オンラインファクタリングとは、ネット上のやり取りだけで申し込みから入金までが完結するファクタリングサービスのことです。
そもそもファクタリングとは、売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらい、本来の支払期日よりも早く資金化する資金調達の手段です。
近年、クラウドやデジタル技術を活用するファクタリング会社の登場によって、オンラインファクタリングが急速に拡大しています。
経営者にとってメリットの多いオンラインファクタリング。
しかし、気を付けたいデメリットもあります。
本記事では、いま知っておきたい「オンラインファクタリング」について、基礎知識から注意点までわかりやすく解説します。
本記事のポイント |
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• オンラインファクタリングとは何か概要を把握できる • メリットだけでなくデメリットも具体的に解説 • 自分がオンラインファクタリングの利用に向いているかが分かる • 利用する流れや注意点、サービスの選び方が分かる |
「オンラインファクタリングについて知りたい」
「本当によいものなら利用してみたい」
…という方におすすめの内容となっています。
この解説を最後までお読みいただければ、「オンラインファクタリングの基礎知識」はもちろん、どう使えばうまくいくのか、具体的にイメージできるようになります。
オンラインファクタリングの知識を持っておくと、緊急時の資金調達など、いざというとき役立つはずです。
また、サービスを選ぶポイントを押さえておけば、多くのサービスの中から自分に適したものをスムーズに選べるでしょう。
目次
1.オンラインファクタリングとは?基本の知識
まずオンラインファクタリングとはなにか、概要をつかんでおきましょう。
1-1. そもそもファクタリングとは?
冒頭でも触れましたが、そもそもファクタリングとは、売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらい、入金予定日よりも早く資金化する資金調達の手法です。
ファクタリングサービスを提供しているファクタリング会社と「ファクタリング契約」を締結し、売掛金を売却すると、売掛先からの支払期日よりも早く売掛金を受け取ることができる仕組みになっています。
ファクタリング契約とは、具体的にいえば売掛金の譲渡契約(売買契約)です。
ファクタリングを利用すると、銀行融資などの借り入れを利用することなく入金サイトを早められるため、資金繰りが大幅に改善します。
オンラインファクタリングの仕組みを理解するために「ファクタリング」の基礎知識のコラムも併せてご覧ください。
1-2. オンライン完結のファクタリングサービスが増加
さて、話を「オンラインファクタリング」に戻しましょう。
ファクタリング自体は最近できた手法ではありません。
以前から存在している手法でした。
しかし、ここ数年で利用者が急拡大しています。
たとえば以下は、弊社ビートレーディングにおけるファクタリング利用者の推移です。
利用者数の増加の背景にあるのが「オンラインファクタリング」です。
昔ながらのファクタリングサービスでは、ファクタリング会社の事務所に訪れて、対面で契約手続きをする必要がありました。
それがオンラインによって簡略化されたために、ファクタリング利用のハードルが下がり、便利に活用しやすくなったのです。
1-3. オンラインファクタリングの仕組み
具体的にオンラインファクタリングでは、どんな手続きをするのか見てみましょう。
1-3-1.必要書類はWebフォームなどから送信
まず、ファクタリング会社のWeb申し込みフォームやメールなどを通じて、ファクタリング会社にファクタリングの申し込み(見積依頼)をします。
▼ Webフォームの例
その後、ファクタリング会社からの案内に従って、必要書類(売掛先企業への請求書や通帳など)のデータを、Webフォームやメール、LINEなどを使ってファクタリング会社に送信します。
1-3-2.審査のやり取りもオンラインのみ
必要書類を受け取ったファクタリング会社は、その売掛金を買い取れるかどうか審査するとともに、買取代金の見積りを算出します。
このやり取りもオンライン上で行われ、メールなどで通知されます。
なかには審査自体を、人間ではなくAI(人工知能)で自動的に行っているファクタリング会社もあります。
1-3-3.ファクタリング契約は電子契約で行う
