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資金繰りを改善する方法10選|悪化の原因と具体策、改善手順の流れ

資金繰りを改善する方法10選|悪化の原因と具体策、改善手順の流れ

キャッシュフロー・資金繰り

「資金繰りを改善したいけど、どうすればいいのかわからない」
「資金繰り改善に取り組んでいるのに上手くいかな」」

経営者の方や個人事業主の方の中には、資金繰りを改善するために試行錯誤して苦労している方も多いのではないでしょうか。

こうした状況下では、自社の資金繰りが悪化する原因をしっかりと確認した上で、適切な対策を講じることが大切です。

間違った対策を続けると資金不足が進むおそれがあり、取引先への支払いや給料の支払いができなくなり倒産のリスクにつながります。

そこでこの記事では、資金繰りの基礎知識や、改善する必要性、悪化する原因、改善するための流れ、改善の具体策などをお伝えします。

本記事の内容

・資金繰りの重要性と悪化の原因
・資金繰り改善の流れと具体例
・資金繰りを改善するための資金調達方法
・資金繰りの改善にはファクタリングがおすすめ

さらには、ご紹介する対策を行っても資金繰り改善できない場合や、今すぐ資金繰り改善したい場合におすすめの資金調達方法もご紹介します。

資金繰りを改善しキャッシュフローを良くするために、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

1.資金繰りとは?

まずは資金繰りについておさらいしましょう。

資金繰りとは会社の収入と支出を適切に管理し、収支の過不足を調整することを指します。

資金として数えられるのは現金、各種預金、公社債投資信託などすぐに支払えるもののみです。

つまり売掛金(売掛債権)や不動産といったすぐに現金化(資金化)できないものはあくまで資産であり、資金には数えられません。

資金繰りに失敗し、手元に資金がなくなってしまうと従業員の給料や取引先への支払いが遅れてしまい会社の信用を失ってしまいます。

そのため、より企業を長く存続させていくには資金繰りは非常に重要な項目と言えるのです。

資金繰りについて詳しくは「資金繰りとは?その方法をわかりやすく解説!苦しいときの対策も紹介」の記事をご覧ください。

2.なぜ資金繰りを改善する必要がある?

