「事業の資金繰りで銀行から借入したいが金利の相場はどのくらいだろう」
「できるだけ低金利で借りられる方法はあるのだろうか」
そう思っていませんか?
結論からお伝えすると、銀行借入金利の相場は1%〜15%程度です。
幅があるのは借入の種類や利用者の信用状況によって金利が変わってくるからです。
どのようなポイントで金利が決められるのかを知っておくことで、できるだけ低い金利を導くことも可能です。
そして、
「金利の相場を比較してみても、どこも金利が高いと感じてしまう」
という人は、銀行借入以外の資金調達方法も検討してみましょう。
例えば、公的融資の日本政策金融金庫や資金調達方法の一つ「アセットファイナンス」がおすすめです。
この記事では、
◎銀行借入金利の相場
◎銀行借入金利の決め方
◎銀行借入金利を低く抑えるコツ
◎銀行借入のメリットデメリット
◎銀行借入以外の資金調達方法
について説明していきます。
この記事を最後までお読みになれば、銀行借入金利の相場や決め方について理解を深めることができ、資金調達の参考にできるでしょう。
この記事があなたのお役に立てば幸いです。
目次
1.銀行借入金利の相場は1%〜15%
冒頭でもお話した通り、銀行借入金利の相場は1%〜15%です。
ただし、銀行借入金利は、融資をする金融機関や融資の種類、融資を受ける人の財政状況や信用度などによって変動しますので一概には言えません。
そのため、銀行借入金利の相場については参考程度の内容をお伝えするほかないのですが、できる限り詳しく知るために、融資の種類別に金利の相場を見ていきましょう。
融資にはさまざまな種類がありますが、事業の用途として受けられる融資としては、
・ビジネスローン
・通常の事業融資
の2つです。
それではそれぞれの金利の相場やローンの特徴について、詳しく説明していきますね。
1-1.ビジネスローンの金利相場は1%〜15%程度
まずはビジネスローンの金利相場について説明していきましょう。
銀行のビジネスローンの金利相場は1%〜15%程度です。
具体的に大手銀行の例を挙げると、次のようになっています。
◎三井住友銀行「中小企業向け融資ビジネスセレクトローン」…年2.125%〜 ◎三菱UFJ銀行「Biz LENDING」…上限年15% |
ビジネスローンは銀行だけでなく、信販・貸金会社などでも提供していることが多いのですが、銀行のビジネスローンの方が金利は低く設定されています。
ここで、
「ビジネスローンって聞いたことはあるけど、どんな商品か分からない」
という人のために、ビジネスローンの特徴について説明していきますね。
ビジネスローンとは事業資金専用の融資商品で、法人経営者か個人事業主のみが申し込めるものです。
事業資金とは事業に関わる資金のことで、具体的には新規事業の立ち上げ、設備投資、運転資金、取引先への支払いなど、事業全般に利用できます。
ビジネスローンは銀行の通常融資に比べて手続きが簡単で早いことが魅力です。
具体的には、
・無担保・無保証人で借入可能
・オンラインで手続きできる場合あり
・融資スピードは通常の融資より早い
という点です。
一方、借入可能額は通常融資よりも低く設定されていて、上限1,000万円程度です。
とは言え、中には担保不要なビジネスローンでも、三井住友銀行のように「最大1億円まで融資可能」としている銀行もありますので、詳しくは融資を希望する各銀行のHPを確認してください。
そして、前にもお話した通り、ビジネスローンは銀行だけでなく信販・貸金業者などでも提供しています。
1-2.通常の事業融資の金利相場は1%〜4%程度
次に、通常の事業融資について説明しましょう。
銀行の通常の事業融資の金利相場は1%〜4%程度です。
先ほど説明したビジネスローンよりも低い金利であることがお分かりになるかと思います。
それは、ビジネスローンが「無担保で少額借入に向いている事業用商品」であったのに対し、通常の事業融資は、担保や保証人が必要で高額な借入が可能な法人向けの金融商品だからです。
