株式会社ビートレーディング

売掛金の仕訳方法とは?よく使う仕分けパターンの事例紹介!

コラム

2018.01.09

売掛金の仕訳は、経理に不慣れな方からすると非常に大変な作業です。
しかし、売掛金の管理を怠ると会社の財務状況が把握できにくくなり、売掛金に関するトラブルも発生しやすくなってしまうため売掛金の仕訳は必須となります。
そこでこの記事では、売掛金を記す売掛帳の目的や書き方、よく使う売掛金の仕訳パターンの解説や事例などの情報をご紹介していきます。

売掛金発生時に使う売掛帳について

売掛帳は、売掛金を管理する際に必要不可欠な帳簿です。ここでは、その売掛帳の目的や書き方などの情報をご紹介していきます。

売掛帳とは

売掛帳とは、売掛金の回収状況を管理する帳簿です。補助簿の一種ではありますが、仕訳帳や総勘定元帳とは全く異なります。

売掛帳は、物が売れたタイミングや取引先に請求書を発行した時に記帳していきます。

売掛帳の目的

売掛帳の目的は売掛金を管理することです。

また、売掛金を記帳していない場合、以下のような事が発生してしまう可能性があります。

1.期日までに正しい請求額を提示できない

売掛金の管理ができていないと、どの取引先にどの程度の金額の売掛債権があるのか把握できません。

そうなると、当然ながら期日までに正しい請求額を提示することも難しくなります。

2.入金が遅れる

上記のように期日通りに請求がなされない場合、その分どんどん入金は遅れていきます。

売掛はただでさえ資金繰りの悪化の原因になりやすいため、入金が遅れれば遅れるほど現金が不足し、キャッシュフローが悪くなります。

売掛金の管理ができていないということは、黒字倒産の原因にもつながってしまうのです。

3. トラブルの原因となる

売掛帳をつけていないと、どの取引先から売掛金の入金があったかどうかを把握できません。

そのため、2重支払いなどのトラブルになってしまうことも考えられるのです。

売掛金がずさんな企業である事が発覚した場合は、取引先の信用を失ってしまう可能性もあります。

売掛帳に必要な事項

売掛帳の記帳に必要となる事項は主に以下の通りです。

1.日付:販売した日

2.品名:商品名

3.数量:販売した商品の数

4.単価:販売した商品の単価

5.売上金額:数量×単価で計算した金額

6.回収金額:回収した金額

7.売掛金残額:未回収の売掛金残額

売掛帳に記帳し売掛金を管理するメリット

1.債権をスムーズに回収

売掛帳にて売掛金を管理すれば、取引先ごとの入金状況や債権残高、未払い金などの情報が一目でわかります。

すると、債権の回収もスムーズにいくようになるため、業務の効率化や債権の回収率上昇につながります。

また債権回収は、取引先の遅延状況や与信状況、債権残高に合わせて支払いの請求や督促などを行う必要がありますが、売掛金を管理しておけばそれらの手続きも円滑に実行することができます。

売上帳とは異なる

売上帳と売掛帳は似ているようで異なるものです。

売上帳は売上を把握するために記帳しますが、売掛帳は売掛金を管理するために記帳していきます。

最初は「売上帳だけでいいのでは?」と感じるかもしれませんが、事業を続けていき取引先の売掛が増えていくと、すぐに管理の限界に行き詰ってしまいます。

売上帳は勿論ですが、売掛帳もちゃんと記帳するように心がけましょう。

売掛帳の記入方法

仕訳事例

売掛帳は取引先に請求書を発行したタイミングや、物が売れた時に記帳していきます。

また、記帳ポイントをむやみに変更すると税務署から疑いの目をかけられる可能性もあるため、記帳するタイミングは統一することをおすすめします。

『売掛金を計上する場合の仕訳事例』

まずは、売掛金を計上する場合の仕訳事例をご紹介していきます。

事例

7月31日に(株)アルトコーポレーションからHP管理費用として30,000円が確定した。

支払いは翌々月の15日で、報酬額から振込手数料を差し引いた金額が銀行に支払われる。

この時の仕訳は

『売掛金 30,000/売上 30,000』

 

