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ファクタリングのオフバランス化を徹底解説!メリットや注意点を紹介

ファクタリングのオフバランス化を徹底解説!メリットや注意点を紹介

ファクタリングの基礎知識
ファクタリングのオフバランス化を徹底解説!メリットや注意点を紹介

「ファクタリングでオフバランス化できると聞いたことがあるけど、どういう意味?」
「ファクタリングでオフバランスって、どういった状態なの?」
「ファクタリングによるオフバランス化でどんなことが起こるの?」

このような悩みを抱えていませんか?

結論からいうとファクタリングによるオフバランス化は、企業の資産と負債の状況を表した貸借対照表の項目を減らして軽くし、スリム化した状態です。

ファクタリングによるオフバランス化

このようにスリム化すると貸借対照表上できれいに見え、企業価値が高まります。

資産(売掛金)を売却した時点でオフバランス化しています(資産が貸借対照表から外れています)が、ここではオフバランス化の効果を分かりやすくするために負債の返済までを含めています。

しかし、ファクタリングのオフバランス化に失敗しないか心配ですよね。

失敗しないためにはメリット・デメリット、注意点を知ったうえで検討するのが大切です。

まとめると以下の通りです。

オフバランス化メリットデメリット

ファクタリングのオフバランス化はメリットがたくさんありますが、理解を深めたうえで行わないと企業価値を下げてしまう場合があります。

そこで、以下の内容をご紹介します。

本記事で分かること

◎ファクタリングによるオフバランス化とは?
◎ファクタリングによるオフバランス化はどんな状態?
◎ファクタリングによるオフバランス化で得られるメリット
◎ファクタリングによるオフバランス化のデメリット
◎ファクタリングによるオフバランス化をする際の注意点

本記事を最後まで読むことで、ファクタリングのオフバランス化がどのようなものなのか、そしてメリット・デメリットを知り、疑問をなくしたうえでファクタリングの利用を検討できるようになります。

ぜひ、ご覧ください。

1.ファクタリングによるオフバランスとは?

ファクタリングによるオフバランスとは?

売掛債権を早く資金化できる資金調達方法であるファクタリングを利用するメリットの1つとして、オフバランス化が挙げられます。

ファクタリングによるオフバランス化について理解を深めるためにまずは、以下のことを見ていきましょう。

ファクタリングによるオフバランスとは?

それでは、それぞれについてご紹介します。

1-1.ファクタリングによるオフバランスとは?

ファクタリングによるオフバランス化とは、企業の資産と負債の状況を表した貸借対照表の項目を減らして軽くし、スリム化した状態です。

そもそもオフバランスというのは、オフ(消す・記載しない)+バランス(バランスシート=貸借対照表)のことを指します。

ファクタリングによるオフバランス化

ファクタリングで売掛金を売却し、資金調達をすると普通預金(現金)が増加します。

増えた普通預金(現金)から借入金の返済をすると貸借対照表がスリム化します。

オフバランス化すると企業価値の向上や金融機関からの融資が受けやすくなるなどのメリットがあります。

メリットについては後の「2.ファクタリングによるオフバランス化のメリット5個」で詳しく触れているので、メリットを先に知りたい方はご覧ください。

~貸借対照表とは~
企業の決算日における財政状態が記載されたものです。別名バランスシート。
「資産」の合計と「負債」「純資産(資本)」の合計がイコールになっています。
貸借対照表

1-2.ファクタリングによるオフバランス化ができる理由としくみ

ファクタリングによるオフバランス化が可能な理由はファクタリングが売掛金を売却し、資金を得るサービスだからです。

ファクタリングは売掛金を売却し、資金調達をするサービスです。

そのため、ファクタリングを受けると貸借対照表上の売掛金の項目が減り、現金や普通預金が増えます。

そして現金や普通預金を借入金の返済にあてると貸借対照表がきれいになり、スリム化する仕組みです。

ファクタリングによるオフバランス化

このように貸借対照表の増えた現金を借入金の返済にあてると負債が増えず、貸借対照表が軽くなります。

1-3.ファクタリングによるオフバランスの具体例

ファクタリングは売掛金を売却して現金を得られる資金調達方法ですが、オフバランス化はどのようになるのかもう少し詳しく知っていきましょう。 

例えば、以下の条件でファクタリングを利用することにします。

【条件】
手数料:加味しない
売掛金:600万円
資本金:500万円(うち利益が100万円)
ファクタリングによる資金調達額:200万円

以下の貸借対照表に沿って見てきましょう。

貸借対照表

まず資産と負債、資本金に振り分けていきます。

貸借対照表

左側に普通預金(現金)100万と売掛金600万が、右側に借入金200万円と資本金500万円(ここでは、分かりやすくするために純資産を資本金と表現しています。)が振り分けられました。

