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事業資金の借り換えとは?検討するタイミングと利用方法、注意点、借り換え以外の改善策を解説

事業資金の借り換えとは?検討するタイミングと利用方法、注意点、借り換え以外の改善策を解説

ファイナンス

毎月の返済負担が重く、仕入代金や人件費の支払いに不安を感じている方もいるのではないでしょうか。複数の借入先がある場合は、返済日や利率の管理に手間がかかり、資金繰りの見通しを立てにくくなることがあります。

こうした状況で検討したい方法の一つが、事業資金の借り換えです。新たな融資で既存の借入を返済し、借入先や返済条件を見直すことで、月々の返済や利息の負担を軽減できる可能性があります。

一方、売掛金の入金待ちによる一時的な資金不足であれば、売掛金(売掛債権)を売却して現金化(資金化)するファクタリングも活用できます。

借り換えとファクタリングは、目的や仕組みが異なります。自社の資金不足が返済負担によるものか、入金待ちによるものかを整理したうえで、状況に合う方法を検討しましょう。

本記事では、事業資金の借り換えの仕組みや検討するタイミング、主な方法、審査項目、注意点を解説します。

ファクタリングについて詳しくは「ファクタリングとは?仕組みや注意点などを図解で簡単に解説!」の記事をご覧ください。

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1.事業資金の借り換えとは?

事業資金の融資について借り換えを行うことを「事業資金の借り換え」といいます。

借り換えとは、新たな融資を受けて現在の債務を完済し、その後は新しい借入先や契約条件で返済を続ける仕組みのことです。

そして事業資金は、事業の立ち上げや運営に必要となるすべての資金をいいます。日々の仕入れや人件費などに充てる「運転資金」と、設備や機械の導入などに使う「設備資金」に分けて考えると分かりやすいでしょう。

借り換えには、他の金融機関へ借入先を変更する方法だけでなく、同じ金融機関で返済条件や融資プランを見直す方法もあります。

現在の借入状況や資金繰りに合わせて、より適した返済条件へ変更することが目的です。

運転資金について詳しくは「運転資金の融資を受けるには?金額の目安と審査のポイント・注意点」の記事を、

設備資金について詳しくは「設備資金・設備投資とは?運転資金との違い、融資を受ける際の注意点・コツを解説」の記事をご覧ください。

2.事業資金の借り換えを行う目的とタイミング

借り換えは、資金繰りが行き詰まった後に行う手段に限りません。返済条件を見直し、将来の資金計画を立てやすくするための方法としても活用できます。

2-1.事業資金の借り換えを行う目的

借り換えを行う主な目的は、資金繰りの改善です。現在より低い利率へ切り替えられれば、利息負担の抑制につながります。

また、返済期間を見直すことで、月々の返済負担を調整し、キャッシュフローの改善につなげられる場合があります。

2-2.事業資金の借り換えを検討する主なタイミング

借り換えを検討するのは、経営状況の変化に合わせて返済計画を見直したいときです。ほかにも以下のようなタイミング・狙いがあります。

【借り換えを検討する主なタイミング例】
・既存の借入より有利な条件に見直し、利息負担や月々の返済額を抑えたいとき
・金利上昇に備え、変動金利から固定金利へ切り替えて将来のリスクを抑えたいとき
・複数の借入を一本化し、返済の管理負担を軽減して資金繰りを把握しやすくしたいとき
・借り換えと同時に、新たな融資を追加したいとき

金融機関は、企業が借り換え後も返済を継続できるかを審査します。そのため、返済が遅れる前に、決算書や資金繰り表を準備して相談しましょう。

3.事業資金の借り換えを行う主な方法

事業資金の借り換えは、銀行のほか、日本政策金融公庫・信用保証協会の保証制度・ノンバンクなどで相談できます。最適な相談先は、借り換えの目的や現在の借入状況によって異なります。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の目的に合わせて選びましょう。

3-1.金融機関での「借り換え」を利用する

メリット・保証料が不要な場合がある
・金利が低くなるケースもある
デメリット・他行への借り換えの場合は、既存の取引銀行との関係に影響する可能性がある
・審査には時間がかかる

同じ銀行内で借り換えや条件変更を相談する方法と、他行への借り換えを検討する方法があります。返済実績が良好であれば、現在の取引銀行は自社の入出金や返済状況を把握しているため、相談を進めやすい傾向があります。

