個人向け給料ファクタリングは違法【新手のヤミ金にご注意を】

社会情勢の影響により、給料ファクタリングを利用して多重債務を抱える被害が増えています。SNSなどのネット上の情報を通して広まったサービスですが、実態は違法なヤミ金であるとして金融庁が注意を呼び掛けています。


 
 
この記事では、以下3点について解説します。

  • そもそも給料ファクタリングとは
  • 何が違法なのか
  • 東京地裁が違法の判断をした事例

 

給料ファクタリングは違法

個人向け給料ファクタリングは違法です。

まずは、そもそも給料ファクタリングとはどのようなサービスであるのか説明します。

個人向け給料ファクタリングとは

給料ファクタリングとは、個人の給料を債権として業者が買い取り即日現金化する資金調達方法です。

法人向けのファクタリングを「個人向けのサービス」に変えた形で、2019年頃から世の中に知られるようになりました。

給料ファクタリングの仕組みは、以下の通りです。

①利用者が勤務先から受け取る予定の給料を
債権として給料ファクタリング業者に売却する

②業者は利用者に手数料を差し引いた金額を先出しする

③業者は翌月の給料日に、勤務先から
利用者に入金された給料を回収する

口コミに騙されない

給料ファクタリング業者は、以下のような謳い文句でサービスを訴求しています。

  • 最短即日で給料の前払い
  • 借金ではないため金利は発生しない
  • ブラックでも利用可能

 

昨今の社会情勢もあいまって、カードローンや銀行にて借り入れが難しい、いわゆる金融ブラックの人が現金を調達する裏ワザとしてその存在が広まりました。

一見便利そうなサービスですが、冒頭でも紹介したように個人向け給料ファクタリングは違法です。

令和2年3月5日に、給料ファクタリングの被害を重く見た金融庁が以下の内容を発表しました。

「貸金業法、出資法違反で契約無効とする、また、刑事罰の対象となる」

参考:金融庁における一般的な法令解釈に係る書面照会手続(回答書)

法人向けファクタリングは国も認めている資金調達方法

法人向けのファクタリングは、法に基づいた安全な資金調達方法です。

経済産業省も利用を推進しているサービスですので、企業経営や資金繰りでお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

法人向けファクタリングが違法ではない理由を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

ファクタリングは違法ではない!法的根拠に基づき分かりやすく解説

個人向け給料ファクタリングの何が違法なのか

給料ファクタリングの何が違法なのでしょうか。

サービスの実態を詳しく解説していきます。

①法外な利息

業者はこれまで、給料ファクタリングは給与債権の売買であり貸金にはあたらないとして、貸金業法の上限金利を大幅に超える法外な手数料を利用者から取っていました。

例えば、月給20万円の会社員が給料ファクタリングを利用し「手数料」2万円を差し引いた現金18万円の前払いを受けたとします。

この「手数料」は実質的に融資の利息にあたり、年利換算すると240%です。

利息に関しては、利息制限法と出資法で上限金利が20%と定められています

今回の事例での年利240%は、この上限金利を大幅に超える法外な利息です。

 

中には、年利換算で1,000%を超える被害も報告されています。

金融庁はこのような法外な利息による被害を重くみたため、今回注意の声明を出すに至りました。

②給与債権の譲渡は認められていない

そもそも、給与債権の他人への譲渡は認められていません

これは、労働基準法の「賃金は、直接労働者に支払わなければならない」という直接払いの原則に基づいた考えです。

このことから、給料ファクタリングの仕組み自体が法的に認められていないといえます。

参考:賃金の支払方法に関する法律上の定めについて教えて下さい(厚生労働省HP)

③その他にも多くの危険性がある

ここまで、法外な利息や給与債権の譲渡の違法性について説明しましたが、その他にも以下の問題点があると指摘されています。

  • 契約書さえ交わさないケース
  • 大声での恫喝や勤務先への連絡
  • 個人情報の漏洩

契約書さえ交わさないケース

金融サービスを利用する際は契約書が必須ですが、給料ファクタリング業者の中には契約書さえ交わさないケースもあります。

その結果、当初説明された手数料を大幅に超える、多額の手数料を求められたという被害が発生しています。

被害にあわないように十分に注意しましょう。

 

大声での恫喝や勤務先への連絡

すでに説明したように、給料ファクタリングでは「手数料」と称した法外な利息を支払うことを求められます。

また、融資とは異なり給料日に一括での返済となるため、生活費がひっ迫し指定日に返済できない方もいるそうです。

そうなった時に給料ファクタリング業者が行っているのが、勤務先への連絡です。

勤務先に取り立ての連絡が入ると自身の信用を失ってしまい、退職に追い込まれてしまうリスクがあります。

さらに、給料ファクタリング業者が自宅を訪れて、大声での恫喝など強引な取り立てを受けたという被害も発生しています。

大事な家族を守るためにも、給料ファクタリング業者とは関わらないようにしましょう。

 

個人情報の漏洩

これまで説明してきた内容からも分かるように、「まとも」とはいえない給料ファクタリング業者が多数いると考えられます。

そこで利用者にとって不安なのが、個人情報の管理です。

いわゆるヤミ金業者は、利用者名簿を作成して、そのリストの売買をしているといいます。

給料ファクタリングの利用者名簿も「お金に困っている人リスト」に載せられて、別の給料ファクタリング業者やヤミ金業者に売られている可能性が大いに考えられます。

個人情報を守る観点からも、給料ファクタリングの利用は控えましょう。

違法の判断をされた事例

令和2年3月24日に東京地裁にて、給料ファクタリングは貸金にあたるとの司法判断が示されました。

詳細をご説明します。

東京地裁で違法の判断

今回の事案は以下です。

給料ファクタリング業者(原告)が譲渡人(被告)に対し、
7万円の債権を4万円で買取り、4日後に支払う契約で
買戻し日の設定があったが、譲渡人が支払いを怠ったことにより、
業者が譲渡人に対し金銭の支払いを求める訴訟を提起した事案である。

この事案に対して、東京地裁は以下の判決を出しました。

主文 原告の請求を棄却する。

訴訟費用は、原告の負担とする。

詳細を分かりやすくした内容は、以下です。

  • 給料ファクタリングは貸金業法や出資法にいう「貸付け」に該当する
  • 年850%を超える利息の契約は、出資法に5条3項に違反し、
    刑事罰の対象となる契約であることから、
    利用者は給料ファクタリング業者に返済する義務を負わない

つまり、給料ファクタリングは刑事罰の対象となるサービスであるため、利用者は返済する義務を負わないという司法判断が初めて示されたことになります。

すでに給料ファクタリングを利用してしまい、被害にお心当たりがある方は、以下のページを参考に専門の窓口に相談することをおすすめします。

金融庁:給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!

 

個人向け給料ファクタリングはおすすめできない

給料ファクタリングとは、個人の給料を債権として業者が買い取り、即日現金化する資金調達方法です。

一見便利に思えるサービスですが、以下3つの問題点が指摘されています。

①    法外な利息

②    給与債権の譲渡は認められていない

③    勤務先への連絡や個人情報の漏洩などのリスク

このように多くの問題点があり、金融庁も注意を呼び掛けている違法なヤミ金ですので、利用は控えてください

なお、ビートレーディングにて提供している法人向けファクタリングサービスは、経済産業省も認める安全な資金調達方法です。

法的根拠について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

ファクタリングは違法ではない!法的根拠に基づき分かりやすく解説

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