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後払いファクタリングとは何か?資金化の仕組みや注意点などを解説

後払いファクタリングとは何か?資金化の仕組みや注意点などを解説

ファクタリングの基礎知識

後払いファクタリングとは、商品やサービスを購入する際に後払いを利用して資金調達をする方法です。

後払いファクタリングは主に個人向けとして提供されていますが、企業でも個人でも資金調達できる方法として利用されています。

本記事では、後払いファクタリングとは何か、資金化する際の仕組みや注意点などを詳しく解説します。

後払いファクタリングでトラブルになるケースもあるため、トラブルに巻き込まれないためにもぜひ参考にしてください。

後払いファクタリングをより理解するために「ファクタリング」の基礎知識の記事も併せてご覧ください。

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1.後払いファクタリングとは

電卓とペンと1万円札5枚

後払いファクタリングとは、企業や個人が資金を調達する方法として提供されているサービスです。

基本的に、企業・個人問わずに利用できますが、主に個人を対象としており給料ファクタリングの後続として登場しました。

一般的なファクタリングの場合、売掛債権がなければ利用できません。

そのため、ファクタリングは企業や個人事業主などの事業者向けのサービスとなります。

しかし、後払いファクタリングは、売掛債権がない、融資を受けられないという個人であっても利用できるサービスです。

後払いファクタリングは、利用者が後払いで購入した商品やサービスを業者に買い取ってもらうことで現金を得て、後日支払いをするという仕組みになっています。

サービス名に「ファクタリング」と入ってはいますが、売掛債権を資金化する買取ファクタリングとは異なるサービスです。

2.後払いファクタリングの3つの種類とそれぞれの仕組み

1万円札を5枚持った女性

後払いファクタリングには、主に3つの方法があります。

・キャッシュバック方式
・宣伝報酬方式
・転売代行方式

ここからは、それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。

2-1.キャッシュバック方式

キャッシュバック方式とは、業者が販売する商品を後払いで購入して、キャッシュバックを受ける方法です。

例えば、デジタルコンテンツやデジタルアートといった商品にキャッシュバック特典を設定してあるケースも多く、購入した商品だけでなくキャッシュバックとして現金を受け取れます。