法人向け融資はビジネスローンと違い審査が厳しく行われますので、金利も企業の信用度や財政状況などが大きく関わってきます。
そのため、法人向けの融資に関しては金利が公表されていないことが多く一概には言えません。
そこで参考にすべきなのが、
・短期プライムレート
・長期プライムレート
という指標です。
短期プライムレートとは、銀行が業績の良い最優良企業に対して融資を行った際の最優遇金利のうち、1年未満の短期貸出金利のことを言います。
一方、長期プライムレートとは、銀行が企業に対し1年以上の長期融資を行った際の最優遇金利のことです。
各銀行のHPでは、「どの銀行にどのくらいの金利で融資した」という詳細は記載されていませんが、短期プライムレートと長期プライムレートは明記されているので参考にできます。
大手金融機関の例を挙げると、
◎三井住友銀行…(短期)年1.475%、(長期)記載なし
◎三菱UFJ銀行…(短期)年1.475%、(長期)記載なし
◎みずほ銀行…(短期)年1.475%、(長期)年1.25%
となっています。
さらに参考にしたいのが、日本政府の政策金利です。
政策金利とは中央銀行が金融機関にお金を貸す際の金利で、こちらも長期プライムレートが1.25%(令和4年9月9日時点)となっています。
(参考/日本銀行「長・短期プライムレートの推移」)
このことから、法人向けの融資は最低1%以上ということが分かります。
さらに各銀行の個人向けの融資における金利を見てみると、おおよそ上限は4%程度であることが分かります。
そのため、銀行の法人向け融資の金利相場は、1%〜4%程度であるということになります。
【個人向けのカードローンとフリーローンは原則事業性資金には使えない】 |
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「必要なのは300万円程度だから、手軽に申し込めるカードローンやフリーローンを利用したい」 とお考えの人も多いのではないでしょうか。 確かにカードローンやフリーローンは申し込みのハードルが低く、融資スピードが早いため、手軽に利用できます。 借りたお金の使い道は指定されていないので、「それなら事業用に使っても良いのでは」と思う人もたくさんいるでしょう。 ところが、銀行のカードローンやフリーローンはあくまでも個人向けの融資サービスで、事業性資金には使えないことが多いです。 詳しくは金融機関やサービス提供会社のHPをそれぞれチェックしてみると分かりますが、例えばみずほ銀行の「みずほ銀行多目的ローン(無担保)」の商品詳細には以下のような注意書きが記載されています。 ◎資金使途/原則自由(ただし、事業性資金、有価証券投資資金、見積書や契約書等により確認できない資金としてはご利用いただけません)。 また、資金使途は確認させていただき、みずほ銀行が認める場合に限ります。 ほとんどの銀行がこのように事業性資金の使途を認めておらず、融資を受ける際は事業用かどうかを問われることもありますので、注意しましょう。 |
2.銀行借入金利は銀行側と借主側双方の状況で決められる
先ほど銀行借入金利の相場についてお話しました。
そのお話の中でもあったように、借入金利の相場は1%〜15%と幅広く設定されています。
例えば100万円借りたなら、金利が1%の人は1万円、15%の人は15万円ですから、金利が1%の人と15%の人では負担が大きく違います。
そこで、どのように金利が決められていくのか、金利が決められるポイントについて説明していきましょう。
銀行借入金利が決まる仕組みは次の3つのポイントに基づいています。
①銀行側の信用状況
②銀行側のコスト
③借主の信用状況
それぞれについて、さらに詳しくお話していきますね。
2-1.銀行側の信用状況
銀行から融資を受ける際の金利は、すべて借主の状況によるものだと考えている人も多いかと思います。
ところがそうではなく、借入金利には銀行側の信用状況も大きく関わっています。