売掛金の仕訳処理パターン7選

ここでは、様々な状況に応じた売掛金の仕訳処理パターンの7選をご紹介していきます。

回収時の仕訳処理

売掛金を計上する場合、使う勘定科目は「売掛金」で『(売掛金)/(売上高)』で処理します。

売掛金を銀行振り込みや現金で回収した場合は、『(現金預金)/(売掛金)』というように処理していきます。

回収時の事例

(株)アルトコーポレーションの7月末の売上代金(売掛金)30,000が、7月15日に現金にて支払われた。

この時の仕訳は

『現金預金 30,000/売掛金 30,000』

未回収時の仕訳処理

売掛金は100%回収できるとは限りません。取引先が倒産などの原因で回収が不可能となるケースもあります。

その場合は、『(貸倒損失)/(売掛金)』というように処理していきます。

未回収時の仕訳事例

(株)アルトコーポレーションが倒産してしまい、7月末の売上代金30,000が回収不可能となった。

その時の仕訳は

『貸倒損失 30,000/売掛金 30,000』

後になって回収できなそうな場合の仕訳

売掛金は、現在は不可能ですが、取引先の財務状況次第では後になって回収できるといったケースもあります。

一度貸倒処理した売掛金などは『(現金預金)/(償却債権取立益)』で処理します。

売掛金が後になって回収できなそうな場合

(株)アルトコーポレーションに対する売掛金30,000は一度貸し倒れ処理したが、後ほど2017年7月15日に現金にて支払いがあった。

その時の仕訳は

『現金預金 30,000/償却債権取立益 30,000』

売掛金が時効を迎えた際の仕訳処理

売掛金には5年という時効があります。そのため、消滅時効の売掛は帳簿上から消去しなくてはいけません。

売掛金が時効にて消滅した場合は『債権時効損失/売掛金』で処理します。

売掛金が時効を迎えた際の仕訳事例

(株)アルトコーポレーションの売掛債権30,000が2017年7月15日に消滅時効を迎えた。

その時の仕訳は

『債権時効損失30,000/売掛金30,000』

売掛金と買掛金の相殺仕訳処理

売掛金は相殺処理できるケースがあります。たとえば、

1.同一企業との売掛金、買掛金の相殺

2.同一人物との貸付金、借入金、未払金の相殺

などといったケースです。

一般的に相殺を行う場合、売掛帳には支払い時の概要欄に「相殺」と記入します。

ですので、仮に買掛金(仕入れ代金)と相殺する場合は以下のように処理します。

『仕入れ時 仕入れ30,000/買掛金30,000』

『支払い時 買掛金30,000/売掛金30,000 概要欄に相殺と記入』

大事なのは相殺を行ったことを分かりやすく記しておくことです。

相殺を行う際の仕訳事例

7月15日に入金予定の(株)アルトコーポレーションの売掛金30,000と、同社から仕入れる代金30,000を相殺処理することに決めた。

その時の仕訳は

『仕入れ時 仕入れ30,000/買掛金30,000』

『支払い時 買掛金30,000/売掛金30,000 「概要欄に相殺と記入」』

売掛債権譲渡の仕訳処理

売掛債権譲渡の仕訳は売上債権売却損にて処理していきます。

売上債権売却損とは、売掛債権の譲渡時に生まれた損害を勘定する方法です。

ファクタリングなどを利用した際には、売上債権売却損にて売掛帳に記入していきます。

売上債権売却損は『(借方)現金預金800,000 売上損権売却損200,000/ (貸方)売掛金1,000,000』というように処理していきます。

売掛債権譲渡時の仕訳事例

ファクタリング業者、ビートレーディングに1,000,000の売掛債権を800,000にて譲渡売却した。

その時の仕訳は

『(借方)現金預金800,000 売上損権売却損200,000/ (貸方)売掛金1,000,000』

 

