身の債権を譲渡(譲り渡す)することをいいます。

債権譲渡の目的

債権譲渡の目的は、弁済能力のない債務者から、確実に債権を回収する事です。上記の例で言いますと、仮にAさんがCさんからお金を借りていたとします。

CさんはAさんから貸したお金(債権a)を回収したいですが、Aさんには肝心の支払い能力がありません。

しかし、支払い能力のあるBさんの債権(債権b)を保有しています。そこでCさんは、Aさんから債権aの代わりに債権bを譲渡してもらうのです。

そうしますと、Bさんへ返済の請求を行うことが可能となるため、債権を回収できる確率も上がるというわけです。

このように、第三債務者へ直接取り立てができるようになるのが債権譲渡の強みとなっています。

債権譲渡の注意点

債権譲渡が行われているかは、譲渡人の本店を管轄する法務局で概要記録事項証明書を取得することで調べることもできます。

そのため、場合によっては第三者へ債権譲渡が発覚してしまう可能性もあるのです。

債権譲渡には、資金繰りの悪化等の原因が考えられる為、その債務者の取引企業としましては「今後取引を継続しても大丈夫なのか?」という不安にかられてしまうことも考えられます。

債権譲渡は、第三者の信用不安を招く恐れもあるため注意が必要です。

 

債権譲渡の対抗要件とは?

ここでは、「債権譲渡の対抗要件とはどのようなものなのか?」また、その内容や満たすための条件についての情報をご紹介していきます。

対抗要件とは?

対抗要件とは「債権を譲渡したことを主張できるかどうか」ということです。

対抗要件を満たしていない場合、債権を譲渡されたとしてもその債権を回収できない可能性があります。

対抗要件には大きく2パターン存在する

1. 債務者への対抗要件

債務者への対抗要件を満たしていない場合、債権の支払い催促をその債務者に対して行うことができません。

債権譲渡の通知がない場合は、債務者はその譲受人に返済義務が発生しないためです。

債務者へ債権譲渡した事を主張する為には、債務者への対抗要件を満たさなくてはいけません。

2. 第三者への対抗要件

債権というのは、債権譲渡された相手が複数名いる場合もあります。

仮に二重譲渡されていたケースでは、第三者に対し債権を譲渡した事を主張する為に対抗要件を満たす必要があります。

また、債務者から優先的に返済を受けるためにも、対抗要件は重要な意味を持ちます。

民法での債務者対抗要件

対抗要件につきましては、民法第467条によって以下のように定められています。

「指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない」

上記の規定から、以下のような条件を満たすことにより対抗要件は成り立ちます。

債務者の承諾

対抗要件を満たすための条件の一つが、確定日付のある証書によって債務者の承諾を得る方法です。

また、ここでの承諾は債権譲渡契約とは異なるので注意が必要です。

承諾は、以下の三者が公証人役場にて公正証書を作成することにより得る事ができます。

1.譲渡人

2.譲受人

3.債務者

確定日付のある証書

対抗要件を満たすためのもう一つの条件は、確定日付のある証書を譲渡人から債務者へ送る方法です。

確定日付を得るためには、内容証明郵便による発送や、公証人役場にて公証印を貰う方法がありますが、最も一般的なのは、内容証明郵便で確定日付を取得するという方法です。

ここでの注意点は、「譲渡人から債務者へ送る」という点になります。

対抗要件は、あくまで譲渡人から債務者へ対する通知が成立した時のみ満たされます。代理人による通知では不成立となるので注意が必要です。

返済の優劣は通知の到達の日時で決定

一つの債権に対し複数の譲受人がいた場合、より早く債務者の元に確定日付のある証書を到達させた譲受人が優先的に返済を受けることができるようになっています。

確定日付が早い譲受人が優先となるのではないので注意が必要です。

 

