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手形の裏書とは?手形を裏書する方法やメリット・デメリット、仕訳方法を解説

手形の裏書とは?手形を裏書する方法やメリット・デメリット、仕訳方法を解説

その他

国内のビジネスシーンで利用されている手形の「裏書(うらがき)」には、資金繰りの改善をはじめとしたメリットがあります。

ただし、現状は政府方針に基づいて2027年3月末(2026年度末)までに約束手形(紙の手形)の利用廃止が進められています。

これにともない、金融機関では手形の新規発行の受付が終了し、電子記録債権(でんさい)やインターネットバンキングによる振り込みへの切り替えが推奨されている状況です。

【参考】「紙の手形・小切手利用廃止へ」(全国銀行協会)

今後の商取引に備えて、従来の手形に代わる決済手段を検討しておく必要があるでしょう。

そこでこの記事では、手形の裏書に関する基礎知識や仕訳方法のほか、手形に代わる決済手段までご紹介します。

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1.手形の裏書(うらがき)に関する基礎知識

初めに、手形の裏書(うらがき)に関する基礎知識を解説します。

手形に関する用語など、基本的なお金の知識を改めて確認してみましょう。

1-1.そもそも手形とは?

手形とは、期日に金銭の支払いを約束する有価証券のことです。即座に現金化(資金化)することはできないものの、期日に銀行で額面の金額を請求できる仕組みとなっています。

ビジネスシーンでは現金に代わる決済手段として手形取引が行われています。

ただし、政府・産業界・金融界では、2027年3月末(2026年度末)までに約束手形(紙の手形)の利用廃止が進められている状況です。

【参考】「紙の約束手形、やめませんか?」(経済産業省)

約束手形について詳しくは約束手形廃止による影響は?ファクタリングによる資金調達も検討!」の記事をご覧ください。

1-2.手形の裏書とは?

紙の手形の裏側には、記名押印を行うためのスペースが設けられています。この手形の裏側に住所や氏名などを記入して押印することを「裏書(うらがき)」と呼びます。

裏書を行うと、手形の支払いを受ける権利を第三者へ譲渡することが可能です。譲渡された手形は、譲渡先が期日に銀行で現金化(資金化)することが可能です。

1-3.裏書手形とは?

「裏書手形」とは、他社へ譲渡するために裏書された手形のことです。

他社から受け取った手形に裏書きして、裏書手形を取引先に譲り渡すことで、現金での支払いに代えて裏書手形で仕入代金などの支払いを行うことができます。

1-4.回し手形とは?

「回し手形」とは、手形に裏書をして他社へ譲渡する行為を指す用語です。実質的に裏書手形と同じですが、手形が次々と裏書されて回っていく(譲渡されていく)状態を指します。

回し手形について詳しくは【基礎知識】回し手形|便利な回し手形に潜む4つのデメリットとは」の記事をご覧ください。

2.手形を裏書する方法

手形の裏書は、どのような方法で行うのでしょうか。

ここでは、裏書の基本的な記入方法や、裏書を訂正する方法などをご紹介します。

2-1.裏書の基本的な記入方法

基本的な裏書の手順について2ステップで解説します。

2-1-1.Step1.定められた項目を記入する

手形の裏面の「表記金額を下記裏書人またはその指図人へお支払いください」と書かれている欄に、必要事項を記入しましょう。

法人の場合は「住所・会社名・代表者の肩書と氏名」、個人の場合は「住所・屋号・氏名」などの情報を記入します。

なお、法人・個人いずれの場合も「年月日」「被裏書人」「目的」の欄は必須ではないものの、可能であれば記入しましょう。

2-1-2.Step2.会社印を押す

法人の場合は、会社名と代表者名の横に会社印を押します。会社名は「(株)」のような省略をせずに、正式名称を記入した上で、代表者名の右側に押印しましょう。

個人の場合は、氏名の右側に押印します。

法人・個人いずれの場合も、一般的に実印や銀行届出印を押印する必要はなく、認印を使用して問題ありません。

ただし、取引先や金融機関によって押印のルールが異なるため、事前に確認しておくと安心です。

2-2.裏書を訂正する場合

万が一、押印の際に印影の一部が欠けてしまった場合は、空欄に同じ印鑑を押すことで訂正が可能です。

また、裏書の記載を誤ってしまった場合は、以下の手順で対応しましょう。

①訂正が必要な欄全体に×印を書く
②×印が重なる中心部分に印鑑を押す
③下の欄に新たに裏書を記入する

2-3.裏書禁止の手形の場合

手形の中には、裏書欄に以降の新たな裏書を禁止する旨(禁転裏書)が記載されている場合があります。

こうした裏書禁止の記載がある手形は、原則として譲渡することができません。裏書禁止とすることで、手形が他人の手に渡ることを防ぎ、誰が手形を持っているかを管理しやすくなります。