実際にファクタリング契約を締結することになったら、その締結もオンライン上で行います。
正式には「電子契約書」と呼ばれ、紙の契約書の署名押印の代わりに「電子署名」「タイムスタンプ」という方法で証明を行います。
電子署名とは? |
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本人証明および非改ざん証明をする仕組みで、なりすましや改ざんを防ぐためのものです。 電子署名があれば、電子署名法に基づいて押印した紙の契約書と同じ効力が認められます。 |
タイムスタンプとは? |
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電子契約書の確定時刻を証明する仕組みで、改ざんを防ぐためのものです。 |
電子署名やタイムスタンプは、ファクタリングの利用者が準備する必要はありません。
ファクタリング会社が、電子契約書の作成とともに用意します。
多くの場合、ファクタリング会社が電子契約サービス専門の会社と契約しています。
その電子契約サービスを通じて、電子契約書の契約手続きが行われるのが一般的です。
弊社ビートレーディングを例にとると、「クラウドサイン(国内シェアNo.1の電子契約サービス)」を利用して、契約を行います。
2.オンラインファクタリングのメリット
オンラインファクタリングの概要がつかめたら、どんなメリットがあるのか見ていきましょう。
5つのポイントが挙げられます。
- 手続きの手間を省いて効率化できる
- 契約にまつわるコストを削減できる
- 入金までのリードタイムが短い(最短即日)
- 営業時間外でも手続きできる
- 手数料が安い傾向にある
※なお、ここでは「“オンラインではないファクタリング”と比較してのメリット“」をご紹介します。
2-1. 手続きの手間を省いて効率化できる
1つ目のメリットは「手続きの手間を省いて効率化できる」です。
オンラインファクタリングでは、以下の手間をオンライン手続きで省略できます。
- 必要書類をコピーして郵送または持参する
- 担当者と直接やり取りする
- 契約締結のためにファクタリング会社の事務所へ実印などを持参して訪問する
- 数多くの契約書に署名捺印する
特に、契約締結の手続きが簡略化できるのは大きなメリットです。
紙の契約書の場合、契約書に双方の押印・割印が必要になることから、締結までに手間と時間がかかります。
オンラインファクタリングでは前述の「電子契約」となり、効率的に手続きが可能です。
2-2. 契約にまつわるコストを削減できる
2つ目のメリットは「契約にまつわるコストを削減できる」です。
ファクタリング契約(債権譲渡契約)は、印紙税の課税対象となりますから、紙の契約書であれば収入印紙を貼付する必要があります。
一方、電子契約は印紙税の課税対象となりませんので、収入印紙代のコストを削減できます。
ほかに、書類をやり取りする郵送代、ファクタリング会社の事務所までの交通費、締結した契約書の保管管理費用などもかかりません。
2-3. 入金までのリードタイムが短い(最短即日)
3つ目のメリットは「入金までのリードタイムが短い(最短即日)」です。
前述のとおり、オンラインファクタリングは従来かかっていた手間やコストがかからないので、その分、申し込みから入金までにかかる時間が短縮されています。
ビートレーディングの例を挙げると【最短2時間で資金調達が可能】となっています。
たとえば、外出することなく自宅にいながら、
「午前9時半に申し込み、午後14時半には銀行口座に着金」
…といった早業も不可能ではないのです。
2-4. 営業時間外でも手続きできる
4つ目のメリットは「営業時間外でも手続きできる」です。
電話や対面でしかやり取りができないファクタリング会社の場合、申し込みや手続きをできるのがファクタリング会社の営業時間内に限定されます。
オンラインファクタリングであれば、申し込みや資料提出などファクタリング会社の営業時間は関係ありません。
もちろん、ファクタリング会社の担当者による応対は営業時間内のみとなるものの、自社(ファクタリング利用者)が行う作業は、真夜中でも明け方でも、いつでも可能です。
2-5. 手数料が安い傾向にある
5つ目のメリットは「手数料が安い傾向にある」です。
オンラインファクタリングを導入しているファクタリング会社と、そうでないファクタリング会社では、前者の方が手数料が安い傾向にあります。
その理由は、ファクタリング会社の視点から見ても、オンラインファクタリングは(オフラインに比較して)手間やコストが削減できるからです。
