資金調達に困った時、売掛金を回収する為の方法とは

売掛金は必ず支払いがあるとは限りません。そのため取引先に支払いを応じてもらえない場合は、しかるべき処置をとる必要があります。しかし、売掛金の回収方法で頭を悩ませている経営者の方も多いでしょう。そこでこの記事では、売掛金を回収するための10の方法や、売掛金が回収できず資金の調達に困った際におすすめのサービスなどの情報を徹底解説していきます。

そもそも売掛金とは何か?

ここではまず、売掛金とは何なのか?そして、売掛金を管理する目的などをご紹介していきます。

売掛金について

売掛金とは、営業活動で発生する未収入金のことです。
一般的には「ツケ」と呼ばれ、商品の売上代金や提供したサービスの料金を後日払い、もしくは分割払いで支払う約束をします。

売掛金を管理する目的

売掛金の管理がずさんになると、入金の確認が遅れ売掛金の回収漏れに繋がってしまう可能性があります。

回収できないと、資金繰りが悪化する

売掛は、ただでさえ資金繰りの悪化の原因になりえます。
それに加え売掛金の回収ができないとなると、更に現金が不足してしまい、最悪の場合『黒字倒産』となってしまう可能性もあるのです。

売掛金が回収できないケースとは?

売掛金が回収できないケースとは?
売掛金は必ず回収できるとは限らず、場合によっては回収が出来ないこともあります。ここでは、その代表的な例を紹介します。

債務者である取引先が倒産してしまった場合

債務者である取引先が倒産した場合には、売掛金の回収が出来なくなってしまいます。
倒産による売掛金の未回収を防ぐために取引時に相手の企業を調べ、売掛による販売やサービスの提供を行っても問題ないかを確認しなくてはいけません。
とはいえ、どれだけ確認しても取引先が急に不渡りを起こしてしまう可能性はあります。
そのような不測の事態に備えて「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」などに加入し、保険を得ておくのも一つの手段です。

債務者と連絡が取れない場合

取引先企業の支払いが滞ってくると債務者が行方不明となり、連絡がつかなくなってしまうケースもあります。
そのような場合、相手からの連絡を待っていても売掛金は回収できません。法的手段を視野に入れつつ催促状を発送しましょう。

売掛金には時効がある

売掛金には時効がある
売掛金には時効が存在します。知らなければいつの間にか消滅時効を迎えていたなんてことにもなりかねません。ここでは、時効について紹介します。

売掛金には、時効がある

売掛金には時効があり、その期限は売掛代金の種類によって異なります。
それぞれの時効期限は以下の通りです。

主な売掛金の時効期限

  1. 建築工事などの請負代金・・・3年
  2. 製造業、卸売り業、小売業の売掛代金・・・2年
  3. 運送料、ホテル等の宿泊代、飲食代・・・1年

裁判所を利用しない5つの方法

裁判所を利用しない5つの方法
法的な手段は未回収の売掛債権を回収できるメリットがありますが、費用や労力がかかってしまうデメリットもあります。ここでは裁判所を利用しない5つの方法を紹介します。

内容証明郵便による回収

内容証明郵便とは、「いつ、どのような内容の文書を、誰から誰に出したか」を、日本郵便が証明してくれるというものです。
内容証明郵便にて催促状を送れば、後ほど債務者が「催促状を受け取っていない」と証言したとしても無効となります。

内容証明郵便の利点

1.プレッシャーを相手に与えることが出来る

内容証明郵便で催促状を送ることにより、相手へのプレッシャーを与えることができます。
催促状を送ったという事実があれば、後ほど法的手段がとられやすくなるためです。

2.売掛金の時効を一時的に中断することができる

内容証明郵便による催促状を送れば、売掛金の時効を一時的に中断することができます。
逆に支払いがないからといって放置しておくと、「いつのまにか時効が成立していた」なんてことにもなりかねないため注意が必要です。

欠点

1.法的拘束力は生じない

内容証明郵便は法的拘束力が生じるものではありません。
そのため、内容証明郵便を発送したあとに債務者から応答がないからといって、法的に未払い金を回収することは不可能です。