それは、銀行がどこからお金をもらってどのように運営しているかということを理解すると自ずと分かります。
銀行がお金を貸す場合、それは銀行の自己資金ではありません。
銀行が持っているお金とは、銀行を利用している人たちの預金や利息、日本銀行から借り入れたお金で、それらを上手く回して運営しているのです。
日本銀行から銀行がお金を借りる際の金利は、銀行の信用力によって左右されます。
一般的に、メガバンクなど規模が大きい銀行は金利が低めに設定されているのはそのためです。
そのほか、利用者が多くたくさん預金がある銀行は資金も豊富です。
利用者が多く集まるということは、信用力が大きいということに匹敵しますよね。
つまり、信用力の高い銀行は日本銀行から低い金利でお金を借りられ、多くの利用者が集まるので資金が豊富です。
そのため、銀行の利用者にも低い金利で融資ができるということになります。
2-2.銀行側のコスト
先ほどの話にもつながりますが、借入金利には銀行側のコストも関係してきます。
銀行側のコストとは、
・預金利息(預金者に支払う利息)
・人件費(行員に支払う給料など)
・物件費(地代家賃や設備費など)
・宣伝費(パンフレットやCMの広告費など)
といった部分です。
銀行は、これらのコストと先ほどお話した銀行の収入源のバランスをとり、利益が出るように運営していきます。
つまり、コストがかかりすぎていると利益が出ないので、金利を高くしなければならないということです。
その反面、コストを抑えて効率よく運営できていれば、金利を下げることも可能ですよね。
ネット銀行などの金利が低い理由は、コストの中でも特に人件費や物件費を抑えられているからです。
2-3.借主の信用状況
ここまで、銀行側の状況による金利の決まり方をお話してきましたが、一番重要なのはこれからお話する借主の信用状況です。
借主の信用が低ければ銀行にとっては貸倒リスクが高くなってしまうので、当然金利が上がってしまいます。
では、どのようなポイントで借主の信用状況を図っているのかというと、融資の審査には次の2つの評価があります。
それは、
①定量評価
②定性評価
の2点です。
そして、それらを踏まえて銀行が企業を「正常先」と判断した場合のみ、融資が実行され金利が決められます。
では、「正常先」と判断されるために必要な「定量評価」と「定性評価」について、少し聞き慣れない言葉かと思いますのでそれぞれ詳しく説明していきましょう。
2-3-1.信用状況を判断するために提出する書類は「決算書」「資金繰り表」「事業計画書」など
借主の信用状況を図るために銀行が行うことは、書類や面談による審査です。
ビジネスローンの場合は担保や保証人が不要で審査も簡単なケースがありますが、ここでは一般的な審査のお話をしていきますね。
審査で重要なのは、提出する書類です。
では、どんな書類を提出するのかと言うと、主に次の8点です。
・納税証明書
・決算書(個人事業主の場合は確定申告書)
・資金繰り表
・事業計画書
・試算表
・借入状況
・登記簿謄本
・印鑑証明書
これらを参考に、銀行では「融資の可否」「融資限度額」「金利」を決めていくことになります。
どの書類も厳しくチェックされますが、特に重要になるのが企業の収益性に関わる「決算書」「資金繰り表」「事業計画書」です。
これらは企業の財政状況や事業の成長性を示すものなので、特に入念に作成して提出しましょう。
2-3-2.定量評価とは数値化されたデータを基に客観的判断をすること
提出する書類についてお話をしましたので、それをもとにどのような評価がされるのかを説明していきます。
まずは、「定量評価」についてです。
定量評価とは、数値化されたデータを基に客観的な判断を行うことです。
もう少し分かりやすく言うと、審査の際に提出された決算書や資金繰り表などから次の4点を判断します。
・収益性(事業が黒字であるか、効率よく利益を得ているか)
・安全性(継続して事業を行える状況か、資金繰りに問題はないか)
・成長性(事業や会社の規模がどのくらい成長しているか)
