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ファクタリングと手形割引の違いとそれぞれおすすめな人を徹底解説

ファクタリングと手形割引の違いとそれぞれおすすめな人を徹底解説

ファクタリングの基礎知識


「ファクタリングと手形割引の違いって何だろう」
「資金調達方法としてファクタリングと手形割引どっちがいいのかな?」


そうお考えではありませんか?

結論から述べると、ファクタリングと手形割引の大きな違いは、現金化する対象に違いがあります。

ファクタリングは売掛金を、手形割引は手形を現金化します。

他にも償還請求権の有無や、手数料、現金化できるスピードなど、いろいろな違いがあります。

さらに、ファクタリングには2者間ファクタリングと3者間ファクタリングという2種類の契約方法があり、それぞれ特長が違ったり、手形割引は換金先が銀行か専門業者かによって内容が変わってきます。

したがって、それぞれの性質をしっかり理解した上で、資金調達する方法を判断する必要があります。

この記事では、

◉ファクタリングと手形割引の違い
◉ファクタリングのメリット・デメリット
◉手形割引のメリット・デメリット
◉ファクタリングがおすすめな人
◉手形割引がおすすめな人

について解説しています。

この記事を最後までお読みいただくと、ファクタリングと手形割引の違いについて理解でき、資金調達方法としてどちらが自分に適しているか判断することができます。

ファクタリングや手形割引について知りたい方はぜひ参考にしてみてくださいね。

1.ファクタリングと手形の重要な7つの違い

  ファクタリング 手形割引
2者間ファクタリング 3者間ファクタリング 銀行 手形割引業者
賃金業法の適用 対象にならない 対象になる
償還請求権 ないものが多い 原則あり
手数料・金利 手数料8%~18 手数料2%~9 年利1%~5 年利5%~20
審査で重視されるポイント 売掛先の信用 利用者の信用 売掛先の信用
現金化できるスピード 最短即日~ 1週間程度~ 1週間程度~ 最短即日~
取引先に知られるか 知られない 知られる 知られない

 
ファクタリングと手形割引はどちらも早くに現金化をする資金調達方法です。

1-1.大きな違いは現金化する対象の違い


ファクタリングと手形(受取手形)の大きな違いは、現金化する対象の違いです。

どちらも売掛債権ですが、ファクタリングは売掛金を、手形割引は受取手形を現金化するという違いがあります。

▼売掛債権とは
品物を販売したり、サービスを提供した会社が、その対価として取引先から将来的に代金を受け取る権利のことをいいます。
売掛金と受取手形の2種類があります。

1-2.賃金業法の適用


賃金業法が適用されるか、されないかという違いもあります。

・手形割引…賃金業法が適用される  ※銀行の場合は銀行法
・ファクタリング…賃金業法が適用されない

賃金業法とは、金銭の貸付けを行う業者が守るべき規則を定めた法律です。

主に利用者を守るための取り決めで、法律により不適切な業者を取り締まり、安全に利用できる取り決めとなります。

賃金業法があることで、手数料の上限があるかないかという差が出てきます。

手形割引は賃金業法が適用されるので、金利の上限が20%と定められていますが、ファクタリングは賃金業法が適用されないので、手数料の上限がないのです。

ファクタリングに貸金業法が適用されない理由について、詳しくはこちらで解説していますので、併せてご参照下さい。

1-3.償還請求権の有無


次に、償還請求権があるかないかという違いがあります。

・ファクタリング…償還請求権がない(ノンリコース)契約が多い
・手形割引…償還請求権がある(リコース)契約が多い

償還請求権とは

償還請求権とは、売掛先(取引先)が倒産してしまい売掛金を回収できなかった場合に、利用者に売掛金の支払いを請求できる権利のことを言います。

「ファクタリング」は償還請求権なしの契約も可能です。

償還請求権が無い契約の場合、もし売掛先が倒産してしまっても利用者はファクタリング会社から売掛金相当額の支払いを請求されません。

しかし、償還請求権がある「手形割引」は、もし売掛先が倒産してしまった場合、利用者に売掛金相当額の支払いを請求されるということです。

つまり、償還請求権のある手形割引は貸し倒れ*のリスクがあり、償還請求権のないファクタリングは貸し倒れのリスクがないということになります。

*貸し倒れとは、売掛金や貸付金などの債権が売掛先の倒産などの理由で回収できず、損失になること。

債権者(利用者)からすると、取引先の倒産リスクを考えた場合は、償還請求権がないファクタリングを利用する方が安心と言えるでしょう。

1-4.手数料・金利


ファクタリングではファクタリング会社に対して支払う手数料が発生します。

手数料はファクタリング会社によって異なります。

また、2者間ファクタリングか3者間ファクタリングかといった契約方法によっても異なります。

一方、手形割引は貸金業法が適用されるため、金利が発生します。

金利は手形割引をどこで行うか(銀行か賃金業者か)によって異なります。



それぞれ手数料・金利はこのようになっています。

手形割引      銀行  …年利1%~5%程度
          賃金業者…年利5%~20%程度
ファクタリング   2者間  …手数料8%~18%程度
          3者間  …手数料2%~9%程度

