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ファクタリングの審査が甘いのは本当?仕組みや審査が通りやすい理由を解説

ファクタリングの審査が甘いのは本当?仕組みや審査が通りやすい理由を解説

ファクタリングの基礎知識
ファクタリングの審査が甘いのは本当?仕組みや審査が通りやすい理由を解説

ファクタリングの審査は甘いといわれる場合もありますが、それはなぜなのでしょうか。ファクタリングの審査が甘いといわれる理由を知るには、審査基準を理解する必要があります。

この記事では、ファクタリングの仕組みや審査基準などについて解説します。審査基準を解説したうえで、ファクタリング会社を選ぶ際のポイントも紹介するので、ファクタリングを利用したいと考えている方はぜひ参考にしてください。

ファクタリングとは

ファクタリングとは

ファクタリングは資金の調達方法の一種であり、売掛金をファクタリング会社へ売却して資金を得る方法です。売掛債権の額面から手数料が差し引かれ、残りの金額を受け取れる仕組みになっています。

ファクタリングには「買取型ファクタリング」と「保証型ファクタリング」があります。さきほど説明した売掛金を売却して資金を得る方法は、買取型ファクタリングです。一般的に「ファクタリング」と言う場合、買取型ファクタリングを表しています。

一方、「保証型ファクタリング」は、信用力に問題がある売掛先の売掛債権について貸し倒れが起きた場合、保証会社による補償を受けられるようにする方法です。

ファクタリングについては、下記の記事で詳しく解説しています。
ファクタリングとは?仕組みや他の資金調達方法との違いなどを解説!

この記事では、主に買取型ファクタリングについて解説していきます。

ファクタリングと融資の違い

買取型ファクタリングは、資金調達のために行われます。資金調達の方法としては融資もありますが、ファクタリングとどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、ファクタリングと融資の違いについて解説します。

資金調達の方法

ファクタリングと融資は、いずれも資金調達を目的として行われています。すでに触れたとおり、ファクタリングは売掛金の売却により資金を得る方法です。調達できる資金額は売掛金の金額が上限となります。

それに対して融資は、金融機関から資金を借りて資金を得る方法です。金融機関が認める範囲内であれば、ファクタリングより高額な資金調達が可能です。

資金調達の方法としてはファクタリングと融資のいずれも利用できますが、確保できる金額の上限に違いがあります。

審査基準

ファクタリングの審査では、主に売掛先の信用力が重視されます。売掛先の信用力が低ければ、ファクタリング会社が売掛債権を回収できなくなるリスクがあるためです。売掛先の経営状況が悪い場合、ファクタリングの審査に落ちる可能性は高くなります。

一方、融資の審査では、融資を受けようとしている企業そのものの信用力が重視されます。そのため、過去の決算書や今期の試算表などの提出も必要です。

ファクタリングの審査が甘いといわれる理由

すでに説明したとおり、ファクタリングの審査で特に重視されるのは売掛先の信用力です。よって、たとえ銀行の融資やビジネスローンなどの審査に落ちた場合も、売掛先の信用力が高ければファクタリングの審査をクリアできます。たとえ利用者の財務状況が赤字でも、優良な売掛先の売掛債権ならファクタリングの審査に受かる可能性があります。

また、ファクタリング会社がそれぞれ独自に審査基準を決めており、会社ごとに基準が異なります。そのため、あるファクタリング会社の審査に落ちても、別のファクタリング会社の審査に受かるケースもあるでしょう。

2種類のファクタリングとそれぞれの仕組み

2種類のファクタリングとそれぞれの仕組み

ファクタリングには、2者間ファクタリングと3者間ファクタリングがあります。それぞれ仕組みが異なるため、ファクタリングの利用を希望する場合はそれぞれの違いを理解しておくことが大切です。ここでは、2者間ファクタリングと3者間ファクタリングについて解説します。

2者間ファクタリング

2者間ファクタリングとは、ファクタリングの利用者とファクタリング会社の2者で契約する方法です。売掛先を巻き込まずにファクタリングを行うため、売掛債権を素早く資金化できます。売掛先との信頼関係を維持したままファクタリングを利用できる点もメリットです。

2者間ファクタリングを利用する場合、利用者がファクタリング会社へ申し込みをした後、審査が行われます。審査を通過すれば契約締結が可能です。売掛金をファクタリング会社へ売却すると、売掛債権の額面から手数料を差し引いた残りの金額が利用者へ支払われます。

2者間ファクタリングの手数料は3者間ファクタリングよりも高く設定されており、8%~18%程度が相場です。利用者は売掛債権の支払期限に売掛先から売掛金を回収し、ファクタリング会社へ回収した売掛金を支払います。