なお、他行へ借り換えると、既存の取引銀行との関係に影響する可能性があります。今後の追加融資への影響も踏まえて判断しましょう。

3-2.日本政策金融公庫の「公庫融資借換特例制度」を利用する

メリット・返済期間の延長や毎月の返済額の見直しができる場合がある
・適用する特別貸付制度に応じた利率で利用できる
デメリット・民間融資の借り換えは原則できない

日本政策金融公庫の中小企業事業で対象となる貸付を受けている場合は、公庫融資借換特例制度を利用できる場合があります。

公庫融資借換特例制度は、資金繰りに課題がある方や返済負担の軽減が必要な方を対象に、既往の公庫融資の借り換えなどを行う制度です。

この制度は、原則として既往の公庫融資の借り換えに加えて、新規融資の利用が必要です。民間金融機関の融資をこの制度で借り換える手続きではありません。

また、既往公庫融資のなかにも対象外となる貸付があります。自社の融資が対象になるかは、日本政策金融公庫の支店窓口で相談しましょう。

参考:公庫融資借換特例制度(日本政策金融公庫)

3-3.信用保証協会の「借換保証制度」を利用する

メリット・複数の保証付き融資を一本化できるケースもある
・返済期間の延長や返済条件の見直しができる場合がある
デメリット・新たに信用保証料が発生する場合がある
・金融機関と保証協会の両方の審査が必要である

信用保証協会の保証付き融資を利用している企業は、制度条件に合えば借換保証制度を利用できます。

これは、現在契約中の保証付き融資を新たな保証付き融資へ組み替える仕組みで、複数の借入を一本化したり、据置期間を設定したりできる場合があります。

保証の対象や保証料、手続きの流れは制度や地域によって異なります。取引金融機関や地域の信用保証協会へ早めに相談し、必要書類を整理してから進めましょう。

3-4.ノンバンクの「ビジネスローン」を利用する

メリット・融資実行までのスピードが早い
・比較的審査が柔軟な場合がある
デメリット・金利が高い
・返済総額が増える可能性がある

ノンバンクのビジネスローンでも、事業資金の借り換えを行える場合があります。銀行や信用金庫と比べて審査や融資実行が早い傾向がある一方で、金利は高くなりやすいため注意が必要です。

返済総額が増える可能性があるので、事前にシミュレーションしてから利用することをおすすめします。

4.事業資金の借り換えで重視される審査項目

事業資金の借り換え審査では、主に財務状況と返済状況、借り換え後の返済計画などが見られます。金融機関や制度によって審査項目は異なりますが、新たな融資で既存債務を返済した後も、利用者が返済を続けられるかが重視されます。

審査項目主に見られる点
財務状況財務の健全性
安定した利益
決算書や試算表など財務資料の正確性
返済状況現在の融資残高や返済条件
過去の返済実績
延滞や条件変更の履歴
返済計画借り換えの目的
資金繰りの見通し
返済計画の妥当性

借り換えの相談前に、審査で見られる資料をそろえておきましょう。延滞や条件変更の履歴がある場合は審査が厳しくなりやすいため、決算書や試算表に加え、借入一覧、資金繰り表、事業計画書を用意しておくと相談を進めやすくなります。

また、借入一覧には、借入先、融資額、利率、返済期間、毎月の返済額をまとめます。金融機関はこれらの資料をもとに、返済能力や担保の状況を含めて総合的に判断します。

5.事業資金の借り換え前に知っておきたい注意点

借り換えは資金繰りの改善につながる一方で、手数料などの費用が発生するほか、取引金融機関との関係に影響する場合があります。実行前に、以下の注意点を把握しておきましょう。

5-1.借り換えは手数料が発生する

借り換えでは、借り換え元と借り換え先で各種費用が発生する場合があります。代表的な費用は、事務手数料や保証料、印紙代、繰り上げ返済手数料です。

費用の金額は、融資額や保証の有無、契約方法、金融機関の条件によって異なります。

利率が下がっても、手数料などを含めると総支払額が想定ほど減らないことがあります。借り換え後の月々の返済額だけで判断せず、諸費用を含めた総額を確認しましょう。

なお、信用保証協会付き融資では、保証料の返戻や新たな保証料の扱いについても、あわせて金融機関へ確認しましょう。

5-2.取引銀行との関係性が悪くなることもある

他行へ借り換えると、借り換え元の銀行との関係に影響することがあります。その結果、将来の追加融資や返済条件の見直しを相談しにくくなる可能性があります。

借り換えを検討する際は、まず現在の取引銀行に返済条件を見直せる余地がないか相談しましょう。他行の条件が有利に見える場合でも、今後の資金需要、取引継続の方針、既存銀行との関係を並べて判断してください。

