株式会社ビートレーディング

黒字でも倒産?黒字倒産の原因とその対策とは

コラム

2017.11.24

会社を運営していく上で、利益を出すことは大事なことです。しかし黒字経営だからといって、安心してはいけません。
場合によっては、黒字でも倒産してしまう可能性は十分にあるのです。では、どのような状態ならば黒字倒産が発生してしまうのでしょうか?
この記事では、黒字倒産の原因やその対策について徹底解説していきます。

黒字倒産とは?

黒字と赤字

黒字とは収入が支出を上回っている状態であり、赤字とは支出が収入を上回っている状態のことを指します。

黒字や赤字は「黒字財政」や「黒字決算」などのように、あらゆる組織体の収支決算に用いられる事があります。

倒産とは?

倒産とは、返済義務のある借金を返せなくなり会社の経営が行き詰まった状態です。

倒産には明確な定義があるわけではないですが、主に経済活動をそのまま続けることが不可能になる状態のことを指します。

黒字倒産

黒字倒産とは、損益計算書上では黒字の状態でありながらも、企業が倒産してしまうことをいいます。

また、黒字倒産は特別珍しいわけではありません。事実、倒産する半数近くの企業は黒字倒産であることが分かっています。

 

黒字倒産はなぜ起きるのか

黒字倒産が起きる理由

黒字倒産が起きてしまう理由は、主に掛け売買による取引が原因とされています。

掛け売買による取引の場合、すぐに現金は入ってきません。しかし、在庫が増えれば手元の現金は不足する一方となってしまいます。

また、現金が不足していたとしても支払いの時期は待ってはくれません。

そうして、入金と出金が一致せずどんどん資金繰りが苦しくなり、最終的には「損益計算書上では黒字なのに、倒産」という結果となってしまうのです。

赤字なのに倒産しない理由

では逆に、赤字なのに倒産しない理由をみていきましょう。

一見すると「赤字=倒産」というイメージがありますが、会社は「赤字」が理由で倒産するわけではありません。

最終的に、お金が無くなる会社が倒産していくのです。

そのため、たとえ損益計算書上が赤字だとしても現金資金が潤沢にあったり、担保になる資産があり銀行から融資を受けることができる状態ならば、会社は倒産はしないのです。

勿論赤字であり、尚且つ現金が無かったり、資金の調達ができない状況であるならば倒産は免れません。

ですが、決して「赤字=倒産」というわけではなく、場合によっては赤字の会社よりも、黒字経営でありながら資金が不足している会社のほうが「倒産に近い」という見方もできるのです。

 

 

黒字倒産になりやすい企業の特徴

日本の企業における黒字倒産の割合

日本の企業における黒字倒産の割合は非常に高いです。

実際に過去に行われたリサーチでは、2015年の倒産企業のうち最新期の決算で赤字計上した企業は『46%』である事が分かっています。※出典:東京商工リサーチ「2015年度倒産企業の財務データ分析調査」

すると、どういうことか?

実に、倒産した企業の過半数は「黒字倒産」である事がデータ上で発覚しているのです。

この数値を見てみると、黒字倒産が如何に現実的なものであるかが分かります。

黒字倒産する企業の特徴

①支払期日より前に売掛金を回収するようになる

売掛金には支払期日が設けられています。

しかし会社の資金繰りが厳しくなってくると、支払期日まで待っている余裕もなくなってしまいます。

売掛金は、取引先によっては催促を行うことにより、期日前に支払いをしてもらえる企業もあります。

ですが、催促をするまでに余裕が無くなるということはすなわち資金繰りが悪化しているということに繋がります。

支払い期日よりも前に売掛金を回収するようになった会社は、黒字倒産に要注意です。

②営業会議が多くなる

営業会議は大事な会議ですが、余裕のない会社は中身のない無意味な営業会議が増える傾向にあります。

具体的な営業方針もなく、ただ「売り上げを上げろ」といった無茶な指示をだすこともしばしば。

あまりに内容がない会議の回数が増えた場合は、会社に余裕のないサインだと頭に入れておきましょう。

③少人数私募債を頻発する

少人数私募債とは、会社が無担保で発行可能な普通社債の一つです。

金融機関を通さずに資金調達が出来るので、中小企業にとって「有効な資金調達方法」として注目を集めています。

正常な経営のためのつなぎ融資として利用することは良いですが、なかには倒産が見えていながら、信頼関係のある人からお金をだまし取ることが目的で私募債を発行する経営もいますので、頻発し出した場合には注意が必要です。

 

大企業・一部上場企業でも黒字倒産に陥る?