続いて、資金繰りを改善する必要性について解説します。

事業を安定させるために、資金繰りを改善することの重要性を改めて確認してみましょう。

2-1.資金繰りの改善が必要な理由

資金繰りに問題がある場合、たとえ事業が黒字であっても「資金ショート」によって倒産してしまうリスクがあります。

そのため、事業を継続させるには資金繰りの改善が必要です。

資金ショートとは、収入を支出が上回り、支払いに必要な現金が不足してしまう状態のことです。

利益が出ていても手元の資金が不足すれば経営が難しくなります。

経営における「利益」と「資金(現金)」は異なることを留意しておきましょう。

2-1-1.利益と資金の違い

先ほど「利益」と「資金(現金)」は異なるものであると解説しました。

利益と資金には、それぞれ以下のような意味があります。

・利益:売上から費用を差し引いて計算される「儲け」のこと
・資金:会社が自由に使える現金や預金のこと

一般的な掛取引の場合、売掛金(売掛債権)には回収サイトがあり、売上として計上されていても現金として入金されない期間が生じます。

つまり、会計上は利益が出ていても、手元の資金は増えない期間があるということです。

利益は必ずしも手元に現金として存在しているわけではありません。

そのため、手元に資金がない状態で仕入代金や給料の支払日が来ると、現金が足りなくなり資金ショートが発生します。

こうした背景から、黒字でも倒産に至るおそれがあることに注意が必要です。

3.資金繰りが悪化する主な原因

資金繰りの改善には「悪化の原因」の確認が必須!|よくある原因6つ

資金繰りを改善するためには、まず悪化の原因を明確にすることが必要です。

原因が明らかになることで、自社に合った資金繰りの改善方法が分かり、具体的にどんな対策を取ればいいのかが分かるようになります。

ここでは資金繰りが悪化する主な原因について解説します。

3-1:①売上の減少

売上の減少は資金繰り悪化の原因の1つです。

売上が減少すると次の事業や仕入れに回す資金が減るため、資金繰りが悪くなります。

・商品の品質が低下
・サービスや接客の対応の質
・競合店の商品やサービスに顧客が奪われた

などの売上減少の原因を特定し、改善していく必要があります。

3-2.②急激な売上増加による未収金(売掛金)の増加

急激な売り上げ増加により、未収金(売掛金)が増加すると、資金繰りが厳しくなってしまいます。

徐々に業績がアップするのであれば、適切に人員の確保や仕入れの見直しを行うことができます。

しかし、急激に売上が増加することで、事業を回すための仕入コストや新規雇用の人件費など、運営費用が急ぎ必要になります。

売上があったとしてもすぐに手元に売上の代金が入ってくるわけではないため、手元資金がショートしてしまう可能性があります。

運転資金が回らなくなってしまうと、黒字倒産のリスクもあります。

3-3.③売掛金回収の遅れ

売掛金(売掛債権)の回収が遅くなると、資金繰りが悪化してしまいます。

たとえ業績が向上していたとしても、売掛金を回収が遅くキャッシュが手元にない場合は、黒字倒産の危険性があります。

また、売掛金の貸し倒れのリスクを避けるためにも、取引をする前に与信審査をきちんと行うことや、取引条件や回収方法について検討する必要があります。

さらに、売掛金には時効があり、時効が成立すると回収ができなくなるため、早急に対処しなければなりません。

民法166条』により2020年4月以降に発生した売上金の時効は、「売掛金支払期限から数えて5年」と設定されています。

3-4.④過剰在庫の放置

過剰在庫を放置していることも資金繰り悪化の原因です。

在庫は売れて初めて仕入れた商品のコストや利益が回収できるため、売れない在庫をいつまでも抱えていることは、キャッシュフローの悪化につながってしまいます。

何年も売れていない大量の商品は、仕入コストが回収できないだけでなく、商品が劣化によって売れない状況がさらに悪化します。

さらに、在庫商品を保管するための倉庫代など支出の増加も加わり、資金繰りが悪くなる一方です。

3-5.⑤買掛金(仕入費用)の支払いの早さ

買掛金(仕入費用)の支払いタイミングが早すぎると、売掛金(売掛債権)の回収前に仕入資金を先に支払う状態となり、手元の運転資金が不足しやすくなります。

安定した経営のためにも、必要に応じて仕入先と交渉して支払いタイミングを見直しましょう。

売上の入金日よりも買掛金の支払いが1日でも遅らせられれば、資金繰りを上手く回せるようになります。

3-6.⑥事業拡大時の過剰な設備投資

事業拡大のときに、過剰な設備投資を行ってしまうことも、資金繰り悪化の原因の1つです。

設備投資する前は、資金繰りに余裕があったとしても、以下のような状況が重なると資金繰りが厳しくなる可能性があります。

・借入期間が短くて毎月の返済負担額が大きい
・想定していたよりも収益が上がらない

最悪の場合、設備投資を行っても黒字倒産する可能性もあるため、計画的に事業拡大・設備投資を行うことが重要です。

3-7.⑦売掛金の貸し倒れ

貸し倒れとは、売掛先の経営悪化などにより売掛金(売掛債権)が回収できなくなることを指します。

こうした状態に陥ると、商品やサービスを提供して売上が計上されているにもかかわらず、現金が入ってきません。

事業の仕入れや人件費などの支払いに必要な資金が不足し、資金繰りが一気に苦しくなるリスクが高まってしまうでしょう。

売掛金の入金日が遅れる売掛先があれば与信調査を行うなど、慎重に取引することが重要です。

売掛金の貸し倒れについて詳しくは「ファクタリング後に売掛先が倒産しても請求されない!対策をご紹介」をご覧ください。

3-8.⑧固定費や人件費の増加

家賃などの固定費や従業員の人件費は、売上の増減にかかわらず毎月発生する費用です。

固定費や人件費が増加すると、事業の売上が安定していても資金が圧迫されやすくなることに注意しましょう。

特に、売上が減少したタイミングで固定費や人件費が高止まりしていると、資金不足に陥るおそれがあります。

3-9.⑨支払いサイトの長期化

支払いサイトとは取引代金の締め切り日から実際に代金を支払うまでの期間のことです。

支払いサイトが長く設定されている場合、支払われ側は現金が入金されるまでの期間が長くなります。その間は手元の資金でやりくりしなければなりません。

現金が足りなくなれば、新たに資金を調達する必要が出てきます。

支払いサイトの長期化は、支払われる側の資金繰りの悪化を招き、現金不足の状態に陥るリスクが高まります。

3-10.⑩資金繰りの状況把握不足

経営者や個人事業主の中には、順調に売上をあげていることに安心し、資金の流れを把握していない方も少なくありません。

ところが、資金繰り表を作成していなかったり、経営管理体制に問題があったりすると、状況把握不足で気づかないうちに資金ショートのリスクが高まってしまうおそれがあります。