5-3.借り換え前よりも返済負担が大きくなることもある

返済期間を延ばすと、月々の返済額は下がります。ただし、利率が低くても返済期間が長くなることで返済総額が増えることがあります。

借り換え前には、現在の借入条件と借り換え後の条件を比較・試算しましょう。利率や返済期間、手数料も含めて確認することが大切です。目先の資金繰りだけを優先すると、将来的に返済負担が重くなるおそれがあります。

5-4.借り換えできない場合がある

借り換えは、すべての企業が利用できる手続きではありません。赤字や債務超過が続いている、返済の遅延があるといった状態では、新規融資として行われる借り換え審査に通りにくくなります。税金や社会保険料の滞納があるときも注意が必要です。

また、制度融資の一部など、制度上の条件によって借り換えができない場合があります。借り換えが難しいときは、返済条件の見直しや追加融資を検討してください。

また、経費の削減や売掛金(売掛債権)の早期の現金化(資金化)も組み合わせて、資金繰りを整える必要があります。

6.借り換え以外で資金繰りを改善する方法

借り換えが合わないときでも、資金繰りを立て直す手立てはあります。自社の状況に応じて、追加融資や繰り上げ返済、ファクタリングなどの資金調達方法を検討してください。

6-1.取引銀行から追加融資を受ける

追加融資とは、現在の融資の返済を続けながら、新たに融資を受けることです。手元資金を確保して資金繰りの改善を図れる一方で、借入額が増えるため、返済負担が増える可能性があります。相談時には、資金使途や返済原資を整理し、返済シミュレーションを済ませておきましょう。

6-2.繰り上げ返済する

業績がよく収益が安定していて手元資金に余裕がある企業は、繰り上げ返済によって借入残高を減らせます。借入残高を減らすことで利息負担も軽くなり、総返済額の抑制につながります。

ただし、手元資金を減らしすぎると、急な支払いに対応できなくなるおそれがあります。

繰り上げ返済を行う際は、仕入や人件費に必要な資金を確保しておきましょう。税金や社会保険料の支払いも見込んだうえで、余剰資金の範囲で実施することが大切です。

6-3.取引銀行へ「返済条件」「返済期間」の見直しを相談する

返済期日の延長や返済額の減額など、返済条件の見直しを取引銀行へ相談します。直近の資金繰り悪化を防げる可能性がある一方、今後の銀行の審査に影響するおそれがあるため注意してください。

銀行に相談する際は、資金繰り表や経営改善計画を用意し、いつ通常返済へ戻せるのかを説明できる状態で臨みます。単に支払いを先送りするだけでは、将来的な資金繰りがさらに苦しくなるかもしれません。

収益改善や資金繰りの改善に向けた施策もあわせて検討することが重要です。

6-4.ファクタリングを利用する

ファクタリングは、保有する売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却・現金化(資金化)する資金調達方法の一つです。利用時には、売掛金を示す請求書や契約書、発注書や口座の入出金明細などを提出し、ファクタリング会社の審査を受けます。

売掛金を支払期日前に最短即日で現金化できるため、融資の実行を待たずに資金を確保できます。また、ファクタリングは融資ではなく、売掛金の売却(債権譲渡)による資金調達方法です。借り換えや追加融資の審査結果を待つ間でも、新たな負債を増やさずに利用できます。

ただし、ファクタリングには手数料がかかります。利用前に、手数料率や実際の入金額、契約形態を確認しておきましょう。

ファクタリングのメリット・デメリットについて詳しくは「ファクタリングのメリット・デメリットとは?適したケースや注意点も解説」の記事をご覧ください。

7.まとめ

事業資金の借り換えは、新たな融資で既存債務を返済し、借入先や返済条件を見直す方法です。月々の返済負担や金利負担の軽減につながる可能性がある一方で、手数料や審査が必要になります。

実行前には、返済総額や取引銀行との関係も含めて検討しましょう。

借り換えが難しい場合は、返済条件の見直しや追加融資のほか、売掛金(売掛債権)の早期の現金化(資金化)を検討する方法もあります。融資の実行を待つ余裕がないときは、ファクタリングでの資金調達も選択肢の一つです。

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監修者

株式会社ビートレーディング 編集部編集長

筑波大学大学院修士課程修了後、上場企業に勤務。不動産ファンドの運用・法務を担当した後、中小企業の事業再生や資金繰り支援を経験。その後弊社代表から直々の誘いを受け、株式会社ビートレーディングに入社。現在はマーケティング・法務・審査など会社の業務に幅広く携わる。

<保有資格>宅地建物取引士/貸金業務取扱主任者

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