・債務償還能力(融資を返済する資金力があるか)
基本的に、収益が赤字の場合は融資が難しいでしょう。
黒字の場合でも、効率よく利益を得られているかどうかを厳しく判断されます。
これらを総合して、「利益を順調に得ていて今後も伸びていく可能性が高い」と評価された場合は、金利が低く設定されます。
2-3-3.定性評価とは数値では表現できない部分について主観的判断をすること
先ほど説明した「定量評価」が数値での客観的な判断だったのに対し、「定性評価」は数値以外の部分を評価するものです。
数値以外のものとは具体的に、
・経営者の能力や人柄
・経理理念や方針
・市場価値と成長性
といった観点です。
これらは書類だけでなく、融資担当者との面談でも判断される部分です。
・担当者の質問に根拠ある説明ができるか
・素直で前向きな姿勢が見られるか
・事業に対する熱意があるか
といった点を踏まえて、定性評価が出されることになります。
そのため、融資の審査では、単に書類を提出すれば良いのではなく、融資担当者とのコミュニケーションや面談対策も金利に影響してくるものだと考えましょう。
3.低金利で融資を受けるポイント4つ
融資を受けるなら、「できるだけ低い金利で借り入れたい」と考えている人がほとんどですよね。
そこで、低金利で融資を受けるポイントについてお話していきます。
最終的に金利を決めるのは銀行側ですが、審査の前に低金利で融資を受けるポイントを知っておけば少しでも有利に融資を受けることができるでしょう。
低金利で融資を受けるコツは4つあり、
①返済能力や将来性をアピールする
②担当者とのコミュニケーションにも注力する
③低金利の金融機関との取引実績を提示する
④銀行にこだわらず公的融資も検討する
という点です。
それぞれについて詳しく説明していきます。
3-1.返済能力や将来性をアピールする
できるだけ低い金利で借入するためのコツとして、返済能力や将来性をアピールすることが大切です。
先ほどお話した「定量評価」では、決算書などを基に実際の数字を判断されますが、もし収益性が目立って良い場合でなくても、今後の事業の可能性によっては金利を優遇してもらうことができるからです。
アピールする方法としては、書類と面談です。
書類では、事業計画書の中で経営計画と返済計画についてより具体的に熱意を込めて記載しましょう。
中長期的な損益計画や、計画を裏付ける具体的なデータなども添えた方が有利です。
面談で返済計画などを聞かれた場合も同じです。
例えば、
「今の収益率は◯%ですが、私たちのサービスは今後10年で市場価値が20%程度上がる予測で、収益率が◯%まで伸びる見込みです。そのため、返済も滞りなく進められます」
といったように、具体的なデータを基に根拠を持って説明できるように準備しておきましょう。
3-2.担当者とのコミュニケーションにも注力する
融資の審査を進めていく中で、意外にあなどれないのが融資担当者とのコミュニケーションです。
先ほどもお話した通り、融資の可否や金利は「定量評価」と「定性評価」で決まりますので、数字以外の部分は担当者の主観的な判断に大きく左右されます。
もちろん、かなりの赤字を抱えている企業がいくら人柄や熱意をアピールしても融資可能になることは難しいですが、融資可能な段階にいる人が少しでも金利を下げてもらえるようにアピールすることは効果的です。
できる限り具体的な根拠を添えた上で熱意をアピールし、担当者に
「この企業にお金を貸したいな」「応援したい」
と思ってもらえるよう、担当者とのコミュニケーションは密にとりお互いの信頼を強めておきましょう。
3-3.低金利の金融機関との取引実績を提示する
これまでにも融資を受けたことがあり、それが低金利だった場合は、その取引実績を提示することで有利に働く可能性があります。
低金利だということは企業や事業主としての信頼性が高いという証明になりますし、滞りなく完済したのであれば、「この人(企業)は返済する能力があり、信頼できる」と判断してもらえます。