その利益を顧客に還元しているファクタリング会社は、手数料が低めです。
逆に、オンラインを導入せず実店舗での対面手続きのみで展開しているファクタリング会社は、人件費や事務所の家賃などでコストがかかり、手数料が高くなりやすいといえます。
3.オンラインファクタリングのデメリット
ここまでお読みいただくと、オンラインファクタリングは利点が多いように感じられますが、一方でデメリットもあります。
- 審査に通りにくいことがある(特にAI審査)
- 申し込みできる売掛金に制限があるケースがある
- 書類をオンライン用に準備する手間が発生する
- ネットワーク障害やパソコントラブルが起きると利用できない
- 3者間ファクタリングには対応していないケースが多い
- 柔軟な対応ができないケースもある
自分が審査に通るか自信がない、手続きがよく分からない、などの不安がある方は、担当者と話し合って手続きできる「オンラインではないファクタリング」も検討する必要があります。
そのため、まずはオンラインファクタリングのデメリットを以下で詳しく見ていきましょう。
3-1. 審査に通りにくいことがある(特にAI審査)
1つ目のデメリットは「審査に通りにくいことがある」です。
特に人間の目を介せずにAI(人工知能)などを使って、自動で書類判定を行うオンラインファクタリングの場合に、注意が必要です。
画一的なルールに則って審査されるため、人間の目で見れば問題ない書類が、誤って審査落ちとなることがあります。
改めて審査を通せば通ることが多いのですが、一刻を争うほど急いでいるときには、その一手間が命取りとなる可能性があります。
3-2. 申し込みできる売掛金に制限があるケースがある
2つ目のデメリットは「申し込みできる売掛金に制限があるケースがある」です。
一部のファクタリング会社では、
「オンラインファクタリングの買取可能額は100万円以下(それ以上は対面のみ)」
といった具合に、制限がついているケースがあります。
売却したい売掛金が対応しているか、事前に確認しておく必要があります。
3-3. 書類をオンライン用に準備する手間が発生する
3つ目のデメリットは「書類をオンライン用に準備する手間が発生する」です。
先ほどメリットとして“手間を省いて効率化できる”とお伝えしたのですが、当然ながら、まったく手間がかからないわけではありません。
売掛金の請求書など、必要な書類をオンライン用にデータ化して送信したり、Webフォームに必要な情報を入力したり——、といった作業は発生します。
「コピーをとって郵送したほうが簡単」
「直接、口頭で話したほうが早い」
と感じてしまう方は、オンラインファクタリングの手続き作業を負担に感じるかもしれません。
3-4. ネットワーク障害やパソコントラブルが起きると利用できない
4つ目のデメリットは「ネットワーク障害やパソコントラブルが起きると利用できない」です。
オンラインファクタリングは、インターネット回線とパソコンがあれば利用できます。
逆にいえば、自宅(自社)のネット回線やパソコンにトラブルが起きると利用できません。
平時であれば復旧まで数時間〜数日程度待てばよい話です。
しかし、たとえば、
「今日中にどうしても資金化したい」
といった切羽詰まった状況であれば、そうもいっていられません。
運悪く、たまたま自宅のネット回線が不調になる、PDFを送付しようとしたらパソコンがフリーズして動かない、といったトラブルに見舞われた場合には、対面のファクタリングに切り替えて行動する必要があります。
3-5. 3者間ファクタリングには対応していないケースが多い
ファクタリングには、2者間ファクタリングと3者間ファクタリングという2種類の契約形態があります。
売掛先への承諾が必要になる3者間ファクタリングは、2者間ファクタリングよりも手続きが複雑です。
オンラインファクタリングの強みである即日入金は、手続きに時間のかかる3者間ファクタリングでは難しいでしょう。
そのため、オンラインファクタリングの契約形態は、基本的に2者間ファクタリングのみの取り扱いが多くなっています。
3-6. 柔軟な対応ができないケースもある
オンラインファクタリングは、審査の柔軟性に欠ける傾向が見られます。
オンラインファクタリングの審査に使われる情報は、Web上でやり取り可能な資料に限られるためです。
対して、対面でファクタリングを申し込む場合は、担当者と話しながら交渉を進められます。
会話を通じて情報を補完できる点は、対面型の強みといえるでしょう。