交渉による回収

交渉による回収は、内容証明郵便で効果がなかった際にとる方法になります。内容証明郵便発送後、債務者と連絡が取れた場合交渉を進めていきます。

利点

1.相手との関係悪化を回避できる

法的手段をとった場合、取引相手との関係は悪化してしまう可能性大です。
しかし、交渉によりお互いに納得できる結果が生まれれば、相手との関係悪化は回避できるかもしれません。

欠点

1.債権者の交渉力で結果が左右される

交渉による回収は、債権者の交渉力で結果が左右されてしまいます。
中には、性格上人と話す事が苦手であったり、相手に強く当たられてしまうと弱腰になってしまうような、交渉に不向きな方もいらっしゃるでしょう。
場合によっては、弁護士や債権回収業者などの交渉のプロに回収を委託する手段もあります。

2.債権者と債務者の力関係で結果が左右される

債権者と債務者の力関係は必ずしも同等ではありません。時には債権者が力関係で弱い立場にあるケースもございます。
仮に相手が大口の取引先であったり、過去には逆に支払いを待ってもらっていた恩があったりする場合には、支払いの催促はしづらくなるでしょう。
力関係が同等以下である場合、交渉に持っていくのは不向きといえます。

どのようなケースにおすすめの方法か?

交渉による回収は、円満に債務者から売掛金を回収したい場合に用いるのがおすすめです。
未納の売掛金があるけれども、今後も取引は継続していきたいという場合には交渉を試みてみましょう。

相殺による回収

債権者が債務者に対し買掛金がある場合、売掛金と買掛金による相殺処理を行うことも可能です。
また、内容証明便でその旨通知することで相殺手続きは完了するため、手続きも簡略的です。

メリット

1.債務者の返済能力に縛られずに債権回収が可能

相殺による回収は、返済能力のない債務者の場合でも債権回収が可能です。
どうしても現金による回収が難しくなった際には、打診して実行すべきでしょう。

デメリット

1.他の回収方法の方が金銭的に有益となる場合がある

支払い滞納による利息や遅延損害金が発生する場合、相殺では享受できなくなってしまいます。
状況によっては相殺による回収は、債権者だけが損をしてしまう場合もあります。

どのようなケースにおすすめの手段でしょうか?

相殺による回収を行なうならば、債務者の業績が悪化することで回収見込みが立たなくなった場合に利用すべきです。
最悪なのは未払い金が1円も回収できなくなることですが、極力最後まで最も有益な回収方法を探るべきでしょう。

商品引き上げによる回収

未払い金の代価として、債務者の商品を引き上げることで回収を行う方法もあります。
しかし、商品引き上げによる回収は、相手の同意を得ていることが条件です。
同意なく無許可で商品を引き上げると、窃盗罪で訴えられる可能性もあるため注意が必要です。

利点

1.債権が商品という実物資産として回収できること

商品引き上げによる回収を行えば、債権が商品という実物資産として回収する事が可能となります。
さらに、債権者が取引先に納入した商品を引き上げるのは、基本的な回収方法であるといえるでしょう。

欠点

前述の通り、商品引き上げによる回収は債務者からの合意を得る必要があります。
無断で引き上げれば、今度は債権者の方が訴えられてしまうでしょう。
また、倒産直後または倒産寸前の会社の社長は連絡が取れないケースが多々あるので、商品の引き上げによる回収は、迅速な回収を見込めない場合が多いです。

どのようなケースにおすすめの方法か

商品引き上げによる回収は、商品を納品したが、売掛金を回収できずにいる場合に最適です。
少なくとも、納品した商品に関しては回収する事が可能となります。

債権譲渡による回収

債権譲渡による回収は、債権者が第三者に売掛金を持っている場合に実行する事が可能です。
第三者に対する債権を譲渡してもらう事によって、売掛金の回収が可能になります。

利点

1.債権を担保にできる

譲渡された債権を担保することができます。支払いが不可能となった場合には回収する事が可能です。

欠点

1.債権譲渡した事実が法務局の債権譲渡登記事項概要ファイルに記録される

調べようと思えば、第三者でも債権譲渡の事実を調べることが可能です。

どのようなケースにおすすめの手段でしょうか?