3-4.銀行にこだわらず公的融資も検討する
「低い金利で融資を受けたい」と考えているのであれば、銀行にこだわる必要はありません。
銀行は審査が厳しく大企業に有利な融資方法なので、中小企業や個人事業主であれば公的融資を検討してみるのもおすすめです。
公的融資の中でおすすめなのが、国が運営する「日本政策金融公庫」です。
日本政策金融公庫は銀行で融資を受けづらい個人事業主や中小企業向けの融資を幅広く展開していて、平均金利は個人事業主向けの融資で1%〜3%程度、中小企業向けの融資で、1%〜1.5%程度です。
融資限度額が上限1,000万円程度と、事業融資としては比較的少額ですが、規模が小さい個人事業主や中小企業に対して銀行よりも前向きに融資を検討してくれるでしょう。
ここで出てくるのが、「1,000万円まで借りられるなら、ビジネスローンより金利が断然安い日本政策金融公庫の方が良いのでは」という考えですよね。
確かにビジネスローンと日本政策金融公庫の融資限度額の上限は同程度ですが、審査書類や審査スピードに違いがあります。
金利が高いビジネスローンの方が、審査が簡単でスピーディーです。
日本政策金融公庫は、個人事業主や中小企業に前向きだとは言え、審査書類は銀行融資と同じように、事業計画書や決算書の提出を求められ、面談もあります。
審査期間は銀行よりは短いですが、それでも平均2週間程度は必要です。
そのため、「金利を安くしたい」と考えている場合でも、審査の手間や期間などを総合してどの融資方法にするか決める必要があるでしょう。
4.銀行借入のメリットデメリット
銀行借入を検討している人の中には、
「資金調達できるなら銀行融資にこだわる必要はない」
という人もいるのではないでしょうか。
そこで、本当に銀行借入があなたに合った資金調達方法なのかを判断するために、銀行借入のメリットとデメリットをお伝えしていきます。
具体的には、銀行借入のメリットは「金利が低い」という点です。
一方デメリットは、審査に手間と時間がかかるという点です。
すでに知っていることもあるかもしれませんが、もう一度振り返り、ぜひご自身の資金調達選びの参考にしてください。
4-1.銀行借入のメリットは金利が低い点
銀行借入のメリットは、全般的に金利が低いという点です。
前にもお話した通り、銀行の通常融資の金利は1%〜となっています。
公的融資の日本政策公庫は2%程度が相場なので、銀行の方が低いことがお分かりになるかと思います。
ビジネスローンの場合は銀行でも上限が15%程度と高めですが、それでもクレジットカード会社や消費者金融などの貸金業によるビジネスローンの金利相場は4%〜18%程度ですので、銀行の方が金利が低く設定されています。
そのため、銀行融資は「借入のためのコストはできるだけ抑えたい」という人におすすめです。
4-2.銀行借入のデメリットは審査に手間と時間がかかる点
銀行借入のデメリットは、審査に手間と時間がかかる点です。
銀行借入は他の融資方法と比べて金利が低い分、提出する書類が多く審査も厳しく行われます。
銀行借入の審査の際に提出する書類に関しては前にもお話しましたが、事業計画書や資金繰り表など、作成に時間と手間がかかるものも含まれています。
審査では、提出された書類と面談、担保や保証人の審査など、たくさんの項目を精査するため、審査完了まで1〜2か月程度はかかります。
そして、時間と手間をかけたからといって審査を通過するとは限りません。
そのため、銀行借入は「すぐに資金が必要」というケースには不向きだと言えます。
5.融資以外ですぐに資金化したいなら「アセットファイナンス」がおすすめ
先ほどお話したように、銀行借入は金利が低い反面、すぐには借りられないというデメリットがあります。
そこで、「借入のコストや手間をかけずにすぐに資金が欲しい」という人は銀行借入以外の方法で資金を調達することがおすすめです。
そもそも資金調達法には3つの種類があります。
資金調達法の種類 | 内容 |
---|---|