お金の流れをリアルタイムで把握できていない事業者は、早期に適切な対策を講じることができず、資金繰りの悪化を招いてしまいます。

4.資金繰りを改善するための基本手順の流れ

ここでは、資金繰りを改善するための基本的な手順をご紹介します。

どのような流れで取り組むのかをチェックしてみてください。

4-1.Step1.資金繰り表を作成して現状を「見える化」する

資金繰り改善の第一歩は、現状を正確に把握することです。

そのためにもまずは資金繰り表を作成して、お金の流れを「見える化」すると資金繰りの現状を把握しやすくなります。

資金繰り表は単なる記録のために作成するのではありません。

将来の資金繰りを含めた経営判断に役立てるために、資金繰り表を作成して活用しましょう。

4-2.Step2.資金の出入りを項目ごとに把握する

作成した資金繰り表に基づいて管理を行い、お金の出入りを項目ごとに把握します。

一般的な資金繰り表の項目として、以下が挙げられます。

【資金繰り表の項目の例】
・売上
・仕入れ
・人件費
・家賃

「具体的にどの項目が事業の資金を圧迫しているのか」「どの点を改善すれば良いのか」といったポイントを確認してみましょう。

4-3.Step3.短期・中期の資金計画を立てる

現状を把握できたら、続いて具体的な資金計画を立てる段階です。

例えば、将来的な資金需要や資金不足の可能性がある時期を予測し、資金繰り計画や対策の策定に取り組みましょう。

対策の例として、「あらかじめ融資を受けて備える」「取引先と支払いサイトの交渉をする」といった方法が挙げられます。

4-4.Step4.売掛金の回収・支払条件を見直し、入出金サイクルを整える

資金繰りを改善するためには、入出金のタイミングをコントロールすることが重要です。

入出金のタイミングを調整する場合、具体的には以下の2つの方法が考えられるでしょう。

1.売掛金の回収サイトを短くできないか売掛先と交渉する
2.買掛金の支払いサイトを長くできないか取引先に相談する

なお、具体的な交渉や相談方法については、「5-2.②売掛先と売掛金の回収を早める交渉をする」「5-5.⑤買掛金(仕入費用)の支払いを先延ばしできるか交渉する」の見出しで詳しく解説します。

4-5.Step5.不要なコストを洗い出し、削減策を実行する

入出金サイクルを整えることに加えて、日々の経費を細かく見直し、事業に無駄な支出がないか洗い出しましょう。

その際は、業務でほとんど使っていない設備の維持や、過剰な在庫なども資金を圧迫する要因となります。

不要なコストを見つけて削減する対策が、手元の資金を守ることにつながります。

4-6.Step6.資金調達の手段を検討する

ここまでお伝えした改善策を講じても資金が不足する場合は、資金調達を検討しましょう。

事業者が使える資金調達の手段としては、以下のような方法が考えられます。

・日本政策金融公庫から融資を受けて資金調達をする
・ビジネスローンを利用して資金調達をする
・ファクタリングを利用して資金調達をする

数ある手段を比較検討して、自社に適した調達方法を選択することが大切です。

どの資金調達手段を選ぶべきか迷ったときは、「7.資金繰り改善のための資金調達をする3つの手段」の章を参考にしてみてください。

4-7.Step7.定期的に資金繰りをモニタリングし、改善を継続する

資金繰り改善は一度やれば終わりというわけではありません。

資金繰りの悪化を防ぐためにも、毎月必ず資金繰り表を更新し、計画と実績にズレがないかを確認しておきましょう。

また、万が一計画と実績にズレが生じている場合は、原因を分析して新たな改善策を検討し、実行する必要があります。

安定した経営を維持するために、ここまでご紹介した7つのステップで取り組んでみてください。

5.資金繰り改善の具体策10選

ここでは、資金繰り改善の具体策10選をご紹介します。

前述した原因に基づいて、自社に適した改善方法を検討してみましょう。

5-1.①売上を上げるために現在行っている事業の見直しをする

売上が減少している場合、現在行っている事業の見直しをしましょう。

例えば商品の品質が低下したケースでは、品質チェックを行い取引先や仕入先を変えるなどして対策を行います。

また、サービスや接客の対応の質が落ちたケースであれば、「いらっしゃいませと必ず言う」「ノベルティの配り忘れをしない」といった接客やサービスのルールを作り、社内全体にルールを徹底させましょう。