また、「手形法」の第15条2項では、裏書禁止の手形を譲渡しても、裏書人は次の被裏書人に対して支払いの責任を負わないと定められています。

第十五条 裏書人ハ反対ノ文言ナキ限リ引受及支払ヲ担保ス
②裏書人ハ新ナル裏書ヲ禁ズルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ裏書人ハ手形ノ爾後ノ被裏書人ニ対シ担保ノ責ヲ負フコトナシ

【引用】「手形法(昭和七年法律第二十号)」(e-Gov法令検索)

裏書禁止手形は、振出人や裏書人のリスクを減らすための仕組みであり、手形の譲渡性を制限することで、特定の取引関係や信用を守る目的があります。

3.手形の裏書のメリット・デメリット

手形の裏書には、ビジネスにおいて以下のメリット・デメリットがあります。

裏書で実現できることや、注意すべきことを理解した上で利用しましょう。

3-1.手形の裏書のメリット

手形を裏書するメリットは大きく3つ挙げられます。

3-1-1.資金繰りの改善が期待できる

手形に裏書することで、手元に現金がなくても他社への支払いに充てられるため、資金繰りの改善につながるというメリットがあります。

企業は手元の現金を減らさずに済み、一時的に資金流出を抑えることが可能です。

3-1-2.迅速な決済が可能になる

手形の裏書を利用すれば、支払いのために現金を用意する手間や、銀行振込の手続きをする手間を省けます。

受け取った手形をそのまま支払いに利用できることから、迅速な決済を実現できる点もメリットの一つです。

3-1-3.受取側もさらに裏書譲渡することが可能になる

裏書手形は、受取側が別の第三者への支払いのために譲渡することも可能で、受取側にもメリットがあるといえます。

受取側も裏書を行い、現金の代わりに次々と流通していくという特徴を生かして、ビジネスシーンで活用されています。

3-2.手形の裏書のデメリット

一方で、手形を裏書するデメリットは主に以下の2つです。

3-2-1.不渡りのリスクがある

不渡りとは、振出人の資金不足などの理由によって手形金額が支払われないことです。

万が一、手形が不渡りとなった際は、過去の裏書人に遡って債務履行を求められる可能性があります。

そのため、不渡りが発生すると手形に関与した複数の譲渡人(裏書人)の間で連鎖的な資金トラブルが懸念されます。

不渡りについて詳しくは不渡りとは?出したらどうなるか・回避方法まで分かりやすく解説」の記事をご覧ください。

3-2-2.紛失・盗難によってトラブルになる可能性もある

紙の手形には、紛失・盗難などのトラブルに巻き込まれるリスクがあります。

万が一紛失・盗難の事故に遭ってしまうと、その手形が事情を知らない第三者の手に渡り、支払いを求められる可能性も考えられるでしょう。

また、紛失・盗難が発生した場合は銀行や警察への連絡や、公示催告(裁判所の公告によって所持人に手形の提出を求めること)などの手続きを行うために多くの手間が生じます。

