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クラウドファンディングとは?仕組みやファクタリングとの違いを解説!

クラウドファンディングとは?仕組みやファクタリングとの違いを解説!

ファクタリングの基礎知識

クラウドファンディングとファクタリングは、いずれも資金調達の方法として活用されています。

ただし、仕組みはそれぞれ異なります。

クラウドファンディングは、インターネットを介して幅広い支援者を募り、資金を集める方法です。

一方、ファクタリングは売掛金を売却して資金調達する方法です。

この記事では、クラウドファンディングの仕組みやメリット・デメリットを説明し、ファクタリングとの違いについて解説します。

資金調達の方法を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。

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1.クラウドファンディングとは

クラウドファンディングと書かれた紙

クラウドファンディングとは、インターネットを利用してプロジェクトに賛同してくれる支援者から資金を集める方法です。

ここでは、クラウドファンディングの仕組み、誕生の背景、市場規模などについて解説します。

1-1.クラウドファンディングの仕組み

クラウドファンディングとは、プロジェクトを成功させるために多くの人に対して出資を求める方法です。

クラウドは「群衆」、ファンディングは「資金調達」を意味しています。

具体的には、起案者がインターネット上にプロジェクトの情報を公開し、幅広い支援者から資金を集めます。

クラウドファンディングを実施する場合、クラウドファンディング専用のサイトを利用すると便利です。

起案者がサイト上にプロジェクトページを立ち上げると、支援者がプロジェクトに対して資金を提供します。

資金が集まったら起案者はプロジェクトを実行し、支援者にリターンを行う流れです。

そのため、魅力的なリターンを提示すると、支援者がより集まりやすくなります。

1-2.クラウドファンディングの誕生は2000年代のアメリカ

クラウドファンディングは、2000年代にアメリカで誕生しました。

新しい資金調達方法として注目され、「インディーゴーゴー」や「キックスターター」などのサービスも登場しました。

一方、日本で初めてクラウドファンディングサービスが開始されたのは2011年です。

東日本大震災の発生後に復興支援を目的としたプロジェクトが多く立ち上げられました。

そのような背景があるため、クラウドファンディングは単なる資金調達の手段としてだけでなく、寄付の手段としても利用されるようになっています。

クラウドファンディングは認知度が徐々に高まり、クラウドファンディングサービスも増えている状況です。

市場規模も年々拡大しているため、今後もさらなる発展が期待されています。

1-3.クラウドファンディングの市場規模

詳しくは後述しますが、クラウドファンディングの種類としては購入型、融資型、不特法型、ファンド型、株式型などがあります。

種類によって市場規模には違いがあり、2020年1月から12月までの市場規模をまとめると以下のとおりです。

・購入型:501億円
・融資型:1,125億円
・不特法型:60億円
・ファンド型:11億円
・株式型:9.2億円

クラウドファンディングの種類ごとに市場規模を比較すると、特に購入型や融資型に資金が集まっている傾向があることが分かります。

特に、購入型は年々市場が拡大しており、2019年は169億円でしたが、2020年には501億円にまで拡大しました。

それ以外の種類においても、数億円から数十億円の資金がやり取りされている状況です。

2.クラウドファンディングの種類

カラフルな日本列島の地図と電卓とおもちゃのお金

クラウドファンディングには購入型、融資型、不特法型、ファンド型、株式型以外にも寄付型やふるさと納税型などがあり、全部で6種類あります。

ここでは、それぞれの種類について詳しく解説します。

2-1.購入型

購入型クラウドファンディングは、支援者が資金を提供する代わりに商品やサービスの提供を受けられる方法です。

そもそも購入型クラウドファンディングは、主に商品やサービスを開発する際に必要な資金を集める目的で実施されています。

商品やサービスの提供が前提となっているため、商品やサービスが魅力的なら資金も集まりやすいでしょう。

購入型クラウドファンディングは、クラウドファンディングの中でも特にリターンが明確です。

購入型クラウドファンディングを実施すると単に資金を調達できるだけでなく、商品やサービスの需要も把握できます。

ただし、社会的な課題を解決するためのプロジェクトなど、商品やサービスの提供を目的としないケースもあります。

2-2.寄付型

寄付型クラウドファンディングは、起案者に対する寄付を目的とする方法です。

通常の寄付と同様、基本的には購入型クラウドファンディングのようなリターンはありません。

ただし、起案者によっては、受け取った資金の使い道に関する活動報告書や写真などを送付するケースもあります。

寄付型クラウドファンディングとしては、例えば災害の復興支援や公共施設への支援のように公共性の高いプロジェクトがよく見られます。

なお、公共性の高いプロジェクトであっても換金できる可能性の高いリターンが設定されている場合は、寄付型ではなく購入型となります。

寄付による税制優遇の対象になるプロジェクトのみを寄付型に分類しているクラウドファンディング事業者もあるので、目的に応じて使い分けが必要です。

