ファクタリングの意味とは

近年メジャーになりつつある資金調達方法、「ファクタリング」。聞いたことはあってもまだ利用したことはない、という方は多いかもしれません。ファクタリングは、資金の流れを円滑化し、財務状況をスピーディーに改善できる、経営者ならば押さえておきたい手段です。そんなファクタリングの意味や仕組み、メリット・デメリットなどについて解説していきましょう。

ファクタリングの意味とは

ファクタリングとは、あなたの会社にある売掛債権をファクタリング会社に売却して、現金化する手段を意味します。
日本の商習慣は「信用取引」で成り立っています。
まずサービスを提供し、その代金を取引先から回収するまでにタイムラグが発生するのは、普通のことだと捉えられています。
売掛債権は、取引先からの入金によって現金化されるため、現金化までに1ヶ月〜数ヶ月ほどかかります。
しかし、あなたの会社に余剰資金が少ない場合、現金化を待っている間に資金繰りが厳しくなったり、資金がショートする可能性も出てきます。
そして、万が一取引先が倒産して売掛金が入ってこなかったら、目も当てられない状況に陥るでしょう。
このような日本の商習慣を打破し、即日〜1週間程度で売掛債権を現金化できるのが、ファクタリングです。
ビートレーディングのファクタリングはこちら

売掛債権の意味とは

売掛債権とは、企業の通常の営業活動の成果により、商品やサービスを取引先(顧客)に販売した後に受け取るべき金銭をまだ受け取っていないが故に、金銭を請求できる権利のことを言います。
売掛金や受取手形などが売掛債権に該当し、貸借対照表においては流動資産に分類されています。
基本的にファクタリングは、売掛金の買取を指していることが多いです。
手形を買い取るファクタリングサービスを提供しているファクタリング会社もありますが、利用する際には、その点に注意した方が良いでしょう。

ファクタリングの仕組み

ファクタリングの仕組みを、掛け目90%と手数料10%の設定で例を挙げて説明しましょう。
あなたの会社は、取引先Aに対してサービスを提供し、その代金である500万円を9月1日付けで請求しています。請求書に記載した代金支払期限は、9月30日です。

しかし実は、あなたは取引先Bに対して9月15日に400万円の支払いをする必要があるため、その前に資金を回収したいと考えました。
そこで、あなたはファクタリング会社に相談し、取引先Aに対する売掛債権を掛け目90%(450万円)で買い取ってもらうことにしました。
その結果、9月10日にファクタリング会社から手数料10%分(45万円)が差し引かれた405万円の入金があり、9月15日に取引先Bに対して400万円を支払うことができたのです。

そして、9月30日に取引先Aからあなたの会社に500万円が支払われたら、その金額をファクタリング会社に入金し、後日買い取られなかった50万円が返還されます。
このように、売掛債権に対する入金を待たずに、ファクタリング会社を利用して売掛債権を現金化することが可能です。

掛け目とは

掛け目は、一般的に不動産の担保掛目やローンの債権に対して用いられる言葉で、担保に対する評価の比率を表す意味があります。
不動産を例に出すと、掛け目の相場が70〜80%になり、とある物件に約2000万円の価値があったとしても、最大で1600万円までしか融資されません。
不動産の場合、時々によって価値が変動する可能性が否定できないために、掛け目が80%以下となってしまいます。

これをファクタリングに置き換えると、ファクタリング会社がどのくらい売掛債権を買い取って資金化してくれるのか、というふうになります。
上記の例では掛け目が90%でしたが、実際の掛け目の相場は、

  • 2社間ファクタリング:70〜80%
  • 3社間ファクタリング:80〜90%

になります。

手数料とは

ファクタリングを利用する際には、必ず手数料が発生します。
先述したようにファクタリングを依頼した企業は、ファクタリング会社が買い取った売掛債権から手数料が差し引かれた資金を得ることになります。
手数料の相場は、

  • 2社間ファクタリング:10~30%
  • 3社間ファクタリング:1〜10%

になります。

手数料の内訳

手数料の内訳は、以下のようになります。

  • 事務手数料
  • 印紙代
  • 債権譲渡登記費用(2社間ファクタリング)
  • 紹介料
  • ファクタリング会社の利益

ファクタリングの種類

ファクタリングの種類は、実はいくつかあります。

  • 買取型のファクタリング(2社間ファクタリング・3社間ファクタリング)
  • 保証ファクタリング
  • 医療ファクタリング
  • 国際ファクタリング
  • 一括ファクタリング
  • でんさいファクタリング