手形割引の金利に比べてファクタリングの手数料の方が高い傾向にありますが、3者間ファクタリングにすると手数料を低く抑えることもできます。

また、手形割引は賃金業法によって、金利の上限が年利20%と決められているので、それ以上高額になる心配がありません。

一方でファクタリングは手数料の上限が決められていないので、中には高額な手数料を設定しているファクタリング会社もあります。

1-5.審査で重視されるポイント


次に審査で重視されるポイントの違いがあります。

ファクタリング     …売掛先の信用度
手形割引      銀行…利用者の信用度
        専門業者…手形振出人の信用度


ファクタリングは、利用者ではなく売掛先の信用力を見るので、赤字が続いている企業や創業間もない企業、個人事業主など融資が通らない場合でも、利用しやすいです。

一方で手形割引は、銀行で換金する場合、利用者の信用力が重視されます。

これまでの取引状況や財務状況の調査を慎重に行い判断されるので、審査が厳しく通りにくい傾向があります。

手形割引の専門業者で換金する場合、手形振出人の信用力を重視されるので、銀行よりも審査が通りやすい傾向があります。

1-6.現金化できるスピード


次に現金化できるスピードの違いです。

現金化できるスピードは、手形割引の中でも銀行か賃金業者か、ファクタリングの中で2者間か3者間かによっても変わってきます。

それぞれスピードはこのようになっています。

ファクタリング   2者間ファクタリング…最短即日~
          3者間ファクタリング…最短2日~
手形割引            銀行 …1週間程度~
          手形割引専門業者 …最短即日~

基本的にファクタリングの方が、手形割引よりも現金化できるスピードは早いと言われています。

しかし、それは換金先が銀行の場合なので、換金先が手形割引業者の場合はファクタリングと同じくらいの早さで現金化することができます。

手形割引で銀行に依頼する場合は、他の方法に比べて時間がかかるので、急を要する方には向いていないでしょう。

1-7.取引先(売掛先)に知られるか


次に取引先(売掛先)に知られるかどうかの違いです。

取引先に資金調達をしていることが知られてしまうと、

「そんなに資金に困っているのか」

とマイナスイメージを持たれてしまう可能性もあります。

したがって、取引先に知られても大丈夫かどうかも重視しましょう。

ファクタリング  2者間…知られないことが多い
         3者間…知られる 
手形割引         知られない

手形割引は、取引先に手形割引を利用していることを知られずに済みます。

一方のファクタリングは、2者間か3者間かによって変わってきます。

2者間ファクタリングの場合は、利用者(お客様)とファクタリング会社の契約なので、売掛先にファクタリングを利用していることは知られません。

しかし、3者間ファクタリングは、利用者(お客様)と売掛先とファクタリング会社の3者で契約を行うため、必然的にファクタリングを利用していることが、売掛先に知られてしまいます。

したがって、売掛先に資金調達をしていることを知られたくない場合は、手形割引か2者間ファクタリングを利用するようにしましょう。

貸金業とファクタリングの違いを知りたい方はこちら

2.ファクタリングのメリット・デメリット

次にファクタリングと手形割引を比べた場合の、ファクタリングのメリット・デメリットを解説していきます。

2-1.メリット

まずは、手形割引と比べた場合の、ファクタリングのメリットを解説していきます。

手形割引と比べた場合のファクタリングのメリットは、次の2つです。

それぞれ解説していきます。

2-1-1.貸し倒れのリスクを回避できる


まずは貸し倒れのリスクを回避できるという点です。

これが手形割引と比べた場合の、ファクタリングの一番のメリットと言えます。

貸し倒れとは、貸したお金が返ってこないこと、売掛金などの債権が倒産などで回収できなくなり損失になることをいいます。

この貸し倒れリスクを回避できるかどうかは償還請求権があるかないかの違いになります。

1章でもお話ししましたが、償還請求権とは、売掛先が倒産してしまい売掛金を回収できなかった場合に、利用者に売掛金相当額の支払いを請求できる権利のことを言います。

・ファクタリング…償還請求権がない(ノンリコース)契約が多い
・手形割引…償還請求権がある(リコース)契約が多い

ファクタリングは償還請求権がない契約も可能なので、もし売掛先の倒産などでファクタリング会社が売掛先から債権の回収ができなくなった場合でも、あなた(債権者)に支払いの請求が来ることはありません。

しかし、手形割引は償還請求権があることがほとんどなので、債権の回収ができなくなった場合は、債権者のあなたが債権相当額を支払う義務があるのです。

売掛先が倒産してしまい、債権の回収ができなくなるという「貸し倒れ」のリスクを防げるのは、償還請求権のないファクタリングのメリットです。

売掛先が倒産するか心配、貸し倒れのリスクを回避したいという方はファクタリングがおすすめです。

ただし、貸し倒れることが分かっている売掛金や既に支払いが遅れているような売掛金を使ってファクタリングはできませんので注意しましょう。

償還請求権のあるファクタリング会社もあるので注意しよう!

