銀行からはいくら借りられるの? 中小企業の借入限度額

銀行からお金を借りたい人のイメージ

中小企業が資金調達手段として銀行から融資を受ける場合、どの程度の額を借りることができるのでしょうか。必要なときに当てにしていた融資を受けられなかったなどという事態にならないためにも、把握しておくことが重要です。今回は、中小企業の借入限度額や安全に借りられる額について、その指標や金額の計算方法などをご紹介します。

借入限度額とは?

借入限度額とは、金融機関から融資を受ける際の上限金額のことをいいます。貸金業法では、貸金業者が個人に対して貸付を行う場合、その貸付金額がその個人の年収の1/3を超えること禁止しています。これを総量規制といい、複数の貸金業者が貸付を行う場合においては、その合計額が年収の1/3を超えてはならないと定められています。借入限度額も、この額を超えない範囲で設定されます。

中小企業の借入限度額を算出する際に考慮すべき指標

借入限度額はどのようにして決まるのでしょうか。借入限度額を算出する際に考慮すべき指標と、おおよその額を知るための計算方法をご紹介します。

借入金対月商比

借入金対月商比とは、借入金が月商の何カ月分にあたるかを示す指標です。具体的には、下記の計算式で算出されます。

借入金対月商比 = 借入金 / 月間平均売上高
※月間平均売上高 = 売上高 / 12

借入金対月商比の値が小さいほど借入金が少なく安全、大きいほど借入金が多く危険と判断されます。判断基準は業種によっても異なりますが、一般的には4カ月分未満であれば安全、12カ月分以上の場合は危険というのが一つの目安になります。

<例>売上高が480百万円の場合の借入限度額
借入金対月商比 = 借入金 / 40百万円
借入金対月商比は4カ月未満が望ましいため、借入金は160百万円未満であれば安全、借入限度額は480百万円というのが一つの目安になるでしょう。

債務償還年数

債務償還年数とは、現在の借入金を返済するのにかかる年数のことをいいます。簡易的に、下記の計算式により概算の額を算出することができます。

債務償還年数 =(有利子負債 – 所用運転資金 – 現預金)/(当期純利益 + 減価償却費)
※有利子負債 = 借入金 + 社債

債務償還年数の値が小さいほど早く償還されるため安全、大きいほど償還に年数がかかるため危険と判断されます。判断基準は業種によっても異なりますが、一般的には5年未満であれば安全、10年以上の場合は危険というのが一つの目安になります。

<例>下記の場合の借入限度額
社債:20百万円
所用運転資金:10百万円
現預金:20百万円
当期純利益:10百万円
減価償却費:5百万円

債務償還年数 = (借入金 + 20百万円 – 10百万円 – 20百万円)/ (10百万円 + 5百万円)

債務償還年数は5年未満が望ましいため、借入額は85百万円未満であれば安全、借入限度額は160百万円というのが一つの目安になるでしょう。

流動比率

流動比率とは、流動資産(1年以内に現金化できる資産)が流動負債(1年以内に返済する予定の負債)をどの程度上回っているかを示す指標です。具体的には、下記の計算式で算出されます。

流動比率(%) = 流動資産 / 流動負債

流動比率が大きいほど流動資産が流動負債を大幅に上回っているということになるため安全と判断され、200%以上あるのが理想とされています。なお、流動比率が100%以下になってしまう場合は、向こう1年以内に資金が足りなくなるため危険と判断されます。

支払利息負担度

支払利息負担度とは、会社の1年間の利益が支払利息をどの程度上回っているかを示す指標で、インタレストカバレッジレシオとも呼ばれています。簡易的に、下記の計算式で算出されます。

支払利息負担度 = 営業利益 / 支払利息

支払利益は会社の利益でまかなうことが望ましく、この値が大きい(利益が支払利息を大幅に上回っている)ほど利益が支払利息を上回っているため安全、逆に小さいと危険と判断されます。一般的には、10以上であれば安全、1未満の場合は危険というのが一つの目安になります。

<例>下記の場合の借入限度額
営業利益:16百万円
借入金利:2%

支払利息負担度 = 16百万円 / 支払利息

支払利息負担度は10以上が望ましいため、80百万円未満であれば安全、借入限度額は800百万円というのが一つの目安になるでしょう。

借入にはリスクがある

資金繰りのためや事業を拡大するために借入が必要な場合がありますが、過度の借入は経営状態を悪化させてしまいます。融資を受ける場合は、できる限り安全な額でおさめておくことが望まれます。

借入のリスクを防ぐ方法

会社経営では、投資が必要なタイミングがあります。融資を受けることは必ずしも悪ではなく、事業拡大には時には必要なことでもあるでしょう。リスクを防いで健全に借入をするには、常に経常利益ベースで資金繰りを考えると良いでしょう。

借入をする際は、借入限度額を考慮しましょう。また、借入にはリスクがあります。資金繰りに困った際は、借入ではないファクタリングを活用するのもお勧めです。

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