債権者が第三者に対して、売掛金を持っている場合に有効となり得ます。

内容証明・支払催促状の文例

内容証明・支払催促状の文例
ここでは、内容証明・支払い催促状の盛り込むべき内容や文例をご紹介していきます。

内容証明

盛り込むべき内容

  1. 支払い金額の明確化
  2. 支払い金額の根拠説明
    (例)平成27年1月から平成29年1月までの2年間など
  3. 支払い期限の明示
  4. 解除の予告
  5. 訴状の予告
    支払い期限までに振込がない場合は、法的処理に出ることを示唆します。

雛型

雛型
雛型

支払催促状

支払催促状とは

支払催促状とは、支払いを催促するための書類です。債権者からの支払いが滞っている場合に発送いたします。

盛り込むべき内容

  1. 発行日
    支払催促を送付した日付
  2. 債権者の連絡先
    債権者である自身の担当者名・捺印・連絡先を記載
  3. 債務者の宛先・名前
    債務者の企業名・担当部署名を記載
  4. 請求金額
  5. 支払期日
  6. 支払いを促す文面
    振込口座先の明示し、「お支払い頂きますよう、よろしくお願い申し上げます」などの催促文を添えます。
  7. 入金確認時期
    当方がいつ最終的に入金確認したのかを明示します

雛型

雛型
雛型

裁判所を利用する5つの方法

裁判所を利用する5つの方法
いかなる対処にも債務者が応じない場合、法的手段をとるしかありません。ここでは、裁判所を利用する5つの方法をご紹介していきます。

公正証書

公正証書とは公証人役場で発行してもらう書類です。
公正証書を締結後、債務者が支払いに応じない場合、裁判所の判決なしで強制執行できます。

利点

1.強制執行が可能になること

一々裁判を起こす必要がないため、手間や時間がかかりません。すぐにでも強制執行が出来ます。

2.裁判時の重要証拠として公正証書を利用できること

公正証書は証拠力が非常に高いため、裁判時の重要な証拠となります。

欠点

1.信頼関係が崩れてしまう可能性あり

強制力が強いため、債務者と債権者間の信頼関係に亀裂が入る可能性があります。

どのようなケースにおすすめの手段でしょうか?

債務者の支払い能力に疑念があり、必ず債権回収を実現したい場合に有効です。

支払督促

裁判所から債務者へ、支払いを命じる督促を送る制度です。正式な裁判手続きをせずとも、利用することが可能です。

利点

1.手続きの容易性

支払督促は、訴訟とは違い裁判所からの審査がないため、裁判を起こすより手続きが簡易的となります。

欠点

1.督促は債権者が住所不明な場合には利用できない

債務者の住所が不明なケースの場合は、支払督促の利用は出来ません。

どのようなケースにおすすめの手段でしょうか?

訴訟よりも手軽に、かつ確実に債権回収を進めたい場合に有効です。

民事調停

民事調停とは裁判官及び調停委員会が当事者を仲介し、和解の成立を目的とする手続きです。

メリット

1.手続きが簡易的で低コスト

民事調停の場合、裁判を起こすよりも低コストで、手続きも簡易的です。

デメリット

1.双方が合意しない以上は和解が成立しないこと

民事調停は、双方が合意しなければ和解成立しないのです。互いの譲歩が必要不可欠となります。

2.相手側の出席を強制できない

民事調停を起こしたとしても、相手側の出席を強制することはできません。

どのようなケースにおすすめの手段でしょうか?

比較的時間や費用をかけずに、裁判所主導によって債権回収を進めたい場合に有効です。

少額訴訟

少額訴訟は、簡易裁判所にて60万円以内の金銭を請求する場合に起こします。

利点

1.素早い解決

少額訴訟は原則として、1回の期日で審理を終え即日に判決をします。その為、素早い解決が期待できるでしょう。

欠点

1.60万円以下の金銭を請求するケースのみの利用になってしまう

少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを求める場合にしか、利用できません。

どのようなケースにおすすめの手段でしょうか?