デットファイナンス(融資) | 銀行や貸金業者を利用した融資(借入) |
アセットファイナンス(売却) | 手元にある不動産や商標、売掛債権を売却して資金を得る |
エクイティファイナンス(投資) | 新株を発行(株主資本を増加)して資金を得る |
これら3つの資金調達方法のうち、融資によって資金を得るデットファイナンスと自社に投資をしてもらって資金を得るエクイティファイナンスは資金を調達するまでに時間がかかります。
一方、アセットファイナンスは手元にある資産を売却して資金を得る方法なので、書類審査や面談、保証人や担保の用意なども必要なく、すぐに実行に移すことができる方法です。
そのため、「融資以外の方法ですぐに資金が欲しい」という場合には「アセットファイナンス」がもっともおすすめだと言えます。
アセットファイナンスについてもう少し詳しく説明すると、アセットファイナンスで売却できるのは次の3つの資産です。
①不動産などの有形資産
②商標などの無形資産
③売掛債権(ファクタリング)
このような資産をお持ちで、その資産に
「価値がある」
「量を持ちすぎていて負担」
「使う予定がない」
という状況であれば、売却して資金化する方法も視野に入れるべきでしょう。
さらに、アセットファイナンスを利用する際に自社の審査などはないので、
「開業したばかりで銀行からの信頼を得にくい」
「担保や保証人を用意できない」
「赤字が続いている」
「自己資金がほとんどない」
という場合でも資金調達をすることが可能になります。
ただし、アセットファイナンスはあくまでも手元にある資産を売却して資金を調達するので、当然ですが資産の価値以上の資金は調達できません。
さらに売却の際に仲介に入る業者に手数料を支払う必要があるため、資産の価値がそのまま全額資金として入るわけではないことにも注意が必要です。
このように、アセットファイナンスにはさまざまなメリットやデメリットがあります。このほかにも、具体的な仕組みや活用事例などさらに詳しく知りたい人は、「アセットファイナンス」の記事をチェックしてみてくださいね。
また、他の資金調達方法についてさらに詳しく知りたい人は、事業別のおすすめ資金調達方法について詳しく書かれた「資金調達方法」の記事も併せてチェックしてください。
6.まとめ
いかがでしたか?
銀行借入の金利について、相場や金利の決まり方、低金利で借入する方法などをご説明してきました。
最後にこの記事をまとめると、
◎銀行借入金利の相場は1%〜15%
そのうち、
・ビジネスローンの金利相場は1%〜15%
・一般的な事業融資の金利相場は1%〜
◎銀行借入金利は3つのポイントで決められる。
3つとは、
①銀行側の信用状況
②銀行側のコスト
③借主の信用状況
◎借主の信用状況により
①定量評価
②定性評価
がなされ、「正常先」に分類された場合のみ融資が可能となる
◎低金利で借入するためのポイントは4つ
①返済能力や将来性をアピールする
②担当者とのコミュニケーションにも注力する
③低金利の金融機関との取引実績を提示する
④銀行にこだわらず公的融資も検討する
◎銀行借入のメリットは「金利が低い」という点
◎銀行借入のデメリットは、審査に手間と時間がかかるという点
◎「コストをかけずすぐに資金調達したい」なら、融資以外の方法も検討すべき。
融資以外ならアセットファイナンスがおすすめ
となります。
銀行借入金利は銀行側と借りる側の状況により、それぞれ大きく変わってきます。
できるだけ低金利で借りるためにも、事前に相場や金利が決まるポイントを知っておくことが重要です。
この記事があなたのお役に立てることを願っています。
筑波大学大学院修士課程修了後、上場企業に勤務。不動産ファンドの運用・法務を担当した後、中小企業の事業再生や資金繰り支援を経験。その後弊社代表から直々の誘いを受け、株式会社ビートレーディングに入社。現在はマーケティング・法務・審査など会社の業務に幅広く携わる。
<保有資格>宅地建物取引士/貸金業務取扱主任者