なお、社外に原因があるケースでは業界の流行や流れもあるため、一般的に改善に多くの時間がかかります。

ただし、単に価格の安さのみを重視して値下げ競争をするのは避けておきましょう。

値下げによって一時的に売上が回復するかもしれませんが、利益率が下がって資金繰り改善につながらないおそれがあるため注意が必要です。

5-2.②売掛先と売掛金の回収を早める交渉をする

急激な売上増加による未収金(売掛金)の増加が原因の場合は、売掛金の回収を早めるために取引先と売掛金の条件を交渉し資金繰り改善をしましょう。

簡単にすべての売掛先について交渉できるとは限りませんが、数社であっても回収期日を早めることができれば資金繰りを改善することが可能です。

ただし、支払期日を早めるということは、売掛先の資金繰り悪化にもつながります。

支払サイトの交渉を上手く進める際は、割引や納期変更など売掛先にも支払いを早めるメリットを与えられるようにするのがポイントです。

例えば、以下のように交渉してみましょう。

▼売掛金の回収を早める交渉の例

• 売掛金の支払期日を早めてくれた売掛先には割引を提供する
• 早めに納品できるよう納期を調整する
• 手形取引があれば現金取引に変更してもらう

少しでも現金を早く受け取れるよう交渉をして資金繰り改善をしていきましょう。

それでも、売掛金の早期回収が難しい場合は「ファクタリング」をする方法もあります。

後ほど「7-3.ファクタリングを利用して資金調達をする」で詳しく解説していますのでこちらをご覧ください。

5-3.③貸し倒れしないように売掛金は確実に回収する

売掛金には5年の時効があり、時効が成立すると回収できなくなります。

また、売掛先が資金繰りに困っている場合は、会社が倒産して回収できなくなるリスクもあるため、早急に回収しなければなりません。

回収期日に入金がなかった場合、必ず入金の催促を行いましょう。

催促をしない会社だと思われると、売掛金(売掛債権)の支払いを後回しにされてしまうことがあるからです。

確実に売掛金を確実に回収するためには、売掛金の発生日をリストアップした表を作成し、一日でも入金が遅れたら、電話やメールで催促をするようにしましょう。

▼テンプレートはこちら
件名:代金お支払いのお願い
宛名:○○株式会社 営業部○○様

いつもお世話になっております。○○会社の○○でございます。

〇月にご請求いたしました○○の代金のお支払期日が、本日となっておりました。
(請求書番号○○、お支払期日:20○○年〇月〇日)
弊社で確認しましたところ、いまだにご入金いただけていないようでございます。