ただし、完全オンラインと言っても、Web会議システムを利用してオンライン面談を実施しているサービスも見られます。
審査に通るか不安な場合は、オンライン面談をしてもらえるサービスを検討すると良いでしょう。
4.オンラインファクタリングの利用が向いているケース
オンラインファクタリングの利用には、向いているケースと向いていないケースがあります。
以下のようなケースでは、オンラインファクタリングが向いているでしょう。
- 近くにファクタリング会社がない
- 早期に資金を用意する必要がある
- 手続きをスムーズに済ませたい
- コストを抑えたい
ここでは、オンラインファクタリングの利用を検討したほうが良いケースを詳しくご紹介します。
4-1.近くにファクタリング会社がない
近隣にファクタリング会社がない場合は、オンラインファクタリングの利用がおすすめです。
ファクタリング会社は東京などの都市部に集中しているため、会社の所在地によっては周辺にない場合があります。
一方、オンラインファクタリングなら、地域を問わず全国のファクタリング会社を利用可能です。
また、近くにファクタリング会社があっても、手数料が高い、申し込みから入金まで時間がかかるなど、他社に比べて条件が悪い場合は、利用をためらうかもしれません。
しかし、オンラインで複数のファクタリング会社から見積りを取れれば、サービスを比較してより条件の良いところと契約できます。
前述のとおり、ファクタリング会社によってはWeb会議システムで面談をしているところもあるため、対面に近い形で利用することも可能です。
4-2.早期に資金を用意する必要がある
オンラインファクタリングは、なるべく早く資金を調達したい方にもおすすめです。
ファクタリング会社に出向いて契約する場合は、移動時間がかかります。
移動に時間を取られすぎると、本来の業務に支障が出る可能性もあるでしょう。
一方、オンラインファクタリングなら、スピーディーな資金調達が可能です。
オンラインでやり取りできるので、ファクタリング会社まで出向く必要がありません。
また、審査に必要な書類もオンラインで送付できるので、郵送の手間や時間もかかりません。
しかも、オンラインファクタリングの多くのサービスでは、申し込むと即日入金が可能です。
オンラインファクタリングのほうが手続きがスムーズに進む上、早期に資金調達できる可能性が高いでしょう。
4-3.手続きをスムーズに済ませたい
オンラインファクタリングは、申し込みから入金まですべてWeb上で完結させることも可能です。
審査に必要な書類を提出する際は、スキャンした画像を送信します。
紙ベースの取引よりも手間がかからないため、はじめてファクタリングを利用する方でも簡単に手続きを進められます。
また、業務が忙しく、手続きにあまり時間をかけられない方にも、オンラインファクタリングはおすすめです。
ファクタリング会社に出向くとなると、スケジュール調整が大変です。
その点、オンラインファクタリングなら、夜間や早朝など余裕のある時間に手続きを進められます。
スマートフォンからアクセスできるファクタリング会社なら、移動中でも手続きが可能です。
4-4.コストを抑えたい
オンラインファクタリングを利用すると、手数料やファクタリング会社へ出向くための交通費、書類を郵送するための送料などを節約することが可能です。
オンラインファクタリングが手数料を抑えられる理由は、運営コストを節約できるためです。
オンラインでやり取りが完結するので、通常のファクタリングサービスよりも事務所の賃貸料や光熱費、スタッフの人件費を抑えられます。
ただし、前述したとおり、オンラインファクタリング会社で採用されている契約形態の多くは、2者間ファクタリング会社です。
一般的に、2者間ファクタリングは3者間ファクタリングよりも手数料が割高です。
契約前に複数社の見積りを取って、納得できる手数料か確認しておきましょう。
5.オンラインファクタリングを利用する流れ
続いて、オンラインファクタリングを利用する流れをご紹介します。
- ステップ1:見積依頼をする
- ステップ2:必要書類を送付する
- ステップ3:ファクタリング契約を締結する
- ステップ4:ファクタリング会社からの入金を確認する
ひとつずつ、順番に見ていきましょう。
5-1. ステップ1:見積依頼をする
1つ目のステップは「見積依頼をする」です。
見積依頼(申し込み)のWebフォームに必要事項を入力し、見積依頼をします。
▼ 入力する内容の例
- 買取希望額
- 会社名・氏名