2-3.融資型

融資型クラウドファンディングは、クラウドファンディング事業者が支援者から資金を集めた上で、企業に融資する方法です。

購入型クラウドファンディングのような商品やサービスによるリターンではなく、金銭的なリターンが行われます。

具体的には、一定の運用期間を経て、支援者が元金と貸付金利の一部についてリターンを受け取れる仕組みです。

支援者自身も、金銭的なリターンの獲得を見越して資金を提供します。

融資を受けた企業は、クラウドファンディング事業者へ利息を含めた資金を返済しなければなりません。

すでに触れた通り、融資型はクラウドファンディングの中で最も市場規模が大きくなっています。

2-4.株式型

株式型クラウドファンディングは、支援者に対して企業が未公開株式を提供し、資金を募る方法です。

一般的な株式投資とは異なり、上場していない企業でも利用可能です。

株式型クラウドファンディングなら、支援者は非上場の企業の株主になれます。

投資した企業が成長した場合、将来的に大きなリターンを得られる可能性も期待できます。

その場合、保有している株式数に応じたリターンを受け取れる仕組みです。

従来、上場企業以外は株式の提供による投資家からの資金調達が認められていませんでした。

しかし、2015年に金融商品取引法が改正され、株式型クラウドファンディングも可能になっています。

法律の改正後、2017年頃から実施されるようになりました。

2-5.ファンド型

ファンド型クラウドファンディングは、企業が特定の事業について支援者から資金を集める方法です。

利回りは、売上に基づく分配金により計算されます。

ファンド型クラウドファンディングの場合、金銭的なリターンと共に、その事業によって生み出された商品やサービスの提供も受けられる可能性があります。

ファンド型クラウドファンディングは、金銭的なリターンがあるため金融商品に該当します。

そのため、事業者は第二種金融商品取引業へ登録しなければなりません。

ファンド型クラウドファンディングは企業の個別の事業を支援できる側面もあるため、社会貢献性が高いクラウドファンディングとも言えるでしょう。

2-6.ふるさと納税型

ふるさと納税型クラウドファンディングは、地域の課題解決をテーマとするプロジェクトを立ち上げ、そのために必要な資金について広く寄付を募る方法です。

支援者は、起案者からリターンも受けられます。

購入型や寄付型と似た仕組みではありますが、大きな違いは資金の提供先が自治体または自治体が支援する個人や団体である点です。

ふるさと納税制度と組み合わせて利用でき、支援者は所得税や住民税の控除も受けられます。

ふるさと納税型クラウドファンディングは支援者にとって複数のメリットがあるため、資金を集めやすいでしょう。

自治体が積極的に活用することで、地域の活性化が促されます。

3.クラウドファンディングの「All or Nothing」と「All In」方式の違い

お金から伸びている芽

購入型や寄付型のクラウドファンディングの方式には、「All or Nothing」と「All In」があります。

それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

ここでは、2つの方式の違いについて解説します。

3-1.All or Nothing方式

All or Nothing方式は、最初に定めた目標金額を集められた場合にプロジェクトを実行する方法です。

目標金額を達成したら、起案者は資金を活用してプロジェクトを進め、支援者に対してリターンを送る流れです。

一方、目標金額を達成できなかった場合、プロジェクト自体が不成立となります。

目標金額以下の資金が集まっていても、起案者は資金を受け取れません。

起案者がプロジェクトを進められないため、支援者に対するリターンもなくなります。

つまり、All or Nothing方式でクラウドファンディングを成功させるには、必ず目標金額以上を集める必要があるということです。

そのため、起案者は魅力的なプロジェクトを提示しなければなりません。

3-2.All In方式

All In方式は、最初に定めた目標金額を達成できなかった場合も、集まった資金を活用してプロジェクトを実行する方法です。

少しでも資金が集まれば起案者はプロジェクトを進める必要があり、支援者に対してリターンを送る義務が発生します。

万が一、クラウドファンディングの目標金額を達成できなかったために資金が不足するとしても、プロジェクトを進めなければなりません。

その場合、クラウドファンディング以外の方法で資金を集める必要が生じます。

目標金額以上が集まれば問題ないですが、目標金額を大きく下回ると起案者にとっての負担が大きくなります。

なお、目標金額を大幅に上回る資金が集まれば、その全額を受け取ることが可能です。

4.クラウドファンディングとファクタリングの違いとは

1万円札を眺める2人のビジネスマン

ファクタリングは企業の資金調達の方法として利用されており、クラウドファンディングとは仕組みが異なります。

ここでは、クラウドファンディングとファクタリングの違いについて解説します。

4-1.ファクタリングの仕組み

ファクタリングとは、企業が保有している売掛金をファクタリング会社へ売却し、資金調達する方法です。

利用者とファクタリング会社の2者で契約する「2者間ファクタリング」と、利用者とファクタリング会社に加え、売掛先も含め3者で契約する「3者間ファクタリング」があり、仕組みが異なります。