3者間ファクタリング

3者間ファクタリングとは、利用者と売掛先とファクタリング会社の3者で契約する方法です。3者間ファクタリングは売掛先の承諾がないと実施できません。

3者間ファクタリングを利用する場合、利用者が申し込みをするとファクタリング会社から条件が提示されます。利用者は、この時点で売掛先からファクタリングの承諾を得る必要があります。

承諾を得られたら3者での契約締結が可能です。利用者は売掛債権をファクタリング会社へ売却し、売掛債権の額面から手数料を差し引いた残りの金額を受け取ります。

3者間ファクタリングは、ファクタリング会社にとってのリスクが2者間ファクタリングと比べて少ないため、手数料が2%~9%程度と低めに設定されているのが一般的です。

売掛金は、売掛先からファクタリング会社へ直接支払われます。

2者間ファクタリングと3者間ファクタリングについては、下記の記事で詳しく解説しています。
2者間ファクタリングとは?メリット・デメリットとやり方・注意点を解説

3者間ファクタリングとは?依頼者・売掛先双方のメリット・デメリット

ファクタリングの審査で重要なポイント

ファクタリングの審査で重要なポイント

ファクタリングの審査では売掛先の信用力が重視されています。他にも重要なポイントがあるため、ファクタリングを利用する場合はよく確認しておきましょう。ここでは、ファクタリングの審査で重要なポイントについて具体的に解説します。

売掛先の信用度

ファクタリングの審査で最も重要なのは、売掛先の信用度です。売掛先の財務状況や収益力などを考慮した結果、売掛債権を回収できないリスクが低いと判断されると、審査に通る可能性が高くなります。

また、過去の取引の状況も、売掛先の信用度を測る重要な指標です。継続的に取引をしており、毎回期日までに入金されていれば、信用度はさらに高いと判断されます。

支払期日までの期間

ファクタリングの審査では、支払期日までの期間もチェックされています。利用者がファクタリングを申し込んだ日から支払期日が近いほど、審査で有利になります。支払期日が近ければ、その分だけ売掛金を回収できる可能性も高いからです。

ファクタリングを申し込んだ日から支払期日が遠い場合、売掛金を回収できなくなるリスクが高いと判断され、審査にも通りにくくなります。審査に通っても手数料が高く設定されるケースもあるため、注意しましょう。

利用者の信用力

ファクタリングの審査でも、利用者の信用力があるに越したことはありません。融資の審査と比較すれば重要度は低いですが、ファクタリングの審査においても利用者の信用力はチェックされています。

ただし、見られているポイントは経済的な信用度ではなく、利用者の誠実さです。2者間ファクタリングの場合、利用者が売掛先から売掛金を回収したうえでファクタリング会社へ送金する必要があります。利用者の誠実さが欠けていれば、売掛金の回収やファクタリング会社への送金を怠るかもしれませんし、実在しない架空の売掛金を譲渡するかもしれません。

ファクタリング会社はそのようなリスクを回避するため、利用者が提出した資料や発言などから誠実さを見極めています。

利用金額

利用者の会社の規模とファクタリングの利用金額のバランスがとれているかどうかも、審査の対象になります。利用者の会社の規模に対してファクタリングの利用金額が大きすぎと審査に落ちる可能性もあるため、注意しましょう。

例えば、年間の売上が約5,000万円の会社が1億円のファクタリングを申し込んだ場合、利用金額が大きすぎると判断されます。何らかの不正を行おうとしているのではないかと怪しまれる原因になるため、そのような申請は避けるべきです。

ファクタリングの審査に落ちる主な理由

ファクタリングの審査に落ちる主な理由

ファクタリングの審査に落ちる場合、状況によって理由はさまざまです。ここでは、ファクタリングの審査に落ちる主な理由について解説します。

取引実績がない

初めて取引した売掛先の売掛債権についてファクタリングを利用しようとすると、審査に落ちる可能性があります。過去に売掛先との取引実績がないと、本当に取引があるのか確認するのが難しいうえ、支払期日までに売掛金を回収できるかどうか判断がつかないためです。

ファクタリングを利用するのは、過去に取引のある売掛先の売掛債権にしましょう。定期的に取引があり、いつも支払期日までに売掛金を回収できているという実績を提示できれば、審査に通る可能性が高まります。

売掛債権の回収が困難

売掛先の状況をもとに売掛債権の回収が困難だと判断されると、ファクタリングの審査に落ちやすくなります。例えば、売掛先の経営状況が悪化しており、支払期日までに売掛債権を回収できる見込みがなければ審査に落ちる可能性が高いでしょう。

また、現在の経営状況に問題がなくても、過去に売掛金の支払いが遅れたり、税金などを滞納している履歴がある場合は審査に通りにくくなります。

支払期日までの期間が長い

申し込みから支払期日までの期間が短いほど、ファクタリングの審査に通りやすくなります。

一方、支払期日までの期間が長ければ、その分だけファクタリングの審査に落ちやすくなります。支払期日までの期間が長いと、売掛債権を回収できなくなるリスクが高くなるからです。