大変失礼だと存じますが、帳簿整理の都合もございますので、ご確認くださいますようお願いいたします。

念のため上記の請求書をメール添付にてお送りいたしますので、あわせてご確認いただければ幸いでございます。

なお、本メールと行き違いにご入金いただいておりましたら、悪しからずご容赦願います。

それでも入金されないのであれば、内容証明郵便を送るのも有効です。

内容証明郵便とは、「いつ・だれが・だれに・どのような内容を」差し出したか証明する制度です。

社長など会社代表者の名義で送っても問題ないものの、弁護士のような専門家に相談し、専門家の名前で送る方法もあります。

法的な対応を取る直前である旨を警告できるため、スムーズに回収に進む可能性が高くなります。

回収できなくなるリスクを避けるためにも、早めに対策を打ちましょう。


※取引前ならば、信用調査をするのがおすすめです。

売掛金の貸し倒れは、自社の倒産のリスクに直結します。

取引をする前ならば、目先の利益に捕らわれず事前に「信用調査」を行いましょう。

信用調査の手続きは、上場している会社であれば、上場の際に必要なものなので、必ず行われています。  

しかし売掛先が、中小企業の場合、信用調査は実施されていないことが多いです。

面倒な手続きですが、確実に回収し資金繰りをラクにするためにも、取引前には信用調査を実施しましょう。

5-4.④不良在庫を早く処分する

不良在庫を処分することは、資金繰り改善につながります。

不良在庫を売って現金化(資金化)しなければ、仕入れた金額分だけ資金が減ってしまいます。

具体的には、以下のような改善方法を取ってみましょう。

▼不良在庫を処分する改善策
 
• 在庫がどれくらいあるのか見える化する
• 1か月~半期おきなど時期を決めて棚卸をして不良在庫を見極め、適正在庫数を決める
• 不良在庫を処分し損失分(廃棄損)として計上し節税をする

まずは、今の在庫を確認し、どのくらいの期間売れ残っているのか確認し見える化をしましょう。

定期的に棚卸を行い、売れない製品や商品を確認するようにしましょう。

また不良在庫を処分することによって、損失として計上できるため、節税にもつながります。

自社の在庫を確認し、不良在庫になっているものは、処分をして資金繰り改善をしていきましょう。

5-5.⑤買掛金(仕入費用)の支払いを先延ばしできるか交渉する

仕入費用など買掛金の支払いサイトが早くなっている場合は、支払いを先延ばしにできるかどうか交渉しましょう。

例えば、仕入先に支払期日を翌月払いから翌々月払いになど変更してもらえるか交渉します。

資金繰りに困っていない取引先の場合には、応じてくれる場合もあります。

ただし、こちらの都合を一方的に押し付けるだけでは、交渉は成功しません。

買掛金の支払いを先延ばしにする交渉を行うときにも、取引先にメリットがあるような提案をしたり、確実に支払いできると納得のいく説明をしましょう。

例えば、このように説明するといいでしょう。

▼買掛金の支払いを先延ばしにする交渉の例
 
• 上場している○○会社で受注しているため売掛金の回収の心配はないが、回収時期が商品納入後であるため支払猶予が欲しいと説明する
• 支払日を変更してもらう代わりに取引量を増やして確実に入金する

5-6.⑥収益に貢献できていない設備投資はリースにする

社内設備を見直し、収益に貢献していない設備投資は、リースを検討しましょう。

具体的には、「投資額+追加費用(固定資産税や保守費用、動産保険など)」が、収益よりも多くなっている場合は、資金繰りの負担になっているため、リースを活用することをおすすめします。

購入とリースの費用の違いが分かるように、比較表を確認してみましょう。

  リース 購入
 資金面 毎月一律の支払い 購入時全額負担
 (初期費用のコスト大)
 固定資産税 負担なし
 (リース会社が負担)
 負担あり
 動産保険 負担なし
 (リース会社が負担)
 負担あり
 契約期間 法定耐用年数の70%以上 なし
 保守・修理費用 負担なし
 (リース会社が負担)
 負担あり
 会計処理・法人税 支払額は全額経費 減価償却費 オンバランス
 コスト 購入と比較すると割高 リースと比べると割安

リースを活用することで、購入するよりも負担額が割高になるデメリットがありますが、初期投資に必要な費用を他の運転資金に回すことができるため、資金繰り改善に大きなメリットを与えてくれます。

リースの場合だと、固定資産税や動産保険はリース会社が負担してくれます。

契約内容にもよりますが、保守費用や修理費用もリース会社が負担してくれることが多いです。

収益に貢献していない設備を売却することによって、売却代金を得られるだけでなく、維持するための税金やコストを削減することでキャッシュアウトを抑えることができ、資金繰り改善につながります。

設備投資が生み出している収益よりも固定資産税や動産保険などの金額が多くなっている場合は、リースに切り替えて今使っている設備を現金化して資金繰り改善をしましょう。

5-7.⑦借入金の金利条件の交渉をする

現在利用している借入金の金利が高い場合は、金融機関に対して金利の引き下げを交渉するようおすすめします。

金利が下がれば毎月の利息の支払いが減り、会社の現金流出を抑えることが可能です。

その際は、以下のようなポイントで交渉すると成功率を高めやすくなります。

経営状況の改善実績を示す  売上・利益のデータや、資金繰り表などを提出することで、状況の改善や返済能力の向上を示します。
他行の金利との比較を提示する    他行の融資条件や金利などを調査し、現在の金利が高いことを客観的に伝えます。
今後の事業計画を説明する  金利が下がることによって、浮いた資金をどのように事業の成長や資金繰りの安定化に役立てるかを具体的に説明します。