キャッシュバック特典として現金が受け取れるため、支払期日までに資金調達ができるという仕組みです。

キャッシュバックは、購入手続き完了後10~30分程度で商品とともに受け取れるため、すぐに現金を受け取りたいという場合にも利用しやすいでしょう。

後日、後払いで購入した商品の代金を支払えば完了となります。

商品を購入するだけで手軽に資金調達できるため、個人でも利用しやすい方法です。

2-2.宣伝報酬方式

宣伝報酬方式とは、その名のとおり購入した商品の宣伝をすることにより、対価として現金を受け取る方法です。

商品やサービスを宣伝して報酬を受け取る個人や事業者のことを、インフルエンサーマーケティング、ディストリビューターと呼ぶ場合もあります。

情報商材やFX自動売買ソフトなどでよく使われている方法です。

購入した商品を利用することで、場合によっては副収入を得ることもできます。

例えば、情報商材を購入してレビューを公式サイトなどに書くことで、その報酬として現金が受け取れるという仕組みになっています。

報酬は業者によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

購入した商品の支払日は後払いとなっており、購入から1カ月以内に設定されることが多いようです。

2-3.転売代行方式

転売代行方式とは、商品の購入や売却を業者に代行してもらい、商品購入の際に支払う金額と売却した際に受け取った金額の差額を現金として受け取る方法です。

転売代行方式の場合、デジタルアートなどのデジタルコンテンツがメインとなっているため、商品の購入から売却までがWeb上だけで完結します。

そのため、実際の商品が手元に届くことはなく、現金のみが受け取れるという仕組みです。

自宅に商品が届くと困る、家族には伝えずに資金調達をしたいという場合にも向いています。

商品は後払いで購入することになるため、支払期日までに購入代金を支払わなければなりません。

支払期日は、商品の購入から約1カ月後までとなっているケースが多いようです。

3.後払いファクタリングを利用する際の流れ

STEP1やSTEP2と書かれた紙が上向きクリップでとめられている

後払いファクタリングを利用しようと思っても、どのように利用すればよいのか分からないという方も多いでしょう。

ここでは、後払いファクタリングを利用する際の流れを詳しく解説します。

3-1.申し込みをする

まずは、後払いファクタリングのサービスを提供している業者を探して、利用申し込みを行います。

業者によっては、新規の申し込み時に利用者登録が必要になるケースもあります。

そのため、利用したい後払いファクタリングのサービスを確認して、登録が必要な場合は各業者のホームページから登録を行いましょう。

後払いファクタリングは、基本的にオンライン上で登録や申し込みをするケースがほとんどです。

後払いファクタリングでは悪質な業者も存在するため、利用の申し込みをする際には信用できる業者かどうかをしっかりと見極めるようにしましょう。

実際の利用者の口コミを確認したり、所在地や電話番号などが記載してあるかどうかをチェックしたりして判断します。

3-2.審査を受ける

申し込みをした後は、必要書類を提出して審査を受けます。審査に必要な書類は以下のとおりです。

個人の場合
・身分証明書(運転免許証やパスポートなどの顔写真付き)
・給与明細
・給与振込口座の確認
・社員証など

法人の場合
・入金履歴(通帳のコピー)
・法人登記簿謄本など

業者によって必要な書類は異なるため、事前に何が必要か確認して準備しておくと安心です。

また、審査の際に在籍確認を行う業者もあります。

在籍確認とは、登録された勤務先の会社で実際に働いているか確認することです。

後払いファクタリングの利用を会社に知られたくない場合は個人名で電話してもらう、もしくは在籍確認不要の業者を選ぶとよいでしょう。

審査項目としては、現在の収入額や収入源、他社の利用履歴などが挙げられます。

3-3.契約をする

審査の結果をもとにして、購入する商品の価格と入金される金額が提示されます。

利用する方法によって、提示される内容は異なります。

・キャッシュバック方式:商品価格とキャッシュバック率
・宣伝報酬方式:商品価格と報酬
・転売代行方式・商品の購入価格と商品の売却価格

審査結果や契約方式によって受け取れる金額は異なるため、必要としている金額が受け取れるかどうかをしっかり確認しましょう。

その上で、利用するかどうかを検討して納得できれば契約を結びます。

契約を決めた場合には、商品購入の手続きに移りましょう。

後払いファクタリングでは、商品の購入代金は後から支払うことになるため、購入手続きの際に支払う必要はありません。

3-4.現金の受け取りと代金の支払い

購入手続きが完了すると、商品が送られてきます。

ただし、デジタルアートやデジタルコンテンツなどを主流としているキャッシュバック方式や転売代行方式の場合には、商品が届かない場合もあります。

購入した商品によって、品物が送られてくるかどうかは変わるため、自分が契約した方法を再度確認しておくとよいでしょう。

商品が届いたら業者へ売却して、現金を受け取ります。

キャッシュバックや報酬、購入価格と売却価格の差額などの入金が確認できたら、支払期日までに商品購入代金を支払います。

支払いが遅延したり滞納したりすると、後払いファクタリングを再度利用しようと思った場合に審査に悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため、支払期日は必ず守るようにしましょう。