ファクタリング会社は、支払期日までの間に売掛先の経営状況が悪化する可能性を懸念しています。

売掛先の信用力が低い

売掛先の信用力が低ければ、ファクタリングの審査に落ちる可能性は高くなります。特に、個人事業主は、法人よりも信用力が低いと判断されるケースが多いでしょう。一般的に、個人事業主は法人と比べて売上が少ないことに加え、法人のように信用調査会社を通じて財務状況の調査ができないため、与信の判断が難しいためです。

ファクタリングの審査をクリアするには、信用力の高い法人の売掛債権を提示する必要があります。

二重譲渡の可能性がある

二重譲渡とは、売掛債権をファクタリング会社へ売却した後、さらに別のファクタリング会社にも買い取ってもらおうとする行為です。

複数のファクタリング会社から不正に資金を受け取ることになるため、違法とみなされます。二重譲渡が疑われる場合は、ファクタリングの審査に落ちる可能性も高いでしょう。

たとえ審査に通っても、二重譲渡の事実が発覚すれば罪に問われるおそれがあります。

ファクタリングの審査に通りやすくするには?

ファクタリングの審査に通りやすくするには?

コツを押さえれば、ファクタリングの審査に通過する可能性を高めることが可能です。ファクタリングの審査に通りやすくするには、具体的にどうすればよいのでしょうか。ここでは、ファクタリングの審査に通りやすくするための対策を紹介します。

信用度が高い売掛債権を対象にする

ファクタリングの審査で特に重要なのは売掛先の信用度です。ファクタリングの審査に通過するためにも、なるべく信用度が高い売掛債権で申し込みをしましょう。

具体的には、上場企業や公的機関は倒産のリスクが低いため、ファクタリングの審査も通りやすい傾向があります。それ以外でも経営状況が安定している企業なら、信用度は高いと判断されます。

個人事業主は企業と比較すると信用度が低いと判断されるため、個人事業主の売掛債権はファクタリングには向いていません。

支払期日までの期間が短い売掛債権を選ぶ

ファクタリングでは、売掛債権の支払期日までの期間が長いほど売掛金を回収できる可能性が低いと判断されます。一方、支払期日までの期間が短い売掛債権は、売掛金を回収できる可能性が高いと判断され、審査に通る可能性が高いといえます。

ファクタリングに利用できる売掛債権が複数ある場合は、支払期日までの期間が最も短いものを選びましょう。

債権譲渡禁止特約がない売掛債権を選ぶ

債権譲渡禁止特約とは、債権を譲渡できないようにする特約です。債権譲渡禁止特約には、債務者を保護する効果があります。

ただし、実務上は不便な場面も多いため、法改正により債権譲渡禁止特約がついている債権の譲渡が認められるようになりました。ただし、債権譲渡禁止特約について譲受人が悪意又は重過失である場合、債務者は支払いを拒むことができます(民法第466条第3項)。

そのため、ファクタリングにおいては、債権譲渡禁止特約がついている売掛債権を提示すると審査に落ちる可能性があります。売掛先が債権の譲渡を禁止していれば、ファクタリングによりトラブルが発生するリスクも少なからずあるためです。

ファクタリングを利用する際は、債権譲渡禁止特約がついていない売掛債権を選びましょう。

審査なしのファクタリング会社には要注意

審査なしのファクタリング会社には要注意

ファクタリング会社の中には、審査をせず売掛債権を買い取っているところもあります。しかし、審査がないファクタリング会社には注意が必要です。ここでは、その理由について説明します。

悪徳業者の可能性がある

審査がない場合、ファクタリング会社を装う悪徳業者の可能性があります。例えば、ファクタリングだという認識で契約したにもかかわらず、書類上は融資契約を結ばされてしまうケースもあるため注意が必要です。特に、法外な金利が設定されている場合は、悪徳業者の可能性が高いといえます。

ファクタリング会社は基本的に審査を行うため、審査がない場合は警戒が必要です。契約の際は事前にその会社についてよく調べたうえで、信頼できるかどうか見極めてください。

ファクタリングの悪徳業者については下記の記事で詳しく解説しています
ファクタリング会社に悪徳業者はいる?手口の事例や見分け方を解説

高額な手数料がかかる可能性がある

ファクタリング会社が審査を行うのは、売掛債権を回収できなくなるリスクを軽減するためです。審査を行わず契約すれば、売掛債権を回収できなかった際に大きな損失を被ります。

審査がない場合、その代わりとして高額な手数料が発生する可能性があります。ファクタリング会社から支払われる金額から高額な手数料が差し引かれれば、売掛金の売却により受け取れる金額は大幅に減少するでしょう。

