
複数の会社と取引を行っていたり、大口の取引先が存在する場合、売掛金を確実に回収できるか不安に感じることもあるでしょう。
そんな時に経営の味方になってくれる「取引信用保険」と「ファクタリング」というサービスをご存知でしょうか?
どちらも売掛金を対象にしたサービスで、売掛金の未回収リスクを回避することができます。
用途や適応される範囲が異なるので、2つのサービスをよく理解して使い分けましょう。
今回は以下5点について詳しく解説します。
- 取引信用保険を利用した方がいい会社
- 取引信用保険とは
- 取引信用保険とファクタリングの3つの違い
- それぞれのメリット・デメリット
- 取引信用保険とファクタリングどちらを利用するべきなのか
目次
取引信用保険とは?
取引信用保険とは保険サービスの一種です。
売掛金発生後に保険を掛けることで、
- 取引をしている企業が業績不振で倒産した場合
- 資金繰りの悪化による売掛金未払いなどに陥った場合
に売掛金が回収できないというリスクを回避します。
売掛金に保険を掛けてあらかじめ保険料を払うことで、売掛金が回収できない場合に、保険会社から保険金が支払われるシステムです。
取引信用保険を利用した方が良い会社
取引信用保険を利用した方がいい会社の特徴を紹介します。
- 売掛金の回収に不安を感じる取引先がある
- 倒産した場合、経営が傾くほど大口の取引先が存在する
- 保険を掛けたい取引先が多い
前述のとおり、取引信用保険は売掛金が回収できない場合に備えて、取引先に保険を掛けておくサービスです。
上記のように売掛金の回収に何らかの不安を抱えている場合は、ぜひ利用を検討しましょう。
取引信用保険とファクタリングの3つの違い
同じ売掛金を対象にしている取引信用保険とファクタリングですが、大きく3つの違いが挙げられます。
取引信用保険 | ファクタリング | |
利用目的 | 売掛金の未回収リスク回避 | 売掛金の売却による資金調達 |
サービス対象の範囲 | 取引先全て | 個別対応可能 |
売掛金回収のリスク | 取引先に何らかの問題が発生した場合、
保険が適用されない |
売掛金を売却するため、
確実に回収できる |
利用目的が異なる
取引信用保険とファクタリングでは利用目的が大きく異なります。
取引信用保険は売掛金の未回収リスクを回避することが目的なのに対して、ファクタリングは売掛金を売却し、資金調達を行うことが目的です。
分かりやすく言い換えると、取引信用保険は保険サービス、ファクタリングは資金調達サービスです。
ファクタリングは一般的に、早期に資金調達するための手段として利用されています。
サービス対象の範囲が異なる
取引信用保険とファクタリングは、サービス対象の範囲が異なります。
取引信用保険は複数の取引先をまとめて保険対象とするサービスのため、取引先が少なければすべてが対象となります。
しかし、取引先が多く会社の規模が大きければ、売掛金の多い10社などに条件を絞ることができます。
(利用例)売掛金100万以上の会社のみ保険をかける
ファクタリングは売掛金を早期現金化して資金調達をするサービスです。
取引先の数や規模に関係なく、1社でも5社でもファクタリング会社の審査に通ればサービスの対象となります。
(利用例)翌々月末入金予定の売掛金のみ売却し、資金化する
売掛金回収のリスクが異なる
取引信用保険は、何らかの問題が生じた場合、保険が適用されない可能性があります。
例えば下記のような例があります。
・資金繰り悪化により売掛先が売掛金の支払いを渋っている
・取引先より保険会社にクレームがある
・被保険者の重大過失や法令違反があった場合の損害
・長期間支払い遅延をしている取引先に商品を引き渡してしまった際に生じた損害
これらの場合、保険が適用されないので利用者にとってリスクがあるサービスと言えます。
特にトラブル等がなく保険が適応されれば、保険金が受け取れます。
保険金額は、縮小率によって算出されます。
縮小率について 縮小率とは、保険金額を算出する際に使用される割合です。 例)損害額500万円の場合の保険金 |
一方で、ファクタリングは売掛金をファクタリング会社に売却するので、確実に買取金額を回収できます。
その際、ファクタリング会社の買取手数料が発生することを覚えておきましょう。
取引信用保険のメリット3つ
取引信用保険を利用するメリットについて見ていきましょう。
メリットは以下の3つが挙げられます。
|
①信用度の向上
保険会社の審査に通ることで、金融機関からの信用度が上がる見込みがあります。
貸倒引当金を縮小させることもでき決算数値も改善するため、信用度を上げる要因のひとつとなります。
②キャッシュフローの安定化
保険を掛けることで売掛金未回収リスクを回避できるため、キャッシュフローの流れを止める心配がありません。
それにより資金ショートに陥る可能性が低くなり、資金繰りの改善も見込めます。
③取引先管理の効率化
保険会社が取引先の与信を調査してくれるので、自社の与信管理が効率的になります。
特に信用度に不安のある小口の取引先が存在する場合は、保険を利用することで安心して取引を進められるでしょう。
取引信用保険のデメリット3つ
続いて、取引信用保険のデメリットについて見ていきましょう。
デメリットは以下の3つが挙げられます。
|
①審査がある
保険サービスを利用する際、保険会社による取引先の審査が行われます。
その際、希望額より支払限度額が下げられる可能性があることを覚えておきましょう。
②保険をかけたい取引先が審査に落ちる場合もある
貸し倒れリスクの高い取引先に保険を掛けたくても、審査次第では対象外になる可能性があります。
全ての取引先に保険をかけられるわけではないので、注意しましょう。
また、特定の一社だけに保険をかけることもできません。
③保険金を前倒しで受け取ることはできない
取引信用保険では、入金を前倒しすることができません。
あくまでも、取引先が倒産するなどして売掛金の支払い能力がなくなってしまった場合に、保険金が支払われます。
ファクタリングのメリット・デメリット
もちろん、ファクタリングにもそれぞれ利用するメリットとデメリットがあります。
メリット
- 売掛金を最短即日~3日で現金化できる
- ファクタリングで調達した資金は使用使途が自由
- 売掛先に承諾を得ることなくファクタリング契約可能
- 税金や社会保険を滞納していても利用可能
デメリット
- 売掛金を売却するのに手数料が発生する
- 売掛金の入金日に一括で振込をしなければならない
- 売掛金の範囲内でないと現金化できない
ファクタリングのメリット・デメリットは下記コラムでご説明しております。
詳しくは以下リンクからご確認ください。
資金調達が目的ならファクタリングを利用した方が良い
ファクタリングは売掛金を売却して、早期で現金化するサービスです。
急ぎで資金調達をしたい方、融資の審査結果が出るまでのつなぎ融資として利用される方におすすめしております。
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まとめ
取引信用保険は、包括的に取引先の売掛金を保全するサービスなので、売掛金の未払いリスクを回避することができます。
一方で、ファクタリングは、売掛金を売却して現金化する資金調達方法です。
スピーディーに調達できるため、急な資金調達やつなぎ融資が必要な企業に人気のサービスです。
取引信用保険は保険サービスでファクタリングは資金調達サービスになるため、利用目的や取引先の範囲、債権回収のリスクなど異なる点が多くあります。
利用目的によって使い分けるようにしましょう。
資金調達であればファクタリングの利用をおすすめします。
気になる点があればビートレーディングにお気軽にご相談ください。