- メールアドレス
5-2. ステップ2:必要書類を送付する
2つ目のステップは「必要書類を送付する」です。
ファクタリング会社から見積りや審査に必要な書類が案内されますので、書類を準備して提出します。
▼ 必要書類の例
- 売掛先からの入金が確認できる通帳のコピー(表紙付2か月分)
- 売掛金に関する資料(契約書・発注書・請求書など)
提出用のWebフォームまたはメール、LINEなどで提出します。
5-3. ステップ3:ファクタリング契約を締結する
3つ目のステップは「ファクタリング契約を締結する」です。
オンラインファクタリングでは電子契約になりますので、ファクタリング会社からの案内に沿って、契約手続きを進めていきます。
ご参考までに、弊社ビートレーディングが採用している「クラウドサイン」の場合、メールで契約書の確認依頼が届きます。
確認依頼メールに記載されたリンクをクリックし、契約書の内容を確認して同意すると、合意締結が完了し、電子署名・タイムスタンプの処理が施される仕組みになっています。
出典:クラウドサイン
※詳しい流れはクラウドサインが公開している「クラウドサイン受信者向けガイド」にて解説されています。
5-4. ステップ4:ファクタリング会社からの入金を確認する
4つ目のステップは「ファクタリング会社からの入金を確認する」です。
ファクタリング契約が締結されたら、ファクタリング会社が売掛金の売買代金を、指定した口座へ振り込みます。
ファクタリング会社から無事に入金されたことを確認しましょう。
6.オンラインファクタリングを選ぶ際のポイント
効率よく資金調達するためには、サービスを選定する時間もなるべく簡略化したいものです。
オンラインファクタリングを選ぶ際は、以下がポイントとなります。
- オンライン完結型かどうか
- 審査時間はどのくらいかかるのか
- 買取可能額の下限・上限はいくらか
- 手数料が相場よりも高くないか
- 個人事業主でも利用できるか
6-1.オンライン完結型かどうか
オンライン完結型のファクタリングサービスとは、対面なしで、申し込みから入金まですべてWeb上で手続きを済ませられるサービスのことです。
対面してやり取りしたくない、面談を省いて素早く資金調達したい、という方にはオンライン完結型がおすすめです。
忙しくて面談の時間すらもったいないと感じる方にも、オンライン完結型が向いているといえます。
自社の希望に合わせて、オンライン完結型を選ぶかどうか判断しましょう。
6-2.審査時間はどのくらいかかるのか
オンラインファクタリングでは、申し込みから審査結果が出るまでの時間が短めです。
各社の公式サイトに審査時間が公表されているので、申し込む際に確認してみましょう。
多くの会社は、申し込みから審査結果が出るまで最短30分程度としています。
短時間で買取金額が分かるファクタリングサービスに見積りを取れば、効率よく内容を比較できます。
特に、手数料によって調達できる金額が変わるため、複数社見積をとり慎重に検討することが重要です。
また、入金までの時間もファクタリング会社によって異なります。
急いで資金調達したい場合は、入金日までの時間も確認することが大切です。
大抵の場合、オンラインファクタリングでは申し込みから最短即日で入金されます。
6-3.買取可能額の下限・上限はいくらか
それぞれのファクタリング会社によって、買取可能額の下限と上限は変わります。
そのため、売掛債権の金額によって、ファクタリング会社を選ぶ必要があります。
オンラインファクタリングの多くは買取可能額の上限が低めです。売掛債権の金額によっては、事前に買取可能額を確認しておくことをおすすめします。
売掛債権の金額が高額な場合は、規模が大きく資金力があるファクタリング会社に申し込みましょう。
また、売掛債権が少額な場合は、買取可能額の下限を確認してください。
各ファクタリング会社が設定した買取可能額の下限を下回っていれば、取引に応じてもらえません。
例えば、銀行系のファクタリング会社は買取下限額を高めに設定している傾向があるため、少額の売掛債権には対応しない場合があります。
ファクタリングの上限・下限について詳しくは「ファクタリングの限度額はいくら?注意点やおすすめの相談先を解説」の記事をご覧ください。
6-4.手数料が相場よりも高くないか
前述のとおり、オンラインファクタリングの多くは、手数料が安く抑えられています。
ただし、見積りの際には手数料が相場よりも高くないか確認することが大切です。