不当に高い手数料を請求されないためにも、審査を実施して適切な判断をするファクタリング会社を利用する必要があります。

買戻しを求められる可能性がある

一般的に、ファクタリングでは、売掛金を回収できなかった場合の負担はファクタリング会社が負います。例えば、売掛金の回収前に売掛先が倒産しても、ファクタリングの利用者はファクタリング会社が被る損失を補填する必要はありません。

しかし、審査がない場合、ファクタリング会社がリスクを避けるために償還請求権を設定される可能性があります。償還請求権が設定されると、売掛金を回収できなければファクタリングの利用者が支払責任を問われ、売掛金の買戻しを求められます。

万が一の事態に備えるという意味でも、審査をきちんと行っているファクタリング会社を選んだほうが安心です。

償還請求権については、下記の記事で詳しく解説しています。
償還請求権とは?意味や使い方、注意点を初心者にわかりやすく解説

利用しやすいファクタリング会社の選び方

利用しやすいファクタリング会社の選び方

ファクタリング会社は複数存在するため、慎重に選ぶ必要があります。具体的には、何に重きを置いて選べばよいのでしょうか。ここでは、利用しやすいファクタリング会社の選び方について説明します。

適切な手数料を設定している

ファクタリングでは、ファクタリング会社からの支払いの際に、売掛債権の額面から手数料が差し引かれます。そのため、なるべく手数料が安いファクタリング会社を選んだほうが良いでしょう。

ファクタリングでかかる手数料は、だいたいの相場が決まっています。具体的な手数料の割合は、2者間ファクタリングなら8%~18%程度、3者間ファクタリングなら2%~9%程度です。

ファクタリング会社を選ぶ際は、相場を意識して適切な手数料を設定している会社を選びましょう。相場と比べて手数料が安すぎたり高すぎたりする場合、その理由もよく確認してください。納得したうえで契約を交わすことが大切です。

ファクタリングの手数料について下記の記事で詳しく解説しています。
ファクタリング手数料相場は?高くなる理由と手数料の決まり方

審査から入金までの流れがスムーズ

ファクタリングの大きなメリットとして、資金調達までの期間が短い点があげられます。特に2者間ファクタリングなら、3者間ファクタリングよりもさらにスピーディーな入金を実現できます。2者間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の契約だけでファクタリングを利用できるからです。

ただし、2者間ファクタリングを選んでも、ファクタリング会社によって審査から入金にかかる期間はそれぞれ異なります。期間の目安を確認せずに契約してしまうと、想定よりも入金が遅く、必要な期限までに資金調達が間に合わない可能性もあります。

可能な限り早く資金調達したいときは、審査から入金までの流れがスムーズなファクタリング会社を選びましょう。

即日対応可能なファクタリング会社について下記の記事で紹介しています。
【厳選8社】即日対応のファクタリング会社はこれ!選び方まで徹底解説

売却したい売掛債権の金額に対応できる

ファクタリング会社によって、買取できる売掛債権の金額は異なります。金額の上限を設けずに契約を交わしているファクタリング会社もありますが、あらかじめ上限を定めてファクタリングの契約を受け付けているところもあるため事前に確認が必要です。

また、金額の下限が設けられていることも少なくありません。数万円程度の売掛債権ではファクタリングを利用できないところもあるため、最低いくらから利用が可能なのか確認しましょう。

ファクタリングを利用するには、買取が可能な金額の売掛債権である必要があります。ファクタリング会社を探すときは、売却を考えている売掛債権の金額に対応できるかどうかについてよく確認してください。

ファクタリングの審査は売掛先の信用度が重要!

ファクタリングの審査は売掛先の信用度が重要!

ファクタリングの審査では、売掛先の信用度が最も重視されます。たとえ利用者の経営状況が悪くても、ファクタリングなら資金調達できる可能性があります。ただし、審査がないファクタリング会社と契約するとトラブルに発展するリスクがあるため、注意しましょう。

今回ご紹介したポイントを押さえ、手数料、審査のスピード、対応している売掛債権の金額などをよく確認することが大切です。利用しやすいファクタリング会社を選び、スムーズに資金調達しましょう。

ビートレーディングなら審査が最短30分で完了し、申し込みから入金まで最短2時間です。売掛金の買取金額は下限・上限がないので、ファクタリングの利用を検討している場合はぜひお問い合わせください。

【監修】株式会社ビートレーディング編集部編集長 

筑波大学大学院修士課程修了後、上場企業に勤務。不動産ファンドの運用・法務を担当した後、中小企業の事業再生や資金繰り支援を経験。その後弊社代表から直々の誘いを受け、株式会社ビートレーディングに入社。現在はマーケティング・法務・審査など会社の業務に幅広く携わる。

<保有資格>宅地建物取引士/貸金業務取扱主任者