債務者・債権者が、弁護士を利用せず裁判を行う場合に有効となり得ます。

強制執行(差し押さえ)

強制執行(差し押さえ)は、債権者から強制的に財産を取り上げ、債権回収を行う手続きのことをいいます。
裁判所が主導になり実行します。

利点

1.強制的に回収が可能
強制執行は、債権者の支払い意向に関係なく、強制的に債権回収を実現できます。

欠点

1.発令時に、担保金を法務局に供託する必要がある

強制執行を行う場合は、発令時に担保金を法務局に供託する必要があります。

どのようなケースにおすすめの方法か

小額訴訟の判決や民事訴訟の結果により、債務者による支払いが確定したにも関わらず、支払いがなされない場合に有効となります。

弁護士に依頼する際の注意点

弁護士に依頼する際の注意点
弁護士への依頼はメリットばかりではありません。注意点も多いのでご紹介していきます。

弁護士費用

弁護士費用は、

  1. 相談料
  2. 着手金
  3. 成功報酬金

の3つから構成されます。

相談料の相場

1時間1万円~

着手金の相場

10万〜30万円程度

成功報酬金

回収に成功した債権額の10〜20%

弁護士に依頼するメリット

弁護士は法のプロであるため、現状に最適な債権回収の方法を提案してもらうことが可能です。
早期解決を臨むことができます。

弁護士の選び方

弁護士の能力にも個人差があります。そのため、できるだけ過去に債権回収の実績がある弁護士を選択することをおすすめします。
また、弁護士費用もピンきりであるため、相談料・着手金・成功報酬金について丁寧な説明を受ける事が可能な、価格に透明性がある弁護士事務所に依頼をしましょう。

売掛金回収時の仕訳

売掛金回収時の仕訳
実際に売掛金を回収したら、仕訳処理を行わなくてはいけません。ここでは、仕訳処理の方法や仕訳事例などの情報をご紹介していきます。

売掛金回収時の仕訳処理

1.売掛金の計上時

「(売掛金)/(売上高)」で仕訳処理

2.売掛金の回収時

「(現金預金)/(売掛金)」で仕訳処理
売掛金を切り崩す

仕訳事例

(株)アルトコーポレーションの7月末の売上代金(売掛金)100,000円が、7月15日に現金にて支払われた。
この時の仕訳は
現金預金100,000円/売掛金100,000円

もし売掛金を回収できなかったら?

もし売掛金を回収できなかったら?
売掛金が回収できないということは、資金が不足してしまい資金繰りに悪影響を及ぼします。ここでは、そのようなケースの対処法を紹介していきます。

ファクタリングサービスを利用する

売掛金の回収が不可能となり、資金が必要である場合は『ファクタリング』を利用することをおすすめします。
ファクタリングには以下のような利点があるため、資金調達方法として最適といえるでしょう。

ファクタリングの利点

1.資金調達までにかかる日数が短い

最短で即日、遅くとも2営業日以内に資金が調達可能なファクタリングならば、給与の支払いや代金の支払いなどで急遽資金が必要となった場合でも対応ができます。

2.キャッシュフローを改善

売掛金の回収ができない場合、資金繰り悪化の原因となります。
キャッシュフローを改善したい場合は、ファクタリングの利用がお勧めです。
ファクタリングとは、融資による借入ではなく「債権譲渡」に該当するため、債務にはならずキャッシュフローの改善につながります。

売掛金の回収はファクタリング業者にお任せ

売掛金の回収はファクタリング業者にお任せ
売掛金が回収できない場合、その被害を被るのは債権者です。その被害は、資金繰りの悪化などで徐々に経営者を苦しめるでしょう。
そうならないためにも、売掛金をファクタリング業者に買い取ってもらうのも一つの手段です。
中でもファクタリング業者の中で数々の実績を誇る『ビートレーディング』ならば、安心して利用できるのでおすすめとなっています!

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