4.手形の裏書の仕訳方法

手形の裏書をした際は会計処理が必要となります。

主に3つの方法があるため、経理業務の際は以下の仕訳例を参考に自社に適した方法を検討すると良いでしょう。

4-1.直接減額法

直接減額法は、手形の譲渡時に受取手形を直接減額させる仕訳方法で、一般的な仕訳方法として実務上多くの企業で用いられています。

譲渡時に決済が完了したと見なすため、決済時の仕訳は不要です。

【譲渡時】

借方貸方
買掛金500,000円受取手形500,000円

4-2.評価勘定法

評価勘定法は、決算書への影響を考慮して、譲渡した手形を補助科目の「評価勘定」によって帳簿上で管理する仕訳方法です。

勘定科目の「裏書手形」と「受取手形」を用いることで、借方金額・貸方金額の管理を行います。

【譲渡時】

借方貸方
買掛金500,000円裏書手形500,000円

【決済時】

借方貸方
裏書手形500,000円受取手形500,000円

4-3.対照勘定法

対照勘定法は、裏書した手形が実際に決済されるまでの間、帳簿上で取引を記録に残す仕訳方法です。

借方・貸方で一対になる勘定科目の「手形裏書義務見返」と「手形裏書義務」を用いることで、裏書譲渡の備忘記録を行えます。

【譲渡時】

借方貸方
買掛金500,000円受取手形500,000円
手形裏書義務見返500,000円手形裏書義務500,000円

【決済時】

借方貸方
手形裏書義務500,000円手形裏書義務見返500,000円

5.手形に代わる決済手段は?

国内のビジネスシーンでは、2027年3月末(2026年度末)の約束手形の廃止が進められています。手形に代わる決済手段を確認しておきましょう。

また手形を現金化する「手形割引」同様に、売掛金(売掛債権)を現金化(資金化)する「ファクタリング」は手形の廃止に伴い利用も増加しています。

売掛金(売掛債権)をスピーディーに現金化(資金化)し、資金調達したい方は5-3.ファクタリングをご覧ください。

5-1.銀行振込

銀行振込は、一般的な企業間の決済手段であり、取引相手の銀行口座へ直接送金する仕組みです。即時性と確実性が特徴となっています。

全国銀行協会は、約束手形の廃止に伴い、代替手段としてインターネットバンキングによる振込を推奨しています。

【参考】「紙の手形・小切手利用廃止へ」(全国銀行協会)

5-2.でんさい

電子記録債権(でんさい)は、約束手形の代替として推奨されている、電子的な金銭債権(売掛金)です。電子データの送受信によって、手形の発生や譲渡が行われ、電子債権記録機関の記録原簿で管理が行われます。

従来の紙の手形との大きな違いは、紛失・盗難リスクをなくし、業務効率化を実現できる点です。

近年では紙の手形からでんさいへの移行が進んでいます。

でんさいについて詳しくは電子記録債権とは?活用場面やメリット・デメリットをわかりやすく解説」の記事をご覧ください。

5-3.ファクタリング

「ファクタリング」とは、売掛金(売掛債権)を第三者へ売却することによって、支払期日前に現金化(資金化)する方法です。

スピーディーに資金調達ができる点や、決算書に影響を出さず利用することができます。

また手形割引とは異なり、ファクタリングは貸金ではなく売掛金の売買によるサービスのため、売掛金が未回収になるリスクを軽減することもできます。

手形廃止後に売掛金を現金化する際はファクタリングを活用するのがおすすめです。

ファクタリングについて詳しくはファクタリングとは?仕組みや注意点などを図解で簡単に解説!」の記事をご覧ください。

6.まとめ

従来のビジネスシーンでは手形の裏書が行われてきましたが、2027年3月末(2026年度末)までに約束手形の廃止が進められています。

近年では代替のインターネットバンキングによる振込や電子記録債権(でんさい)が普及しています。

また、売掛金を活用した資金調達では売掛金(売掛債権)を早期に現金化(資金化)するファクタリングが注目されています。

ビートレーディングのファクタリングサービスは、累計取引者数7.1万社以上累計買取額1,550億円以上(※2025年3月時点)で多くの企業様にご利用いただいています。

お問い合わせから振り込みまで最短2時間で現金化(資金化)が可能なため、キャッシュフロー改善にもおすすめです。

ファクタリングによる資金調達を検討されている方は、どうぞお気軽にビートレーディングまでご相談ください。

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監修者

株式会社ビートレーディング 編集部編集長

筑波大学大学院修士課程修了後、上場企業に勤務。不動産ファンドの運用・法務を担当した後、中小企業の事業再生や資金繰り支援を経験。その後弊社代表から直々の誘いを受け、株式会社ビートレーディングに入社。現在はマーケティング・法務・審査など会社の業務に幅広く携わる。

<保有資格>宅地建物取引士/貸金業務取扱主任者

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