次にファクタリングで資金調達をすると以下の通りになります。

【ファクタリングをすると・・・】

貸借対照表

売掛金である200万円を売却したことにより資金調達ができました。

そのため、売掛金が200万円減り、資産の普通預金(現金)部分にファクタリング分200万円が追加されています。

そして、オフバランス化をすると以下の通りです。

【オフバランス化すると・・・】

貸借対照表

借入金200万円を先ほどファクタリングで増えた普通預金から返済すると、借入金が消えます。

ファクタリング前・ファクタリング後・オフバランス化をまとめると以下の通り。

貸借対照表

このように会計をスリム化することが可能です。

また、売掛金を資金に変えるため、資産を増やさずに資金調達ができます。

2.ファクタリングによるオフバランス化のメリット5個

ファクタリングによるオフバランス化のメリット5個

ファクタリングにおけるオフバランス化がどういったものなのか分かったところで、どんなメリットをもたらすのか気になりますよね。

ファクタリングによるオフバランス化で得られるメリットは以下の5個です。

ファクタリングによるオフバランス化で得られるメリット5個とは?

メリットを知ることで、より理解が深まり、ファクタリングを利用するか検討できます。

それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

2-1.ROA(総資産利益率)が高くなる

ファクタリングによるオフバランス化のメリットの1つ目として、「ROA(総資産利益率)が高くなる」といったことが挙げられます。

ROA(総資産利益率)とは、企業が保有する現金や不動産などの資産に対し、どれだけ利益を出しているか示す数値です。

数値が高いほど効率的に経営できていると見られます。

ROAの計算式は以下の通りです。

ROA(総資産利益率)=当期(純)利益÷(総資産×100)

例えば、総資産が300万円のA社と総資産が600万円のB社があるとし、どちらも利益100万円を生み出していたとしましょう。

A社のROAは「100万円(当期純利益)÷300万円(純資産)×100=33.3…% 」、B社のROAは「100万円(当期純利益)÷600万円(純資産)×100=16.6…%」となります。

この場合、数値の高いA社がより効率的に経営できていると見られるということです。

ROAの数値を高くするには、資産を減らすのが大切です。

1-3.ファクタリングによるオフバランス化の具体例」でもご紹介した通り、ファクタリングによってオフバランス化すると、資産が減らせます。

資金調達方法の1つである融資の場合は資産にあたる普通預金(現金)と負債である借入金の両方が増えるため、総資産額が増加し、ROAが悪化する場合もあります。

ファクタリング前後

一方、ファクタリングは総資産額が変わりません。

このようにファクタリングによるオフバランス化は、ROA(総資産利益率)を高められるメリットがあります。

2-2.融資や支援を受けやすくなる

ファクタリングによるオフバランス化のメリット2つ目として「融資や支援を受けやすくなる」ということが挙げられます。

なぜなら、オフバランス化により企業価値が高まるからです。

融資の際、貸借対照表や決算書類といった資金繰りが分かるものを提出しなければいけません。

ファクタリングによるオフバランス化によって貸借対照表がスリム化し、内容が改善されることで信用力や評価が上がり、金融機関の審査が通りやすくなったり、金利面での優遇を得られやすくなるでしょう。

また、M&Aやベンチャーキャピタルからの投資の支援を受けやすかったり、交渉を有利に進められることもあります。

このようにファクタリングによるオフバランス化は、企業価値を高め、融資や支援を受けやすくなるというメリットもあります。

2-3.経営状態をよく見せられる

ファクタリングによるオフバランス化のメリット3つ目として「経営状態をよく見せられる」ということが挙げられます。

なぜならファクタリングによるオフバランス化は売掛金を現金化することで資産額が小さくなり(現金比率が上がり)、借入による負債の増加を防ぎ、会計をよりすっきりと見せられるからです。

ファクタリングによるオフバランス化

経営状態をよく見せることで、先ほどメリットとして挙げた「融資や支援を受けやすくなる」といった他に新規の顧客獲得にも繋がる可能性があります。

このように、ファクタリングのオフバランス化をすると経営状態をよく見せられ、さまざまな恩恵を受けやすくなるのでおすすめです。

2-4.自己資本比率が高くなる

ファクタリングによるオフバランス化のメリット4つ目として「自己資本比率が高くなる」ということが挙げられます。

自己資本比率とは、自己資本(返す必要のない資本)が総資本のうちどれくらい占めているかの比率のことです。

自己資本比率により、財務健全性を判断できます。

自己資本比率の計算式は以下の通り。

自己資本比率= 自己資本÷総資本(他人資本+自己資本)× 100(%)