クラウドファンディングとは異なる「ファクタリング」の仕組みについて詳細はこちらをご覧ください。

4-2.クラウドファンディングとファクタリングの違い

クラウドファンディングはプロジェクトを実行するための資金を募る方法であり、基本的には対象のプロジェクトを遂行する目的以外には資金を利用できません。

一方、ファクタリングは、主に資金繰りの改善を目的とする資金調達の方法です。

売掛金をファクタリング会社へ売却することで入金日前に資金化(現金化)し、仕入代金の支払いや設備投資などに利用します。

ファクタリングの場合、資金の使い道について制限なく、その点がクラウドファンディングとは異なる点です。

また、クラウドファンディングを利用すると、資金を増やせます。

それに対してファクタリングは、あくまでも企業がもともと保有している売掛金を資金化する方法なので資金が新たに増えるわけではありません。

4-3.ファクタリングのほうが適しているケース

クラウドファンディングよりもファクタリングのほうが適しているケースは、可能な限り早く資金調達したいときです。

クラウドファンディングの募集期間は、All In方式なら1日から79日、All-or-Nothing方式なら1日から59日の範囲で設定できます。

プロジェクトの内容によっても最適な募集期間は異なりますが、基本的にクラウドファンディングは実際に資金を手元に確保するまでに1か月以上かかるパターンが一般的です。

それに対してファクタリングは、保有している売掛金があれば即日で資金調達できる可能性があります。

そのときの状況や利用するファクタリング会社にもよりますが、早期に資金が必要ならファクタリングのほうが適しているでしょう。

5.クラウドファンディングとファクタリングを比較した場合のメリット・デメリット

MERIT とDEMERITのチェックリストとボールペン

クラウドファンディングとファクタリングを比較すると、どちらにもメリット・デメリットがあります。

資金調達を目指す場合、それぞれの違いをよく理解した上で選択することが大切です。

ここでは、クラウドファンディングとファクタリングのメリット・デメリットについて解説します。

5-1.クラウドファンディングのメリット・デメリット

クラウドファンディングは資金調達だけでなく、商品やサービスのプロモーションやテストマーケティングとしても活用できます。

また、プロジェクトに賛同する人が多く集まると、想定以上に高額の資金調達を実現できる可能性もあります。

ただし、All-or-Nothing方式を選択すると、目標金額を達成できなければ資金を得られない点に注意が必要です。

目標金額に達しなかった場合、プロジェクトも進められません。

All In方式ならクラウドファンディングで思うように資金が集まらなくてもプロジェクトを進められますが、不足分については他の方法で補填する必要があります。

また、クラウドファンディングは、資金調達の実現までに時間がかかるところもデメリットです。

5-2.ファクタリングのメリット・デメリット

ファクタリングは最短即日で資金調達できる可能性があり、入金まであまり時間がかかりません。

すぐに資金が必要なケースでも利用しやすいでしょう。

また、資金使途も特に制限されないため、設備投資や各種支払いなどに柔軟に活用できます。

さらに、ファクタリングは基本的に償還請求権がありません。

そのため、売掛金を回収できない事態になってもファクタリング会社への支払い義務はありません。

ファクタリングを利用することで、売掛金の貸し倒れリスクを軽減できることがメリットです。

ただし、ファクタリングで調達できる資金の上限は、保有している売掛金の金額までです。

手数料も差し引かれるため、負担が大きくなります。

ファクタリングを利用する際は手数料について事前によく確認する必要があるでしょう。

ファクタリングの入金日数や流れについて詳しくは「ファクタリングの入金日数はどれくらい?申し込みの流れを解説」の記事をご覧ください。

6.まとめ

クラウドファンディングは、インターネットで不特定多数の人にプロジェクトを遂行するための資金を募る方法です。

プロジェクトに賛同する人がたくさんいれば、多額の資金調達も期待できます。

また、資金を集めるだけでなく、商品やサービスのアピールにつながるという側面もあります。

ただし、基本的には実際に資金を調達するまでに1か月以上かかるため、すばやく資金調達したいケースには向きません。

それに対してファクタリングは、早期に売掛金を資金化(現金化)できます。

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早期に資金調達が必要な際は、ぜひご相談ください。

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監修者

株式会社ビートレーディング 編集部編集長

筑波大学大学院修士課程修了後、上場企業に勤務。不動産ファンドの運用・法務を担当した後、中小企業の事業再生や資金繰り支援を経験。その後弊社代表から直々の誘いを受け、株式会社ビートレーディングに入社。現在はマーケティング・法務・審査など会社の業務に幅広く携わる。

<保有資格>宅地建物取引士/貸金業務取扱主任者