借入金利について詳しくは「借入金利を徹底解説!計算方法や相場、節約方法もご紹介」をご覧ください。

5-8.⑧固定費を削減する

固定費の削減は資金繰りの改善に効果的で、手元資金を守ることにつながります。

具体的な固定費の削減方法としては、以下のような例が挙げられます。

家賃・地代の見直し不動産オーナーと賃料の引き下げ交渉を行います。
人件費の最適化業務効率を見直し、残業代などの超過勤務費を削減します。
不要な契約の解約・見直し利用頻度の低いサブスクリプションサービス、高額なリース契約、保険などを見直します。
通信費・光熱費の削減適切な契約プランに変更します。また、日常的な節電・節水対策を徹底します。

5-9.⑨公的機関の融資や助成金・補助金を利用する

国や自治体が提供する融資や助成金・補助金を活用する方法です。

中小企業を対象とした多くの支援制度は、経済産業省が商工組合中央金庫や民間金融機関などと連携して実施されています。

なかでも公共機関による融資は民間の融資サービスと比べて低金利で利用できることが魅力です。

具体的な制度の例として、経済産業省や中小企業庁などが連携して実施する「ものづくり補助金」が挙げられます。

ものづくり補助金は、画期的な新製品やサービスの開発に対して設備投資を支援する制度で、製造業以外の事業者も対象となる可能性があります。

補助上限額は750万~2,500万円で、従業員規模によって異なるため公式サイトで詳細をご確認ください。

5-10.⑩経営セーフティ共済に加入しておく

経営セーフティ共済」とは、売掛先が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。

独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

掛金を積み立てておくことで、取引先が倒産した場合に掛金の最高10倍(最高8,000万円)まで借入可能となります。

また、原則として無担保・無保証人で利用できるという特徴があります。

6.今すぐ改善したい、改善が上手くいかない場合は「資金調達」を考えよう

今すぐ改善したい、改善が上手くいかない場合は「資金調達」を考えよう

今すぐに改善したい、上記の改善策が上手くいかなかった場合は「資金調達」を考えるべきです。

これまで、資金繰り改善の方法を解説しました。

しかし、会社運営は単純なものではありません。

キャッシュアウトを抑えるために、無駄な設備を売却しようとしてもすぐに売れないこともありますし、取引先と支払いの交渉を行っても簡単に理想どおり支払いサイトを短くすることができない場合もあるのが現実です。