自己資本比率が50%以上あればよい経営ができており、少なくとも30%あると安心と言われています。

自己資本比率が高いほど自己資本で経営ができており、安定していると見られるため、自己資本比率を高めておくのが大切です。

反対に、自己資本比率が低いと融資などの他人資本に頼っている不安定な会社と見られやすい傾向にあります。

例えば、銀行からの融資や借入は他人資本にあたるため、融資や借入に頼りすぎている企業は自己資本比率が低くなります。

一方でファクタリングは売掛金を現金に変えるだけなので、総資本には影響がありません。

変えた現金で借入金を返済すると、会計がスリム化するだけでなく、資産や負債が減り、結果ROAの向上にも繋がります。

このようにファクタリングによるオフバランス化をすると自己資本比率が高くなるメリットがあります。

2-5.貸し倒れを防げる

ファクタリングによるオフバランス化のメリットの5つ目として「貸し倒れを防げる」ということが挙げられます。

貸し倒れとは貸したお金が返ってこない、または商品の売上代金が支払われないことを指す言葉です。

ファクタリングでは売掛金を売却して早期資金化できるシステムであり、オフバランス化することで決算書や信用情報に傷をつけることなく、債権譲渡の実行ができます。

例えば、サービスや商品を提供したとしましょう。

売掛金を売掛先企業から回収するまで数か月かかりますが、回収するまでに売掛先企業の業績が急に悪くなることもあります。

最悪の場合、売掛金を回収できず、貸し倒れにより自社が倒産してしまう可能性もあります。

このように売掛先企業の業績が気になる時などにリスクを避けたい場合は、ファクタリングを利用しオフバランス化すると自衛に繋がるでしょう。

3.ファクタリングによるオフバランス化のデメリットは「手数料がかかる」ということ

ファクタリングによるオフバランス化のデメリットは「手数料がかかる」ということ

ファクタリングによるオフバランス化のデメリットは「手数料がかかる」ということが挙げられます。

ファクタリングでは、会社や取引の種類によって手数料が変わりますが、2%~18%の手数料がかかることが多いです。

融資や借入の相場は1%~18%の金利がかかると言われていますが、ファクタリングの手数料の方が高いことがほとんどです。

例えば、ファクタリングが10%の手数料であった場合、300万円調達すると30万円の手数料に対し、融資や借入の金利が5%の場合、300万円借りると15万円かかります。

金利・手数料

手数料(調達コスト)が高いほど利益は圧迫されるため、使い方によっては経営状態が悪化する場合もあります。

手数料がかかることを考慮したうえで使うタイミングを慎重に見極めて利用することが大切です。

4.ファクタリングによるオフバランス化をする際の注意点2個

ファクタリングによるオフバランス化をする際の注意点2個

メリットやデメリットを知った上で、実際にファクタリングでオフバランス化を行う場合、失敗したくないですよね。

そこで、以下の気をつけるべきことをご紹介します。

オフバランス化をする際の注意点2個

それぞれについて見ていきましょう。

4-1.手数料によってROAや自己資本比率が下がる可能性がある

ファクタリングによるオフバランス化をする際の注意点として「手数料によってROAや自己資本比率が下がる可能性がある」ということです。

ファクタリングによるオフバランス化には、ROAや自己資本比率を向上させ、財務指標を改善する効果があります。

しかし、高い手数料の場合、ROAや自己資本比率が下がる場合があるので、注意が必要になります。

なぜなら、手数料はコストであるため、高ければ高いほど利益を圧迫するからです。

一部企業の手数料を抜粋し、まとめました。

ファクタリング会社手数料
ビートレーディング2%〜12%
OLTA(オルタ) 2%〜9%
QuQuMo(ククモ)1%〜14.8%
トップ・マネジメント3.5%〜12.5%

※2022年4月時点

デメリットの部分でも触れましたが、手数料を踏まえたうえでファクタリングを利用し、オフバランス化を行いましょう。

4-2.手数料を比較し、複数社の見積もりを取ってから利用する

ファクタリングによるオフバランス化をする際、「手数料を比較し、複数社の見積もりを取ってから利用する」ようにしましょう。

なぜならファクタリング会社と一概に言っても企業数が多く、それぞれの企業によって手数料が異なるからです。

オフバランス化する場合は特に手数料が気になるところです。

手数料が高すぎるとそのぶん利益が減るため、経営状態が悪化し、オフバランス化をしても企業価値を高めることができません。

しかし、手数料を比較すると相場が分かり、高すぎる手数料を取るような悪徳業者を選ぶリスクを避けられます。

このようにファクタリングによるオフバランス化をする際は、手数料を比較したうえで複数社見積もりを取ってから利用するファクタリング会社を比較・検討してください。

5.まとめ

今回は、ファクタリングによるオフバランス化についてご紹介しました。

ファクタリングによるオフバランス化は、企業の資産と負債の状況を表した貸借対照表の項目を減らして軽くし、スリム化した状態のことです。

ファクタリングのオフバランス化は以下のメリットやデメリット、注意点があります。

オフバランス化で得られるメリットメリット

注意点は以下の通りです。

オフバランス化をする際の注意点2個

このようにメリットはたくさんありますが、デメリットや注意点を知り、理解を深めたうえで行わないと企業価値を下げてしまう場合があります。

本記事がファクタリングのオフバランス化の理解が深まり、よりよい検討ができるようになると幸いです。