4.後払いファクタリングを利用するメリット

後払いファクタリングを利用するメリットは以下の4つです。

・即日資金調達ができる
・信用力が低くても利用しやすい
・借入金が多くても利用できる
・取引先や家族に知られない

ここでは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

4-1.即日資金調達ができる

後払いファクタリングでは、即日資金調達が可能です。

そのため、すぐに資金が必要という場合でも利用しやすくなっています。

また、後払いファクタリングは多くの場合、Web上で手続きを完結できます。

実店舗に足を運んで契約するといった手間がないため、手軽に利用できるでしょう。

商品を購入してから早ければ30分程度で現金を受け取れるため、融資や通常のファクタリングよりもスピーディーです。

商品購入から現金を受け取るまでの時間が短縮できるため、今すぐに現金が必要という時にも向いています。

4-2.信用力が低くても利用しやすい

後払いファクタリングは信用力が低くても利用しやすいサービスです。

融資の審査では、利用者の信用力が重視されます。

信用力が低い場合には審査に通りにくいため、融資を受けられる可能性は低いでしょう。

しかし、後払いファクタリングの審査基準は融資とは異なります。

もちろん、後払いできる資金力があるかどうかはチェックされます。

しかし、後払いファクタリングは借り入れではないとされているため融資よりも利用条件は低く、信用力が低くても利用できる可能性が高い資金調達方法です。

4-3.借入金が多くても利用できる

後払いファクタリングは融資などとは異なり、借り入れには分類されません。

そのため、総量規制の対象外となります。

総量規制とは、年収の3分の1までしか借り入れができないというルールです。

カードローンで借り入れをしている、消費者金融などで借り入れをしているという場合には、総量規制に引っ掛かる可能性もあります。

しかし、後払いファクタリングは総量規制の対象外のため、後払いできる資金力さえあれば借入金が多くても利用できます。

4-4.取引先や家族に知られない

後払いファクタリングを利用することで、取引先や家族には知られることなく資金調達できる可能性があります。

後払いファクタリングで商品を購入しても、契約方式によっては実際に商品を受け取ることなく売却できるケースもあるため、同居している家族に知られる心配がありません。

また、Web上でやり取りが完結するため、契約したことを他人に知られることもないでしょう。

3者間ファクタリングのように売掛先の承諾も必要ないため、取引先に知られることもありません。

誰にも知られずに資金調達したい場合に向いています。

5.後払いファクタリングのデメリット・注意点

CAUTION!!と黄色い字で書かれた黒板と指さし棒

後払いファクタリングには多くのメリットがありますが、デメリットや注意したいポイントもあります。

・換金率は70%~90%
・法的な規制がない
・在籍確認が行われることがある
・購入した商品が自宅に届くケースもある
・悪徳業者に注意する必要がある
・高額な支払いで経済状況が悪化するおそれがある