資金繰り改善のために経営改善を行ったとしても、今使う現金がなければ仕入費用の支払いや従業員の給与の支払いなどができなくなり運営が回りません。

資金繰り改善の目途が経ったとしても、その間の運営資金が無くなってしまうと、改善するまでに会社存続自体が危うくなってしまいます。

会社存続の危機から脱却するためにも「今すぐに改善したい」場合や「なかなか上手く改善できそうにない」場合、まず会社を運営できるだけの資金調達を行いましょう。

資金繰り改善のための資金調達の方法は、次の章でお伝えします。

7. 資金繰り改善のための資金調達をする3つの手段 

資金繰り改善のための資金調達をする3つの手段 

資金繰りが苦しく改善をするためには、会社の運営に使える資金を用意する場面も必要です。

資金繰りをなんとか改善したいときに実行できる資金調達の方法を3つ解説します。

どの方法が自社の運営に合っているのか検討してみてくださいね。

7-1.日本政策金融公庫から融資を受けて資金調達をする

日本政策金融公庫といった公的な金融機関の制度を利用すれば、資金繰りが厳しい場合でも融資を受けられる可能性があります。

日本政策金融公庫について、以下の3つについて詳しく解説します。

・特徴
・利用方法
・利用する際の注意点

あなたに合う方法かどうか確認してみましょう。

①日本政策金融公庫の特徴

日本政策金融公庫は、日本政府が100%出資する政府系金融機関です。

銀行や信用金庫など民間の金融機関に比べて金利が低く設定されていることが大きなメリットです。

また、中小企業や個人事業主など事業者の支援を目的としているため、民間よりも融資審査のハードルが低いです。

創業初期などが理由で銀行や信用保証協会の審査に落ちてしまった場合でも、日本政策金融公庫の融資審査には通ることがあります。

融資後に返済ができない状態に陥ってしまった場合であったとしても、その後の対策をしっかりと伝えることができれば、返済期間の見直しに応じてもらえます。

融資で資金調達を考えているのであれば、まずは日本政策金融公庫の審査を申し込んでみましょう。

ただし、資金調達までのスピードは遅く、貸付金の審査に1か月以上かかることがあります。

早期での資金調達を考えているのならば、年利が高くなりますがビジネスローンを検討しましょう。

売掛金(売掛債権)を持っている場合は、ファクタリングを利用する手もあります。

②日本政策金融公庫の利用方法

個人事業や中小企業など事業者によって流れは変わりますが、一般的に以下のような融資の流れとなります。

1.電話や来店で融資を申し込む
2.資金の使い道や事業状況(計画)などについての面談を行う
3.審査が行われる
4.審査に通過すると契約に必要な書類が送られる
5.契約手続きが完了次第、銀行口座へ振り込まれる

面談の際に、営業状況(計画)や資産・負債の分かる書類の持参が求められます。公庫から求められた書類は必ず準備しておきましょう。

③日本政策金融公庫を利用する際の注意点

日本政策金融公庫は審査に一定の時間がかかるためすぐに融資が通らない点が注意しましょう。

また、民間の金融機関が行う金融を補完することを目的として設立されているため、民間の金融機関からの借り換えはできないことも覚えておきましょう。

ただし、借り換えではなく、追加融資を受けることはできます。

存続の返済を遅延なく返済していることが前提にはなりますが、資金繰りを改善したい場合は日本政策金融公庫で追加融資を受ける方法がおすすめです。

7-2.ビジネスローンを利用して資金調達をする

ビジネスローンは、事業資金に特化した金融サービスです。

ビジネスローンを扱っている金融機関は、信販会社や消費者金融などがあり、開業資金やつなぎ資金、設備投資など利用目的を事業資金として使うものに絞った借入方法です。

ビジネスローンについて、以下の3つについて解説します。

・特徴
・利用方法
・利用する際の注意点

あなたに合う方法かどうか確認してみてくださいね。

①ビジネスローンの特徴

銀行融資が受けられない中小企業や個人事業主に向けた金融商品なので、銀行融資に比べて審査に通りやすいですが、

「すでに銀行融資を受けていて返済を延滞している」
「税金の未納や滞納がある」

などの問題があれば審査が不利になってしまいます。

資金繰り改善のために早く資金調達をする必要がある場合や、売上金の入金までのつなぎ融資に利用したい場合におすすめします。

②ビジネスローンの利用方法

会社によって違いはありますが、ビジネスローンの利用手順は以下のようになります。

1.申し込みを行う
2.必要書類を提出する
3.審査を行う
4.問題がなければ契約をし、融資を実行

こちらも会社によって違いはありますが、以下の書類が必要です。

・履歴事項証明書
・印鑑証明書
・納税証明書
・事業計画書
・本人確認書類(個人事業主の場合)
・確定申告書(個人事業主の場合)
・決算書

審査を滞りなく行うためにも、申込内容と準備した書類の内容に相違がないか確認しておきましょう。

③ビジネスローンを利用する際の注意点

ビジネスローンは将来、銀行融資を受ける際に審査に影響する可能性がある点に注意が必要です。

ビジネスローンは融資と同様に、利用すると信用情報に記録されます。

また、法人の場合、ビジネスローンで借り入れを行うと、決算書に借入先を記載しなければなりません。

そのため、銀行融資や公的機関から審査が受けられなくて、事業状況があまりよくないと判断されてしまいます。

現在、銀行融資などの審査が通らなかったとしても、業績が回復したのち銀行や公的機関からの融資を希望している場合であれば、この後紹介する信用情報に影響しないファクタリングの利用がおすすめです。

ビジネスローンについて詳しくは「よく分からないビジネスローンを簡単解説!他のローンと何が違うの?」をご覧ください。

7-3.ファクタリングを利用して資金調達をする

ファクタリングは、融資ではなく、自社が持っている売掛金(売掛債権)を買い取ってもらい資金調達をする方法です。

手元に売掛金がある場合に、ファクタリング会社に買い取ってもらいます。

ファクタリングについて、以下の3つについて解説します.