オンラインファクタリングでできる契約は、基本的に手数料が割高な2者間ファクタリングに限られるためです。
ファクタリングの手数料相場は、2者間ファクタリングが8%~18%、3者間ファクタリングが2%~9%です。
2者間ファクタリングでは売掛金の存在等を売掛先に確認できないため、手数料が高めに設定されます。
同じ売掛金でもファクタリング会社によって手数料は変わるため、できれば複数社から見積りを取って確認しましょう。
6-5.個人事業主でも利用できるか
ファクタリング自体は個人事業主でも利用できますが、ファクタリング会社によっては法人しか利用できないところもあります。
「利用者や売掛先が個人事業主」のときにファクタリングを拒まれる理由には、個人事業主の信用力の低さがあります。
特に少額のファクタリングを希望する場合は、個人事業主や小規模事業者を対象としたファクタリング会社を選ぶと、取引できる可能性が高まります。
ファクタリングの審査に通るかどうかは、売掛先の信用力が重要です。
なるべく信用力の高い売掛金でファクタリングに申し込みましょう。
個人事業主のファクタリング利用について詳しくは「個人事業主でもファクタリングを利用できる!おすすめ会社16選と選び方を解説」の記事をご覧ください。
7.オンラインファクタリングを提供しているファクタリング会社
ここで実際にオンラインファクタリングを提供しているファクタリング会社を見ていきましょう。
- ビートレーディング
- OLTA
- PayToday
弊社ビートレーディングと、オンラインファクタリングに注力している2つの会社をご紹介します。
7-1. ビートレーディング
弊社『ビートレーディング』は、2012年設立・取引実績5.8万社以上(月間契約数1,000件以上)で、ファクタリング業界では大手の会社となります。
AI審査などは導入しておらず、人間の担当者による目視での確認になりますが、【最短2時間のスピード審査】でオンラインファクタリングをご提供しています。
オンライン限定ではなく、電話でのやり取りや、来社・訪問・郵送での手続きも並行して行っており、臨機応変な対応が可能です。
ファクタリングを専門としているため、一般的な売掛金(2者間・3者間)はもちろん、注文書・補助金・助成金・医療報酬・介護報酬など、幅広い売掛金を柔軟に買い取りしています。
会社名 | 株式会社ビートレーディング |
設立年月 | 2012年4月 |
実績 | 累計買取額 1,300億円/取引実績 5.8万社以上 |
手数料の目安 | 2%〜12% 程度 |
※2024年3月
7-2. OLTA
『OLTA』は、クラウド請求管理サービスや与信モデルの企画開発など、テック企業(デジタルテクノロジーを駆使したビジネスを展開する企業)の色が強い企業です。
自社にエンジニアを抱えており、自社開発のシステムでサービスを展開しています。
ファクタリングサービスにおいても、オンラインファクタリングに特化していて、独自のAI審査など新しいデジタル技術を活用している点が注目されています。
会社名 | OLTA株式会社 |
設立年月 | 2017年4月 |
実績 | 累計申込金額 1,000億円/取引実績 10,000社 |
手数料の目安 | 2%〜9% |
※2023年12月
7-3. PayToday
『PayToday』はDual Life Partners株式会社が展開しているファクタリングサービスです。
Dual Life Partners株式会社は、本業が不動産仲介・管理事業で、ファクタリング専門の会社ではありませんが、2020年よりファクタリング事業に参画しています。
ファクタリング事業参画の理念として「フリーランス/個人の選択肢を増やす」を掲げており、フリーランス(業務委託社員や個人事業主)向けが意識されているサービスです。
会社名 | Dual Life Partners株式会社 |
設立年月 | 2016年4月 |
実績 | 累計申込金額 100億円 |
手数料の目安 | 1%〜9.5% |
※2023年12月
8.オンラインファクタリングを利用する際の注意点
これからオンラインファクタリングの利用を考えている方へ、あらかじめ知っておきたい注意点をお伝えします。
- 緊急時は電話・対面も対応可能なファクタリング会社を選ぶ
- 電子署名とタイムスタンプを確認する
- 初回は少額でお試し利用しておく
それぞれ解説します。
8-1. 緊急時は電話・対面も対応可能なファクタリング会社を選ぶ
1つ目の注意点は「緊急時は電話・対面どちらも対応可能なファクタリング会社を選ぶ」です。