対抗要件を否認する場合

対抗要件具備行為のタイミングによっては、債務者から対抗要件を否認されるケースもあります。まずは、どの条件下で否認が行われるのか確認していきましょう。

債権譲渡に対する対抗要件の否認

債権譲渡に対する対抗要件の否認に関しましては、破産法 164 条にて以下のように明記されています。

「支払の停止等があった後になされた対抗要件具備行為がその原因行為から15日以上経過した後に支払停止等を知ってなされた場合は,対抗要件具備行為を独立して否認することができる」

債権の譲渡通知等の対抗要件具備行為が、債権譲渡が行われているのにも関わらず、支払い停止後や破産申し立て後に実行されるのは、債務者の財産状態に対する一般債権者の信頼の裏切りや債権者平等に反するとされているのです。

実際の判例

債務者が破綻した場合

(事例の内容)

A社がB社から手形の割引を受け、同社はその担保の趣旨で売掛債権をYに停止条件付きで譲渡する契約を昭和40年7月16日に締結しました。

その後、A社は同年9月20日に支払いを停止し、10月8日に破産宣告を受けました。

B社はその間9月29日に確定日付を得て、第三債務者に通知をしました。

しかし、破産管財人Cは本件債権譲渡の無効を主張し、否認訴訟を提起した。

結果、B社が行った9月29日の譲渡通知は債権譲渡契約時(同年7月16日)から15日以上経過しているとして、破産法74条1項の規定によりCの否認を認めました。

この事例の場合の対応

上記の事例は、債権譲渡がなされたのが7月16日であったのにもかかわらず、A社が9月20日に支払いを停止し、10月8日に破産宣告を受けているその間9月29日にB社が第三者へ譲渡通知を送ったというもの。

ここでの問題は、破産法74条1項に規定されている「支払いの停止または破産の申し立てがあったのちに対抗要件を充当する行為がなされた場合において、その行為が権利の設定、移転または変更のあった日から15日を経過した後に悪意でなされたものであるときに、これを否認することができる」に今回の譲渡通知が該当するか否かが焦点となっています。

結果は裁判所が該当すると認めたため、破産管財人であるC社が勝訴しました。

今回はなぜB社が支払い停止後に譲渡通知を送ったかは不明ですが、譲渡通知は債権譲渡人の信用を低下させてしまう恐れもあるため、A社が危機的状況に陥ってからあえて遅らせてその通知を発送している可能性もあります。

この場合はB社に悪意はないかもしれませんが、C社に対抗要件の否認の口実を作ってしまう可能性もあるのです。

このことから、移転や変更があった日から15日以内には完了しておく、または対抗要件具備行為は債権の権利の設定をしておく事がベストという事がわかります。

 

ファクタリングにおける債権譲渡の対応

ここでは、ファクタリングを利用した時の、債権譲渡の対応方法についてご紹介していきます。

ファクタリングにおける債権譲渡の特徴

債権買い取りサービスであるファクタリングを利用する場合、以下の2種類の取引方法があります。

1. 2社間ファクタリング

債務者への通知は不要となるが、法務局に譲渡登記をする場合も有り。

2. 3社間ファクタリング

第三者対抗要件を備えるため、売掛債権の譲渡を売掛先に伝える必要がある。

 

2社間ファクタリングの場合、取引先にファクタリングの利用を知られることはありません。しかし手数料の相場が、3社間ファクタリングの場合よりも高くなるというデメリットもあります。

3社間ファクタリングの場合は、売掛先に売掛債権の譲渡を伝える必要がありますが、「手数料が安い」というメリットがあります。

 

譲渡債権に対抗は必要不可欠

債権譲渡の契約を締結した場合であっても、債務者には譲受人に対して支払いを行う義務はありません。

そのため、債権を回収する為には、対抗要件を満たす事は必須であり、尚且つ第三者へ債権を譲渡したことを主張するためにも対抗は必要となります。

また、これらの対抗要件を満たす為の手続きや、債権回収が難しいと感じる場合にはファクタリングの利用を検討してみるのも一つの手段です。

ファクタリングであれば債権を譲渡する事により簡単に資金調達が出来るので、おすすめの資金調達方法となっています!

 

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