以上がファクタリングの主な種類になるので、それぞれのファクタリングの概要を述べていきます。

買取型のファクタリング

買取型のファクタリングは、以下の2種類が該当します。
以下では、各々を詳しく見ていきます。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングとは、売掛先を介さずにあなたの会社とファクタリング会社の2社間で行うファクタリングのことです。
まずは、ファクタリングを利用する会社(上記例でいうと、あなたの会社)と、審査をされた上でファクタリング会社との間でファクタリング契約を締結します。
売掛債権を資金化してもらい、そして、後日売掛先(取引先A)から支払われた売掛金は、あなたの会社からファクタリング会社に入金することで、ファクタリングは完了となります。
2社間ファクタリングは上記のような流れになっているため、売掛先に知られずに売掛金の資金化ができ、審査次第で即日現金化が果たせますが、手数料が高いという特徴があります。

3社間ファクタリング

対して、3社間ファクタリングとは、ファクタリングを利用する会社(あなたの会社)、売掛先(取引先A)、ファクタリング会社の3社間で行うファクタリングのことです。
売掛先の承諾を得た上で、3社間でファクタリング契約を締結した後に、あなたの会社は売掛金を資金化してもらいます。
後日、本来あなたの会社に支払うはずだった売掛金は、売掛先(取引先A)からファクタリング会社に直接入金されて終了となります。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの大きな違いは2つあります。
以下では、その違いをそれぞれ見ていきます。

売掛先の協力が不可欠

取引先に説明をする女性1つ目は、売掛先を巻き込んで契約するかどうかです。
3社間ファクタリングの場合、売掛先を契約に入れることで、ファクタリング会社にとっては、確実に売掛金を回収できる可能性を高められるメリットがあります。
しかし、売掛先にとっては、特にメリットのない契約をする手間があること、あなたの会社にとっては「本当は経営状況が悪化しているのでは?」と疑いがかけられやすいことがデメリットでしょう。

手数料

2つ目は、ファクタリング手数料の違いです。
3社間ファクタリングは、売掛金を回収できる可能性が高いので、手数料が1〜10%程度と比較的低めに抑えられます。
対して2社間ファクタリングは、売掛先が万が一倒産した時の保証をあなたの会社に求めることができないため、手数料を10%〜30%程度に引き上げていることが多いです。
どちらのファクタリングを利用するかは、あなたの会社と取引先との関係性、手数料支払いをどれだけ低額に抑えるかなど、さまざまな要素から総合的に判断して決めるとよいでしょう。
ちなみに、償還請求権のあるファクタリングを利用することで、2社間であっても手数料を低く抑えることができます。
しかしながら、取引先が倒産などをしてファクタリング会社が売掛金を回収できなった時には、その保証をあなたの会社が負うことになります。

保証ファクタリング

保証ファクタリングとは、保有している売掛債権をファクタリング会社が保証してくれるサービスです。
依頼した企業の希望額を全額保証してくれるかはファクタリング会社の審査次第になります。ですが、保証された金額分に関しては、売掛先が倒産などにより売掛金を支払えなくなった時に、ファクタリング会社が全額保証してくれるので、保証料を支払いさえすれば、未回収のリスクを避けることができます。
ファクタリング会社によっては、与信管理に大きく寄与してくれるメリットがありますが、売掛先の信用力があまりに低いと、そもそもとして保証を断られる可能性があります。

国際ファクタリング

国際ファクタリングとは、海外の企業と取引をする際に活用できる金融サービスです。
取引先が海外にいるため、売掛金の回収や信用調査が困難という問題を解決しつつ、審査に通りさえすれば、取引に信用状(L/C)を用いずに確実に売掛金を回収することができます。
ですが、国際ファクタリングを提供しているのは大手金融機関のみで、競合がいないためか、手数料が高いという特徴があります。