資金繰り上、即日で資金が必要な際にファクタリングを利用する場合、オンラインのみしか対応していないファクタリング会社は避けるのが賢明です。
万が一のネット回線やパソコンのトラブルに備えて、電話や対面でも連絡がとれるファクタリング会社を選びましょう。
8-2. 電子署名とタイムスタンプを確認する
2つ目の注意点は「電子署名とタイムスタンプを確認する」です。
今後、オンラインファクタリングは大きく広がっていくと考えられます。
同時に、流行を狙った悪徳業者が出てくる可能性も高いでしょう。
オンライン上で締結した契約書の改ざんを防ぐためには、「電子署名」「タイムスタンプ」の処理が電子契約書にされることを、契約前にしっかり確認しましょう。
契約後には、電子署名・タイムスタンプの処理がきちんとされていることを確認します。
確認方法は電子契約に使っているシステムによって異なります。
参考までに弊社ビートレーディングで採用しているクラウドサインでの確認方法は、クラウドサイン ヘルプセンターの「電子署名とタイムスタンプを確認する」にて解説されています。
8-3. 初回は少額でお試し利用しておく
3つ目の注意点は「初回は少額でお試し利用しておく」です。
ファクタリングはその性質上、資金繰りの悪化など至急現金が必要なときに、初めて利用される方も少なくありません。
できれば、何も問題が起きておらず、時間と心に余裕のあるときに、練習とファクタリング会社の見極めを兼ねて、少額でお試し利用しておくことをおすすめします。
多くのファクタリング会社は、1回目よりも2回目以降の利用のほうが審査プロセスが簡略化されるので、入金スピードが早くなります。
オンラインファクタリングは買取金額の下限は定められていないことが多いので、数万円程度の売掛金で利用してみると、いざというときの備えとなります。
9.まとめ
本記事では「オンラインファクタリング」をテーマに解説しました。
簡単に要点をまとめます。
オンラインファクタリングとは、申し込みから入金までオンライン上で完結するファクタリングのことで、以下の特徴があります。
・必要書類はWebフォームなどから送信 ・審査のやり取りもオンラインのみ ・ファクタリング契約は電子契約で行う |
オンラインファクタリングのメリットは、以下のとおりです。
・手続きの手間を省いて効率化できる ・契約にまつわるコストを削減できる ・入金までのリードタイムが短い(最短即日) ・営業時間外でも手続きできる ・手数料が安い傾向にある |
オンラインファクタリングのデメリットは、以下のとおりです。
・審査に通りにくいことがある(とくにAI審査) ・申し込みできる売掛金に制限があるケースがある ・書類をオンライン用に準備する手間が発生する ・ネットワーク障害やパソコントラブルが起きると利用できない ・3者間ファクタリングには対応していないケースが多い ・柔軟な対応ができないケースもある |
オンラインファクタリングの利用が向いているケースは、以下のとおりです。
・近くにファクタリング会社がない ・早期に資金を用意する必要がある ・手続きをスムーズに済ませたい ・コストを抑えたい |
オンラインファクタリングを利用する流れを4ステップでご紹介しました。
・ステップ1:見積依頼をする ・ステップ2:必要書類を送付する ・ステップ3:ファクタリング契約を締結する ・ステップ4:ファクタリング会社からの入金を確認する |
オンラインファクタリングを選ぶ際のポイントは、次のとおりです。
・オンライン完結型かどうか ・審査時間はどのくらいかかるのか ・買取可能額の下限・上限はいくらか ・手数料が相場よりも高くないか ・個人事業主でも利用できるか |
オンラインファクタリングを利用する際の注意点は、次のとおりです。
・緊急時は電話・対面どちらも対応可能なファクタリング会社を選ぶ ・電子署名とタイムスタンプを確認する ・初回は少額でお試し利用しておく |
オンラインファクタリングをうまく活用すれば、コストを抑えながら効率的に資金調達が可能になります。
新しい時代のリスクマネジメント術の選択肢として「オンラインファクタリング」を持っておくと、健全経営の強力な助けとなるはずです。
筑波大学大学院修士課程修了後、上場企業に勤務。不動産ファンドの運用・法務を担当した後、中小企業の事業再生や資金繰り支援を経験。その後弊社代表から直々の誘いを受け、株式会社ビートレーディングに入社。現在はマーケティング・法務・審査など会社の業務に幅広く携わる。
<保有資格>宅地建物取引士/貸金業務取扱主任者