ファクタリングでは、いくらまで資金調達できるのでしょうか。
ファクタリングを利用できる上限金額は、売掛金の金額や売掛先の条件などによって決まります。
この記事では、ファクタリングの調達限度額について解説します。
ファクタリングを利用する際の注意点やおすすめのファクタリング会社も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ファクタリングの仕組みや意味を知りたい方はファクタリングの基礎知識の記事も併せてご覧ください。
目次
1.ファクタリングで調達できる資金の限度額とは
ここでは、ファクタリングで調達できる資金の限度額について説明します。
1-1.売掛金の保有額に左右される
ファクタリングで調達できる資金の限度額は、保有している売掛金の額によって決まります。
なぜならファクタリングは、売掛金の売却により資金を得る方法だからです。
保有している売掛金の総額が調達できる資金の上限になります。
ただし、ファクタリングを利用して資金化(現金化)できる金額は、手数料が差し引かれた後の金額です。
そのため、厳密にいえば、売掛金の総額を資金として調達できるわけではありません。
ファクタリングの手数料はファクタリング会社によって異なるため、利用の際は複数社見積りをとり、調達できる金額を確認する必要があります。
1-2.売掛金がなければ資金調達できない
そもそも売掛金がない場合、ファクタリングによる資金調達はできません。
保有している売掛金の額が調達したい資金よりも少ない場合、調達できる金額は売掛金の額までとなるので希望の額を調達することはできません。
売掛金がなかったり、保有している売掛金が少なかったりする場合は、金融機関からの融資などファクタリング以外の方法を検討する必要があります。
ファクタリング以外の資金調達方法について詳しくは「知っておくべき15の資金調達方法|あなたが選ぶべき方法が分かる」の記事をご覧ください。
2.売掛金の掛け目や売却方法を確認
ここでは、売掛金の掛け目や売却方法について説明します。
2-1.売掛金の掛け目は変動する
ファクタリングにおける売掛金の掛け目は、ファクタリング会社が定める条件によって決まります。
掛け目とは、債権の買い取りが可能な割合のことです。
掛け目の割合が大きいほど、ファクタリングにより受け取れる金額は多くなります。
また、ファクタリングには手数料もかかるため、実際に調達できる資金は「売却する売掛金の金額×掛け目-手数料」となります。
たとえば、売却する売掛金の金額が100万円、掛け目が80%、手数料が売掛金の5%である場合について計算してみましょう。
売却する売掛金は100万円に掛け目を乗じた「100万円×80%=80万円」で、手数料は「80万円×5%=4万円」となるため、実際に調達できる資金は「100万円×80%-4万円=76万円」です。
2-2.複数の売掛金をまとめて売却できる
ファクタリングでは、複数の売掛金をまとめて売却することも可能です。
ファクタリング会社によっては買取金額の下限を設定しており、少額の売掛金の買い取りには対応していないところもあります。
しかし、複数の売掛金を合わせるとまとまった金額になる場合、ファクタリングを利用できる可能性があります。
少額の取引が多くても複数の取引の売掛金をまとめて一定額以上になる場合は、ファクタリング会社への売却が可能です。
1件ごとの売掛金が少ない個人事業主であっても、複数の売掛金をまとめればファクタリングを利用できる可能性があります。
個人事業主でも利用できるファクタリングについて詳しくは「ファクタリングを個人事業主が利用できる3つのケースとおすすめ8選」の記事をご覧ください。
3.限度額と必要調達額を元にファクタリング会社を選ぶ
ファクタリング会社を選ぶときは、限度額と必要調達額を考慮しましょう。
必要調達額が少額である場合と調達可能額が多額である場合の、ファクタリング会社の選び方を解説します。
3-1.必要調達額が少額である場合
調達したい額がそれほど大きくない場合は、少額のファクタリングを強みとするファクタリング会社を選びましょう。
少額でファクタリングを利用しようとすると、利用条件が悪くなりやすい傾向にあります。
ファクタリングでは契約前に必ず審査が行われますが、審査にかかる負担(人件費などファクタリング会社のコスト)は利用額によって大きく変動するわけではありません。
高額の契約をしたほうが審査にかかる負担に対してより多くの手数料を獲得できるため、ファクタリング会社の収益性が高くなります。
そのため、少額の契約を希望すると、利用条件において不利になる可能性があります。
しかし、少額のファクタリングを得意としているファクタリング会社なら、比較的好条件で契約しやすいです。