医療ファクタリング

  • 診療報酬ファクタリング
  • 介護報酬ファクタリング
  • 調剤報酬ファクタリング
  • 歯科診療報酬ファクタリング

医療ファクタリングとは、上記のファクタリングを総称にして、医療機関だけが利用できる金融サービスです。
医療機関が、国民健康保険団体連合会(国保)や社会保険診療報酬支払基金(社保)から報酬を受け取るのには、2ヶ月ほどのタイムラグが発生します。
ですので、医療ファクタリングは資金繰りの方法としてよく活用されています。
売掛先が国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金などの公的機関であるため、手数料が安く、なおかつ審査に通りやすいといいう特徴があります、

一括ファクタリング

一括ファクタリングは、3社間ファクタリングと同じように、売掛債権を保有する企業とファクタリング会社(銀行)、そして売掛先の3社間で行います。
この一括ファクタリングは、何かとお金がかかる手形を振り出すことを回避するために活用されているケースが多いです。
具体的には、3社間で契約を結んだ後にファクタリング会社に売掛債権を譲渡し、売掛先は支払期日にファクタリング会社に売掛金を支払うことになります。
手数料はもちろん差し引かれますが、売掛債権を譲渡した企業は、いつでも譲渡した売掛債権を必要な分もしくは全額を資金化することができます。
また、それを望まない場合は、売掛先が売掛金を支払った当日に資金化することができます。

でんさいファクタリング

『でんさい』とは、でんさいネット(株式会社全銀電子債権ネットワーク)にて取り扱われている電子記録債権の1種で、それとファクタリングを組み合わせたものが、『でんさいファクタリング』になります。
売掛先がでんさいに対応していることが前提になりますが、売掛債権が電子化されていること以外に、一括ファクタリングとの違いがあまりないです。
利便性の高さもあって、一括ファクタリングはでんさいファクタリングに移行しつつあります。

ファクタリングのメリット

ファクタリングを利用するメリットは、主に2つあります。

売掛債権をスピーディーに現金化できる

日本に従来あった債権の現金化手段は、「手形割引制度」でした。
しかし、手形割引制度は、取引先の不渡りが発生した場合に、それを肩代わりする負担が発生すること、手形管理や手続きに手間がかかることなどから、バブル崩壊以降、取扱いが激減しました。
手形割引制度に代わる資金調達方法として扱われるようになったのが、ファクタリングです。
その最大のメリットは、早くて即日、売掛債権を現金化できること。
すばやく資金流動化できるファクタリングは、ビジネスのスピードが年々早まる中で特に有効な手段でしょう。

取引先に知られずに現金化できる

日本の商習慣は「信用取引」が基本なので、取引先にファクタリングの利用を知られたくない企業は、いまだにとても多いです。
とくに、ファクタリングに対してなじみのない企業から、「ファクタリング=経営悪化」というレッテルを貼られることもあります。
しかし、2社間ファクタリングを利用すれば、取引先に知られることなく売掛債権の現金化ができるので、相手との関係性もこれまでどおり保たれるでしょう。

信用調査をしてくれる

ファクタリングを利用することで、信用調査をファクタリング会社が代わりにしてくれます。ですので、ファクタリングを依頼した企業は、自社の与信管理に活かせるメリットがあります。
与信管理は、取引において重要なファクターなので、今後の取引に不安を覚えている方は、資金を回収しつつ、ファクタリングを利用してみてはいかがでしょうか。

ファクタリングのデメリット

一方、ファクタリングにもデメリットがあります。主なデメリットを2つご紹介します。

ファクタリング手数料がかかる

ファクタリングの利用には手数料がかかります。
手数料は各社によって異なりますが、3社間ファクタリングで5〜10%程度、2社間ファクタリングで15〜20%程度が一般的です。
金融機関からの融資と比較すると、手数料の高さは目立ってしまいますね。

利用に審査が必要

ファクタリングの利用には審査が必要です。
まず審査で見られるのは、あなたの会社ではなく売掛先の信用状況です。
なぜなら、ファクタリング会社にとっては、売掛先から支払いを確実にされるかどうかが重要だからです。
もしあなたの会社の経営状況があまりよくなかったとしても、売掛先の状態がよければ、ファクタリングの利用は可能です。
逆に、あなたの会社の経営状況が良好でも、売掛先の状態がよくなければ、ファクタリングを利用することは難しいでしょう。