・特徴
・利用方法
・利用する際の注意点

7-3-1.①ファクタリングの特徴

ファクタリングは資金調達までスピードが融資などほかの資金調達方法に比べ早く、即日対応できる会社もあります。

そのため早急に仕入資金や買掛金の資金等を準備しなければならない場合にも向いています。
また、ファクタリングは融資とは異なり、償還請求権がない契約のため売掛金が未回収になるリスクも軽減することができます。

そのほか、審査では利用者ではなく、売掛先の信用力が重視される点や自社の信用情報に影響しない点などが特徴です。

銀行融資やビジネスローンが通らない方や、すでに銀行融資をしていて資金調達がしたい場合におすすめの方法です。

7-3-2.②ファクタリングの利用方法

ファクタリング会社によって異なりますが、WEBフォームや電話、メールにて申し込みをして利用します。

最近は、オンライン完結で利用できるファクタリングサービスも多く、即日で売掛金(売掛債権)を現金化(資金化)することが可能です。

ファクタリング会社によって利用方法が異なりますが、以下の流れで申し込みを行います。

1.WEBフォームやメール等にて売却したい売掛金の金額や会社名、名前、電話番号、振込先口座など必要事項を入力する
2.必要書類を提出して審査を受ける
3.審査後、契約内容に問題がなければ契約をする
4.買取代金を入金してもらう
5.2者間ファクタリングの場合:売掛先から売掛金回収後、ファクタリング会社へ送金
 3者間ファクタリングの場合:売掛先から直接ファクタリング会社へ入金

こちらも会社によって違いはありますが、以下の書類が必要です。

・身分証明書
・口座の入出金明細 (過去の取引状況が分かるもの)
・売掛金に関する書類(請求書や契約書など)

スムーズに資金繰り改善を目指すためにも、漏れなく準備しておきましょう。

7-3-3.③ファクタリングを利用する際の注意点

ファクタリングを利用する際は手数料がかかり、売掛金(売掛債権)の金額から手数料を引いた金額が入金されます。

本来得られるはずだった金額から手数料が引かれるため、頻繁に利用しすぎるとかえって資金繰りが悪化する可能性もあります。

また、ファクタリングは売掛金の売買契約のため、売掛金以上の金額を調達することはできません。

ファクタリングについて詳しくは「ファクタリングとは?仕組みや注意点などを図解で簡単に解説!」をご覧ください。

7-3-4. 今すぐに資金繰り改善したいのならビートレーディングがおすすめ

今すぐに資金調達をして、資金繰り改善をしたい方は、ビートレーディングがおすすめです。

ビートレーディングのファクタリングは申し込みから入金にかかる時間が最短2時間で、オンライン契約を導入しているため、他社と比べても早く資金調達に対応することができます。

銀行融資だけでなく、キャッシングやビジネスローンの審査に落ちてしまった方や、税金の滞納や赤字がある場合でも、状況によってはご利用いただける場合がございます。

できるだけ早く資金繰り改善を考えている方は、「今すぐ利用を相談する」からお問い合わせください。

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8.まとめ

資金繰りを改善するには、悪化した原因をしっかりと確認して、適切な対策に取り組むことが大切です。

ここまでご紹介した資金繰り改善の具体策を参考にしながら、自社の原因に合わせて改善を目指しましょう。

ファクタリングを活用して早期に売掛金(売掛債権)を現金化(資金化)するという方法もあります。

ビートレーディングのファクタリングなら、お問い合わせから振り込みまで最短2時間で、17時までに契約完了できれば即日入金が可能です。

累計取引者数7.1万社以上累計買取額1,550億円以上(※2025年3月時点)と取引実績が豊富で安心してご利用いただけます。

また、法人と個人事業主の両方に対応しています。

資金繰り改善のために資金調達を検討している方は、お気軽にビートレーディングへご相談ください。

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監修者

株式会社ビートレーディング 編集部編集長

筑波大学大学院修士課程修了後、上場企業に勤務。不動産ファンドの運用・法務を担当した後、中小企業の事業再生や資金繰り支援を経験。その後弊社代表から直々の誘いを受け、株式会社ビートレーディングに入社。現在はマーケティング・法務・審査など会社の業務に幅広く携わる。

<保有資格>宅地建物取引士/貸金業務取扱主任者

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受付 平日9:30~18:00