黒字倒産を招くのは、何も中小企業に限ったことではありません。大企業や一部上場企業でも黒字倒産に陥る可能性はありえます。

中でも、貸借対照表で借金が多かったり、損益計算書で経常利益が3年以上赤字であるような企業は要注意です。

資金繰りがだんだん苦しくなり、結果的に倒産に繋がります。

また、営業キャッシュフローで赤字が続いている場合、収入よりも支出の方が多い事が明白なため、そのような企業は当然ながら黒字倒産の可能性が危惧されます。

 

黒字倒産の事例

株式会社アーバン・コーポレイション

園博行氏によって1990年に設立された「アーバン・コーポレイション」は、2008年3月期の連結売上高が2,436億円と、5年間で約7.5倍にも急成長した企業でした。

しかし、建築偽装に伴う「建築基準法改正」などの影響もあり不動産市況が冷え込み、の販売も行き詰まりが発生するようになりました。

ですが、アーバン・コーポレイションは用地仕入れをこれまでどおり継続、すると結果的に売れてないのに在庫が増える「過剰在庫」を招くこととなりました。

そんな過剰在庫の影響により、どんどん資金繰りは悪化。

なんとか銀行から融資を受け耐え忍んでいたものの、有利子負債は膨らむ一方でした。

そして、追い討ちをかけるように金融機関などからアーバン・コーポレイションと反社会的勢力との関連を指摘されたこともあり、融資を渋られ事業継続が困難な状況になりました。

アーバン・コーポレイションは倒産事業年度を除き、直近5年間、損益計算書は黒字だったのですが、最終的に営業キャッシュフローが赤字であったため、資金繰りが悪化し、最終的に「黒字倒産」という結果になったのです。

株式会社アーバン・コーポレイションのキャッシュフロー

ここでは実際のアーバン・コーポレイションのキャッシュフローを見ながら、黒字倒産する会社のキャッシュフローがどのような状態となるかをご紹介していきます。

まずは、アーバン・コーポレイションの損益計算書を見ていきましょう。

【アーバン・コーポレイション、損益計算書】

上記の表は、アーバン・コーポレイションの損益計算書の数値を書き出したものです。

順調に利益を出している「黒字経営」である事が分かります。

では、次にキャッシュフロー計算書を見てみます。

上記の表を見てもらうと分かると思いますが、営業キャッシュフローが大赤字となっており、相当資金繰りが悪化していた事が読み取れます。

在庫を大量に抱えた結果が、数値に表れているのです。

また、アーバン・コーポレイションが在庫を抱えすぎていた証拠に、最終的な「棚卸資産回転期間」が約655日とありえない数値となっています。

 

黒字倒産を防ぐための資金繰りの方法

利益だけでなく、将来の資金(キャッシュ)の出入りを管理する

①損益計算書に着目する

損益計算書は、基本的に収支に着目すべきです。また、当然ながら利益が多いほど倒産の可能性は下がります。

②貸借対照表に着目する

貸借対照表に着目する場合、特に自己資本比率に注目しましょう。

負債が少なく自己資本比率が高ければ、その分倒産の確率は低くなります。逆に、負債が多く自己資本比率が低ければ倒産の確率は高くなるので注意です。

③キャッシュフロー計算書の作成

キャッシュフロー計算書を作成すると、損益計算書だけではわからない部分の「現金や現金等価物の増減と流れ」を正確に把握する事が可能となります。

より正確にお金の流れを知り、実際の数値とのズレを引き起こさないようにキャシュフロー計算書は作成しておきましょう。

在庫管理の徹底

「過剰在庫」は資金繰りの悪化を引き起こすため、黒字倒産の原因となります。過剰在庫を回避するためには、適正在庫量を把握する事が重要です。

また、適正在庫量は『適正在庫量=年間販売高÷年間商品回転率』という計算式で算出する事が可能となっていますが、あくまで一般的な目安に過ぎないので、計算する際には季節要因や安全在庫も加味して適正在庫量を設定するようにしましょう。

棚卸しの実施

棚卸しも在庫を管理するための有効な手段であるため、できれば毎月実施することをおすすめします。

また、数だけではなく質も棚卸し時に判断するとなおいいです。

 

 

緊急の資金繰りはファクタリングサービスを利用

緊急的に資金を増やす必要がある場合

ファクタリングとは売掛金を資金化できるサービスであり、審査に時間がかからないため最短ならば即日にでも資金を調達する事が可能です。

また、負債を増やすことなく資金を調達できるため、財務内容を改善することも可能です。

資金調達に緊急を要する場合には、非常に重宝できる手段となっています。

 

黒字倒産でファクタリングを利用するメリット

①自社の信用は審査に影響しない

ファクタリングの審査は、売掛先の信用が重視されます。

そのため、顧客の会社の経営状況が悪い場合でも、ファクタリングならば資金を調達することが可能です。

②融資までの時間が短い

ファクタリングは、最短ならば即日で資金の調達が可能です。

通常融資までに約1ヶ月程度はかかる銀行などと比較するとかなり早く、そして簡単な手続きで資金を調達できます。

③償還請求権なし

償還請求権なしのファクタリング会社を選択すれば、たとえ売掛先の企業が倒産したとしても顧客に償還請求が来ることがありません。

ファクタリングはそのようなリスクがなく、尚且つ貸借対照表でも負債にならないというメリットがあります。

 

黒字倒産を引き起こさないために

今回の記事では、黒字倒産の原因や対策をご紹介してきました。

黒字倒産は中小企業だけでなく、アーバン・コーポレイションのような上場企業でも起こりえるので注意が必要です。

黒字倒産を引き起こさないためには、目先の利益だけに着目するのではなく将来の資金(キャッシュ)の出入りをしっかりと管理する事が重要となります。

また、万が一緊急の支出が発生した場合には、ファクタリングを活用して資金を調達し、当面の危機を乗り切り黒字倒産を回避しましょう。

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