2社間ファクタリングの場合

また、2社間ファクタリングの場合は、あなた自身の人柄や信用度も重視されます。
2社間ファクタリングは、売掛金をあなたの会社から回収することになるため、あなたがその売掛金を着服したり、他の用途に使ってしまう危険があると判断されると、ファクタリングの利用を認めてもらえません。
そのため、2社間ファクタリングでは、あなたとの「面談」を重視しています。
ファクタリングを利用できるよう、誠実な対応を心がけましょう。

ファクタリングに関するQ&A

初めてファクタリングを利用するときには、小さな疑問や質問が湧き出てきますよね。
そこで、ファクタリングに関するよくある質問について回答していきます。

①ファクタリング利用後、もし売掛先が倒産した場合はどうなる?

ファクタリングを利用し、ファクタリング会社に売掛債権を買い取ってもらったあとに、売掛先が倒産した場合、どのように対応すべきでしょうか。
実は、特に対応することはありません。
売掛債権はすでにファクタリング会社に譲渡しているので、倒産リスクを被るのはファクタリング会社であり、あなたの会社に影響はないのです。
ですが、上記はあくまでノンリコースのファクタリングを活用した場合に限るので、その点にはご注意ください。

②ファクタリングの仕訳方法は?

ファクタリングを利用した場合の仕訳方法は、以下のとおりです。

ファクタリング契約時の仕訳(売掛債権=500万円のとき)

借方科目 金額 貸方科目 金額
未収金 500万円 売掛金 500万円

ファクタリング契約時は、借方科目を「未収金」とします。

ファクタリング会社から入金されたあとの仕訳(買取金額=450万円のとき)

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金 450万円 売掛金 500万円
売上債権売却損 50万円

ファクタリング会社から入金後は、実際の収益を「普通預金」などに、ファクタリング手数料を「売上債権売却損」など、売却損扱いにします。
詳細は、懇意の税理士などに相談するとよいでしょう。

③悪徳ファクタリング会社を見分けるポイントは?

ファクタリング業には、大手企業から中小企業まで、さまざまな金融機関が参入しています。
まだ日本では歴史の浅い業界のため、中には闇金業者のような悪徳ファクタリング会社が混ざっていることがあります。
悪徳ファクタリング会社を見分けるポイントは、主に2つあります。

取引条件の変更

1つ目は、直前で取引条件を変更してくる会社です。
ファクタリングは、スピーディーに現金化をしたい場合に選ぶ手法なので、利用者は基本的に急いで現金化したいと思っています。
そこにつけ込み、「審査に時間がかかっている」と契約をギリギリまで引き延ばしたあとに、「審査に誤りがあり、さらに手数料を上乗せする必要がある」など、手数料金額の上乗せを求めてくる企業は、悪徳ファクタリング会社である可能性が高いです。

担保や保証人を求めてくる

2つ目は、売掛金回収に関する担保や保証人を求めてくる会社です。
「売掛金を回収できなかったときのために、担保もしくは保証人をつけてください」「売掛金を回収できなかったときは違約金をいただきます」という申し出をされたら、悪徳ファクタリング会社だと考えましょう。
なぜなら、ファクタリング利用者に売掛金の回収を保証する義務はなく、回収リスクはファクタリング会社が負っているからです。
こうした申し出をされた時点で、取引は停止した方が懸命です。

利便性の低いファクタリング会社は利用回避

また、悪徳ファクタリング会社ではありませんが、審査に長時間かかる会社や審査書類が不当に多い会社は、利便性が低いでしょう。
ファクタリングは、多少高い手数料を払ってでも、すぐに債権を資金化したい場合に利用するものです。

時間があるなら、銀行融資や公的融資などの低金利の制度を利用しますよね。
こういった顧客心理をわかっていないファクタリング会社と取引をするのは、あまり得策ではないでしょう。
よって、審査が早くスピーディーに現金化できる会社や、面談時に多少融通を効かせてくれるような顧客思いの会社を選ぶのがおすすめです。

まとめ

ファクタリングは、従来に手形割引制度に変わってメジャーになりつつある、資金調達方法のひとつです。
「ファクタリング=経営悪化」というレッテルは薄れつつあります。
債権のスピーディーな現金化として、あなたの経営手法のひとつに取り入れてみてはいかがでしょうか。

ビートレーディングのファクタリングはこちら

サイトマップ