個人事業主でも利用可能なファクタリング会社では上限の金額も低く設定されていることがありますので、上限下限の金額について確認しておきましょう。
3-2.調達可能額が多額である場合
調達したい金額が大きい場合は、調達可能額の上限が高額なファクタリング会社を選ぶ必要があります。
ファクタリング会社の中には、調達可能額に制限を設けているところもあるからです。
中小規模のファクタリング会社では、上限が数千万円程度である場合もあります。
もし1億円以上の高額でのファクタリングを希望する場合は、大手グループ系列のファクタリング会社など、買取上限金額が高額な会社が候補となるでしょう。
ファクタリング会社について詳しくは「【2024最新】ファクタリング会社10選|目的別におすすめを紹介」の記事をご覧ください。
4.ファクタリングを利用する前に知っておきたい注意点とは
ファクタリングの利用にあたっては、注意点もあります。以下で詳しく解説します。
4-1.銀行系のファクタリングは資金化に時間がかかりやすい
銀行系のファクタリング会社を利用する際は、申し込みから資金化(現金化)までに時間がかかる可能性があります。
銀行系のファクタリング会社はメガバンクなどが親会社になっており、高額のファクタリングにも対応可能です。
しかし、基本的には3者間ファクタリングとなるため、手続きに時間がかかる傾向があります。
3者間ファクタリングはファクタリング会社、利用者、売掛先で契約する方法であり、売掛先への説明やたり承諾を得るための時間を確保しなければなりません。
銀行系のファクタリング会社は少額の利用に対応できない場合もあるため、資金調達までの時間や調達可能額の上限下限などについて事前に確認しておきしましょう。
銀行系ファクタリングについて詳しくは「銀行系ファクタリングとは?特徴と他のファクタリング会社との違い」の記事をご覧ください。
4-2.規模が小さいファクタリング会社で多額の資金調達は難しい
規模が小さいファクタリング会社と契約する場合、多額の資金調達には向いていない可能性があります。
小規模のファクタリング会社は、大手と比較すると資金が少ないからです。
そもそも小規模のファクタリング会社は、少額のファクタリングをメインとしているケースも多いです。
ファクタリング会社を選ぶ際は、会社の規模と希望する資金調達の額が見合っているかについても考慮する必要があります。
4-3.多額の資金が必要な場合は事前に相談しておく
ファクタリングで多額の資金を確保したいなら、事前に相談しておくとスムーズです。
いきなり申し込みの手続きをするのではなく、窓口に問い合わせて対応可能か確認しましょう。
ファクタリング会社の規模や状況にもよりますが、売掛金の買い取りのために高額の資金を確保するにはさまざまな努力が必要です。
そのため、高額の売掛金の買い取りに意欲的なファクタリング会社もあれば、一定以上の金額については積極的に対応していないファクタリング会社も存在します。
事前に相談したうえで申し込みをすると、断られて手続きにかけた時間や手間が無駄になる可能性も小さくなります。
4-4.手数料などの条件も確認する
すでに触れているとおり、ファクタリングには手数料がかかります。
手数料の相場は、2者間ファクタリングなら8%~18%程度、3者間ファクタリングなら2%~9%程度です。
ただし、手数料はファクタリング会社によってそれぞれ設定されています。
実際には、利用条件に応じて個別に手数料が決まるため、よく確認したうえで契約しましょう。
複数のファクタリング会社の手数料を比較することも大切です。
ファクタリングの手数料について詳しくは「ファクタリング手数料相場は?高くなる理由と手数料の決まり方」の記事をご覧ください。
5.おすすめのファクタリング会社5選
ファクタリング会社は数多くあります。ここでは、おすすめのファクタリング会社を5社紹介します。
5-1.ビートレーディング
ビートレーディング | |
入金スピード | 最短2時間 |
手数料 | ・2者間:4%~12%程度 ・3者間:2%~9%程度 |
調達可能額 | 上限下限なし |
主な契約の種類 | 2者間/3者間 |
個人事業主 | ○ |
主な必要書類 | ・売掛金を証明するための書類(請求書、注文書など) ・通帳のコピー(2か月分) |
サポート対応 | (お問い合わせフォーム)24時間受付 (LINE)24時間受付 (電話)平日9時30分~18時 |
運営会社 | 株式会社ビートレーディング |
公式HP | 詳しく見る |
ビートレーディングは、累計買取額1,300億円、取引先実績5.8万社を誇るファクタリングサービスです。
少額から高額まで幅広く対応しています。これまでの売掛金の買取実績は、1万円から7億円までです。