それぞれの注意点について見ていきましょう。

5-1.換金率は70%~90%

後払いファクタリングでは、購入代金を全額受け取れるわけではありません。

換金率は業者や契約方式によって異なりますが、およそ70~90%程度とされています。

後払いファクタリングを利用する際には手数料がかかり、商品の購入代金と売却によって受け取る代金の差額が実質の手数料となります。

業者によって手数料が異なりますが、実質10~30%の手数料を支払うことになるため、手元に残る資金は購入代金の70%~90%程度という仕組みです。

通常のファクタリングの場合には、手数料は後払いファクタリングよりも低めに設定されているケースが多いです。

2者間ファクタリングなら8%~18%、3者間ファクタリングは2%~9%程度のため、後払いファクタリングの手数料は高めだといえるでしょう。

業者によっては、高額な手数料がかかるケースもあります。

5-2.法的な規制がない

後払いファクタリングは、比較的新しく登場したサービスです。

そのため、法律の規制がほとんどないというデメリットがあります。

融資や借り入れとは異なり、金利という考え方がないため、手数料の上限や利用限度額も決められていません。

法律の規制がほとんどなく、利用者が法的に保護されていないという現状があります。

後払いファクタリングを利用する人の多くが、資金繰りに苦しんでいたり何らかの事情ですぐに現金が必要だったりします。

このように弱い立場の人が利用することによって、購入代金が支払えなくなるなど、さらなる経済状況の悪化を招くリスクがある点は大きなデメリットです。

審査が緩いからという理由で安易に利用せず、他に資金調達する方法がないか検討してみましょう。

5-3.在籍確認が行われることがある

後払いファクタリングでは、在籍確認が行われるケースもあります。

業者によって対応は異なりますが、会社に対して在籍確認を行う業者もあるため、会社の人に後払いファクタリングの利用を知られたくないという場合には注意が必要です。

前述のとおり、在籍確認は申告した会社に本当に在籍しているかを確認するために、勤め先に電話で確認することです。

在籍確認が行われると後払いファクタリングの利用を会社に知られるリスクがあるため、業者を選ぶ際には在籍確認があるかどうかをチェックしましょう。

業者によっては個人名で連絡してくれるケースもあるため、在籍確認をするかどうか、個人名での連絡は可能かなどを確認しておくと安心です。

5-4.購入した商品が自宅に届くケースもある

契約方式によっては、購入した商品が自宅に届くこともあります。

そのため、後払いファクタリングの利用を家族に知られたくない方は注意が必要です。

例えば、宣伝報酬方式で契約した場合には、商品を利用してレビューを書くことで報酬が得られます。

実際に商品を利用する必要があるため、自宅に商品が届いて家族に知られてしまうケースもあるようです。

家族に知られずに後払いファクタリングを利用したい場合は、商品が自宅に届くかどうかを事前に確認しておきましょう。

商品が届いてほしくないときは、デジタルコンテンツを購入する、キャッシュバック方式や転売代行方式を利用するなどの工夫が必要です。

5-5.悪徳業者に注意する必要がある

後払いファクタリングは融資ではありません。

そのため、貸金業の登録をしなくてもサービスを提供できるという特徴があります。

どのような業者でもサービスを提供できるため、後払いファクタリングを提供する業者の中には悪徳業者が潜んでいる可能性もあります。

例えば、手数料が高くて換金率が低い、会社への在籍確認を無断で行う、ホームページに記載されている内容と異なる条件を提示するといった業者には注意が必要です。

また、所在地や電話番号などの運営会社の情報が記載されているか、電話対応に不審な点がないかなどもチェックしましょう。

悪徳業者の被害に遭わないためにも、信頼できる業者かどうかを確認して見極めることが重要です。

悪徳業者の見分け方について詳しくは「ファクタリング会社に悪徳業者はいる?手口の事例や見分け方を解説 」の記事をご覧ください。

5-6.高額な支払いで経済状況が悪化するおそれがある

後払いファクタリングは形式的には後払いで商品を購入し、業者に買い取ってもらうサービスです。

しかし、実際には商品の購入や売却を目的としていません。

そのため、購入する商品の価値と売却時の価格が見合っておらず、高額な支払いを求められるケースもあるようです。

法的な規制がないため、トラブルがあっても保護されないというリスクもあります。

また、手数料が高くて必要な資金まで到達せずに、さらに高額な商品を購入してしまうケースもあります。

結果として商品購入代金が多額になってしまい、支払いに困窮してしまう可能性もあるでしょう。

後払いファクタリングを利用したことでかえって経済状況が悪化するリスクもあるため、利用する際には注意が必要です。

6.まとめ

後払いファクタリングは、後払いで商品を購入して業者へと売却することで資金を調達する方法です。

後日購入代金を支払うことになりますが、受け取った代金との差額が実質の手数料となります。

後払いファクタリングを提供する業者の中には悪徳業者も存在します。

手数料が高すぎる、運営会社の情報が記載されていないなどの場合は注意が必要です。

後払いファクタリングは、現状法的な規制がほとんどないため、利用する際には注意しましょう。

また個人だけでなく企業も利用できますが、企業が利用する場合には後払いファクタリングではなく、売掛金を資金化する買取ファクタリングでの資金調達がおすすめです。

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監修者

株式会社ビートレーディング 編集部編集長

筑波大学大学院修士課程修了後、上場企業に勤務。不動産ファンドの運用・法務を担当した後、中小企業の事業再生や資金繰り支援を経験。その後弊社代表から直々の誘いを受け、株式会社ビートレーディングに入社。現在はマーケティング・法務・審査など会社の業務に幅広く携わる。

<保有資格>宅地建物取引士/貸金業務取扱主任者