売掛金の仕訳処理特殊パターン6選

ここでは売掛金を処理する際の特殊なパターンの中から、代表的な6選ご紹介していきます。

売掛金から手数料が引かれて入金された時の仕訳処理

売掛金が支払われる場合、手数料が差し引かれた入金が行われる場合があります。銀行振り込み時などがそれに該当するといえるでしょう。

その際には、入金された金額と支払手数料の金額を分けて処理する必要があります。

売掛金から手数料が引かれて入金された時の仕訳事例

(株)アルトコーポレーションの7月末の売上代金(売掛金)が7月15日に普通銀行に支払われた。この際に振り込み手数料の432円が引かれて29,568円振込まれた。

この時の仕訳は

『普通預金 29,586/売掛金 30,000

支払手数料  432/』

切手で売掛金回収の仕訳処理

稀にではありますが、場合によっては売掛金を切手にて支払いを受けるケースもあります。

その場合は、「有価証券/売掛金」で仕訳処理を行っていきます。

切手で売掛金を回収した際の仕訳事例

(株)アルトコーポレーションから、売掛債権10,000の支払金を同額分の切手にて回収した。

その時の仕訳は

『有価証券 100,000/売掛金 100,000』

外貨建の売掛金決済時の仕訳処理

外貨建てで売掛金を決済する場合、取引時と決算時でレートが異なることがあります。

たとえばドルで取引を行った場合、取引時のドル円レートが100円だったとしても、決算時には101円などに変化するケースがあります。

そのような両者の間で差額が生じてしまう場合には、勘定科目は、「為替差損益」で記帳しましょう。

外貨建の売掛金決済時の仕訳事例

期末において(株)アルトコーポレーションの売掛金1,000ドルがある。また、この債権は7月15日に1ドル100円計算で記帳済みである。

なお、決算日の為替相場は1ドル101円であった。

その時の仕訳は

『売上時の仕訳:売掛金100,000 売上100,000』

『売掛金決済時の仕訳:現金101,000 売掛金100,000 為替差益1,000』

売上時の前受金の仕訳処理

商品の仕入れや販売の際に、手付金として商品代金の一部を先に支払い・受け取りが発生する事があります。

その場合にも記帳は必要です。

また、その際の勘定科目は「前受金」で処理していきます。

売上時の前受金の仕訳事例

(株)アルトコーポレーションに100,000円分の木材を販売した。その際に商品代金の手付金として10,000円の支払いを受けた。

その時の仕訳は

『(借方)現金10,000/(貸方)前受金10,000』

『(借方)売掛金90,000 前受金10,000/(貸方)売上100,000』

 

売掛金の仕訳でマイナスになった場合

売掛金は本来はありえない事ですが、何故かマイナスになってしまう場合もあります。そこで、ここでは売掛金がマイナスになった場合の対処法を紹介していきます。

売掛金の管理でマイナスになってしまった場合

本来、売上に対応して売掛金は発生しますので、通常ならばマイナスになることは考えられません。

そのため、マイナスになる場合には、仕訳でミスが起こっている可能性が高いです。

一つ一つ確認し修正していきましょう。

借方と貸方が逆になっているケースに要注意

売掛金がマイナスになっている場合、よくあるのが貸方と借方が反対になっているパターンです。

売掛金がマイナスになるという事は、売上以上に売掛金の支払いが発生している事になる為、通常ではありえません。

まずは、借方と貸方が逆になってないか見直してみましょう。

 

売掛金を管理する重要性

売掛金の管理は会社を経営していくにあたって非常に重要となります。回収漏れや二重支払いなどのトラブルを防ぎ、尚且つ会社の財務状況を把握できるためです。

また、期日通りに請求を行い、支払いを受けることで資金繰りの悪化を防ぐことにも繋がります。

売掛金の管理がずさんにならないように、売掛帳をしっかりと記帳していきましょう!

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