クラウドサインを導入しており、パソコンやスマートフォンからのオンライン契約もできます。
5-2.ペイトナーファクタリング
ペイトナーファクタリング | |
入金スピード | 最短10分 |
手数料 | 10% |
調達可能額 | 25万円~100万円程度 |
主な契約の種類 | 2者間 |
個人事業主 | ○ |
主な必要書類 | ・請求書 ・本人確認書類 |
サポート対応 | (チャット)平日10時~19時 |
運営会社 | ペイトナー株式会社 |
ペイトナーファクタリングは、個人事業主やフリーランスを対象とするファクタリングサービスです。
初回の調達可能額は25万円となっており、利用状況によって最大100万円程度まで調達可能額が引き上げられます。
手数料は利用条件にかかわらず一律10%です。
累計申請件数は10万件を突破し、多くの個人事業主やフリーランスから支持されています。
5-3.QuQuMo
QuQuMo | |
入金スピード | 最短2時間 |
手数料 | 1%~ |
調達可能額 | 上限下限なし |
主な契約の種類 | 2者間 |
個人事業主 | ○ |
主な必要書類 | ・請求書 ・通帳 |
サポート対応 | (メール)24時間受付 (LINE)24時間受付 (電話)10時~17時 |
運営会社 | 株式会社アクティブサポート |
QuQuMoは、オンラインで手続きを完了させられるファクタリングサービスです。
調達可能額は上限下限なしで、手数料は1%からとなっています。
請求書と通帳さえあれば申し込めます。
すべての手続きが最短で進んだ場合、申し込み手続きは約10分、見積りは約30分、契約と送金は約1時間で完了します。
最短で約2時間での入金が可能です。
5-4.BestFactor
BestFactor | |
入金スピード | 最短即日 |
手数料 | 2%~20% |
調達可能額 | 30万円以上 |
主な契約の種類 | 2者間/3者間 |
個人事業主 | ○ |
主な必要書類 | ・売掛金を証明するための資料(請求書、見積書、基本契約書) ・通帳のコピー ・本人確認書類(運転免許証、パスポートなど) |
サポート対応 | (お問い合わせフォーム)24時間受付 (電話)平日10時~19時 |
運営会社 | 株式会社アレシア |
BestFactorは、平均買取率92.2%を誇るファクタリングサービスです。
売却する売掛金は30万円以上である必要がありますが、個人事業主でも利用できます。
また、調達可能額は売掛先1社につき1億円までとなっています。
ただし、状況によってはそれ以上の買い取りにも対応できるため、多額の資金が必要な場合は相談してみましょう。
5-5.日本中小企業金融サポート機構
日本中小企業金融サポート機構 | |
入金スピード | 最短3時間 |
手数料 | 1.5%〜 |
調達可能額 | 上限下限なし |
主な契約の種類 | 2者間/3者間 |
個人事業主 | ○ |
主な必要書類 | ・売掛金を証明するための書類(請求書、注文書など) ・通帳のコピー(3か月分) |
サポート対応 | (お問い合わせフォーム)24時間受付 (電話)平日9時30分~18時 |
運営会社 | 一般社団法人日本中小企業金融サポート機構 |
日本中小企業金融サポート機構は、一般社団法人が提供するファクタリングサービスです。
中小企業が抱える課題の解決を目的として運営されています。
ファクタリング以外の資金調達の方法も幅広く提供しています。
6.まとめ
ファクタリングでいくら資金を確保できるかは、保有している売掛金の金額や差し引かれる手数料によって決まります。
ファクタリングで調達できる金額は売掛金の保有額が上限なので、保有額以上の資金調達はできません。
複数の売掛金をまとめて売却し希望の調達金額を資金化(現金化)するか、別の資金調達方法も検討する必要があります。
またファクタリング会社によって調達可能な限度額が異なります。
調達可能額の上限下限を確認し、必要な額を資金調達できるファクタリング会社を選定しましょう。
ファクタリングを利用するなら、ビートレーディングがおすすめです。
・累計買取額1,300億円、取引先実績5.8万社
・調達可能額上限下限なし(買取実績は1万円から7億円まで)
・パソコンやスマートフォンからのオンライン契約も可能
必要な金額をファクタリングでスムーズに調達するために、ぜひ利用してください。
筑波大学大学院修士課程修了後、上場企業に勤務。不動産ファンドの運用・法務を担当した後、中小企業の事業再生や資金繰り支援を経験。その後弊社代表から直々の誘いを受け、株式会社ビートレーディングに入社。現在はマーケティング・法務・審査など会社の業務に幅広く携わる。
<保有資格>宅地建物取引士/貸金業務取扱主任者