医療ファクタリングのメリットとは

早期に売掛債権を回収できる資金調達サービス・ファクタリングは、資金繰りを円滑にするために、日本国内でも浸透しつつある資金調達サービスです。ファクタリングにはいくつか種類があり、特定の業界向けのファクタリングもあります。今回はそういったファクタリングのひとつ、医療ファクタリングについて説明します。

医療ファクタリングとは?

医療ファクタリングとは医療機関などが利用できるファクタリングサービスです。診療報酬債権は通常支払われるまでに60日近くかかります。そのため、資金不足という事態が起きてしまう危険性があります。医療ファクタリングサービスとはこういったリスクを回避するための資金調達サービスで、診療報酬債権をファクタリング会社が買い取り、医療機関へ現金を早期に入金します。

そして、後日、国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金からファクタリング会社に診療報酬が入金されるという仕組みです。

医療ファクタリングの種類

医療ファクタリングには、診療報酬債権や介護報酬債権など様々な種類があります。
以下では、それぞれの種類について詳しく説明します。

診療報酬債権ファクタリング

病院や診療所が保険診療を行った場合、治療費の7割は診療報酬として、国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金から支払われます。

診療報酬債権ファクタリングとは、この診療報酬債権をファクタリング会社に売却し、現金化するサービスです。
通常診療報酬債権は診療から支払われるまでに2か月程度のタイムラグがありますが、この診療報酬債権ファクタリングを活用すれば、早期の現金化が可能です。

診療報酬債権ファクタリングの流れ

  1. 医療機関がファクタリング会社へ診療報酬債権ファクタリングの利用申請
  2. 2社間でファクタリング契約を結ぶ
  3. 医療機関が国民や社会へ債権譲渡通知
  4. ファクタリング会社が掛け目に応じて買い取った金額分から手数料を差し引かれた代金が医療機関へ支払われる
  5. 医療機関が国保や社保に対して診療報酬を請求
  6. 国保や社保にてレセプト審査
  7. 国保や社保からファクタリング会社へ診療報酬を支払われる
  8. ファクタリング会社が買い取らなかった金額分が医療機関に支払われる

診療報酬債権ファクタリングの具体的な流れは、以上のようになります。
売掛先が公的機関であることを除けば、3社間ファクタリングの流れとそこまで相違がありません。

レセプトとは

レセプトとは、診療報酬明細書のことです。
レセプトを用いて、医療機関の診療行為が保険診療の規定に則って行われているのかどうかを、国保や社保が審査することを、レセプト審査と言います。
その審査に通れば、診療報酬が医療機関へと支払われるのです。

介護報酬債権ファクタリング

介護事業者を対象としたファクタリングサービスで、介護報酬の未回収債権をファクタリング会社が買い取ることで、早期の現金化が実現できます。

通常であれば、介護報酬が振り込まれるまで実質60日近くかかりますが、この介護報酬債権ファクタリングを利用すれば、早期に現金化が可能です。

介護報酬債権ファクタリングの流れ

介護報酬債権ファクタリングの流れが診療報酬と異なるのは、売掛先が国民健康保険団体連合会(国保連)になっていることと、レセプト審査ではなく介護給付費明細書による突合審査であること。
そして、突合審査の結果が『審査支払結果帳票』として通知されることで、それ以外に大きな違いはありません。

調剤報酬債権ファクタリング

調剤薬局を営んでいる事業者向けのファクタリングサービスです。
調剤をした際の費用は、一部は患者から現金で支払われ、残りは国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金から調剤報酬として支払われます。

しかし、調剤報酬を受け取るには時間がかかります。調剤報酬債権を売却すれば、早期の現金化が実現でき、資金繰りもスムーズになります。

歯科診療報酬債権ファクタリング

上記は、その名の通り歯科医院向けの診療報酬債権ファクタリングで、特に大きな違いはありません。
ですが、現在は歯科医師の数が過剰と言われていて、コンビニよりも歯科医院が多いと言われてしまうくらいです。
また、開業するにあたって融資された資金も返済しなければならないために、歯科診療報酬債権ファクタリングの需要はますます高まっています。

医療ファクタリングのメリット

医療ファクタリングには、医療に限られているからこそのメリットがあります。
以下にて、医療ファクタリングのメリットについて説明します。

担保が要求されない

医療ファクタリングはそもそも受け取るべき診療報酬などの債権を譲渡して、前倒しで現金を受け取る資金調達サービスです。つまり、融資を受けるわけではないため、後々の返済義務もありません。
また、借り入れとも異なるので、担保や保証人などを用意する必要もありません。
診療報酬債権は安全性の高い債権なので、診療報酬債権自体が担保としての価値を有しているためです。

資金繰りの改善

医療ファクタリングを利用することによって債権回収を前倒しすることができます。もし急な支出などで早期の資金調達が必要となった場合、医療ファクタリングを利用すれば借り入れをすることなく、資金を確保できます。

特に医療機関は、雇っている医師への報酬を含め支出額が大きく、なおかつおよそ2ヶ月後に売上が入ってきます。
そのため、そもそもとして資金に余裕がないと、資金繰りに切羽詰まる恐れが高いのです。
しかしながら、診療報酬債権ファクタリングに限れば、最大2ヶ月分の診療報酬を譲渡できるため、資金繰りを良くするための方法としては効果的です。

審査がそれほど厳しくない

診療報酬債権の取引先は、国保や社保といった公的な機関です。
つまり倒産のリスクがなく、診療報酬債権の回収を確実に行えるため、審査は厳しくありません。
申し込めばまず利用できるといってよいでしょう。

手数料が安い

手数料は様々な要因で変動するのですが、その最たる要因が売掛先の与信、つまり倒産の危険性です。
ですが、売掛先が国保や社保といった公的機関だからこそ、貸し倒れのリスクが限りなく0に近いために、それに伴ってファクタリング手数料も低くなるのです。
実際に、手数料が1%前後で医療ファクタリングを請け負っているファクタリング会社があります。

医療ファクタリングの注意点

医療ファクタリングの注意点を説明します。

一般的に債権の全額買い取りはできない

上記の医療ファクタリングの場合、掛け目が70~90%に設定されているため、債権額の100%を現金化することはできません。
取引先が貸し倒れのリスクがない公的機関であるため、手数料は確かに低いのですが、なぜ債権の100%を買い取ってくれないのでしょうか。

それは、レセプト審査に通らずに返戻される可能性が否定できないために、ファクタリング会社はその分のリスクを負わないようにしているのです。
ですが、買い取られなかった10~30%の金額分は、国保や社保からファクタリング会社へ診療報酬が支払われた後に、医療機関へ支払われます。

継続的利用を求められる

医療ファクタリングを利用する際には、例えば1年の医療ファクタリングの継続的利用を条件にされている場合があります。
つまり、契約期間が1年であれば、1年間医療ファクタリングサービスを継続利用しなければならないのです。

手数料は安いため、仮に1年間を利用したとしても、年間手数料は12%前後で収まります。
ですので、財務面での苦労はそこまで強いられない可能性がありますが、問題は、ファクタリングを前提とした資金繰りやキャッシュフローになってしまうことです。

2ヶ月先に受け取るはずの診療報酬などの債権を早期に受け取ってしまうため、ファクタリングの利用を辞めようとしたら、債権が入金されない期間が必然的にできてしまうからです。

そのため、もしも継続的利用を条件とした医療ファクタリングを利用する際には、上述した点に注意して、先々を見据えながら資金繰りを行いましょう。

まとめ

病院介護施設経営をするにあたって、さまざまな支払いが生じます。その際、資金がなかったり、支払うことで資金不足という状況に陥ることもあるでしょう。
しかし、銀行に融資を受けたくても、審査に時間がかかり、早期の資金調達を実現できないケースもあります。

医療ファクタリングであれば、銀行からの融資と違い、比較的審査が緩く対応も迅速です。効率的でスピーディーな資金調達、資金繰りを実現するためにぜひ医療ファクタリングの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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