  ファクタリング会社は償還請求権のない会社が多いですが、中には償還請求権のある会社もあります。

  ファクタリングを利用する際は、必ず償還請求権の有無を確認しましょう。

2-1-2.信用情報に悪影響がない


次に信用情報に悪影響がないというメリットがあります。

信用情報とは、金融機関への借り入れ状況やローンやクレジットの申し込みや取引事実を登録している個人情報のことです。

過去に支払いの遅れがあったりして信用情報が悪い場合、それから5~10年ほど融資が受けられないといったデメリットがあるのです。

また、過去に借りた履歴があると融資を受けたい時に審査にマイナスの影響を与えることもあります。



信用情報機関に加盟しているのはクレジットカード会社や消費者金融機関、銀行を中心としたさまざまな機関です。

信用情報機関に加盟している金融機関から融資を受けた場合は、信用情報が記録されます。

しかし、ファクタリング会社は信用情報機関に加盟していないので、信用情報に記録されないのです。


したがって、ファクタリングを利用したこと(資金調達したこと)を銀行など他の金融機関に知られないので、将来融資を受けたいという場合に、審査に悪影響がでないというメリットがあります。

2-2.デメリット


次に手形割引と比べた場合の、ファクタリングのデメリットを解説していきます。

手形割引と比べたファクタリングのデメリットは以下の3つです。

ファクタリングのデメリット

1つずつ解説していきます。

2-2-1.手数料が高い


まずは、手数料が高いというデメリットがあります。

ファクタリングは手形割引に比べて手数料が高い傾向があります。

こちらがファクタリングと手形割引それぞれの手数料になります。

ファクタリング     2者間…手数料8%~18%
            3者間…手数料2%~9%
手形割引         銀行…年利1%~5%
        手形割引専門業者…年利5%~20%

一番低い手数料が、3者間ファクタリングの手数料は2%~9%、手形割引を銀行で行うと金利は1%~5%なので、ぱっと見はさほど変わらないように思います。

しかし、手形割引は年利なので、手形の支払期日までの日数により変動するため、1回の取引に対しての手数料であるファクタリングとは費用が大きく異なってくるのです。

例えば、支払期日が1か月後の手形500万円を割り引いた場合と支払期日が1か月後の売掛債権500万円をファクタリングした場合で考えてみます。

(手数料・年利10%計算)

ファクタリングの手数料

500万円 × 10% = 50万円

500万円をファクタリングで資金調達した場合、手数料は50万円となります。

手形割引の手数料

手形割引の手数料の計算方法は以下になります。

手形割引の手数料(割引料)の計算方法
手形額面金額 × 手数料() × 支払期日までの日数 ÷ 365日 = 割引手数料

こちらに当てはめて計算していきますね。

500万円 × 10% × 31日 ÷ 365日  = 42,465

500万円の手形を手形割引で資金調達した場合、手数料(割引料)は約4万円となります。

(支払期日が31日後の場合)


このように、手数料の割合が同じであっても、計算してみると大きな差があることが分かります。



ただし、これは同じ1か月で計算した場合の手数料です。

手形割引は手形の支払期日までの日数により手数料が変わるので支払期日が60日後や90日後のように長くなれば長くなるほど手数料も高くなるのです。

支払期日が90日後の手形500万円を手形割引した場合の手数料をみてみましょう。

500万円 × 10% × 90日 ÷ 365日 = 123,287

500万円の手形を手形割引で資金調達した場合、手数料(割引料)は約12万円となります。

(支払期日が90日後の場合)

計算した手数料をまとめると以下のようになります。

▼計算した手数料のまとめ (500万円を手数料10%で資金調達する場合)

・ファクタリングの場合     …50万円 (手数料は期間に関係なく一定)
・手形割引  支払期日が1か月後…約4万円(42,465円)
        支払期日が90日後…約12万円(123,287円)

ファクタリングの手数料は期間に関係なく一定ですが、手形割引の手数料は返済する期間により大きく変わることが分かります。

2-2-2.売掛先にファクタリングのことを知られてしまう


次に、売掛先にファクタリングのことを知られてしまう・知られるリスクがあるというデメリットがあります。

ファクタリングのうち、3者間ファクタリングの場合は売掛先も含めた契約になるので、必然的に売掛先にファクタリングをしていることが知られてしまいます。

2者間ファクタリングは、債権者とファクタリング会社の契約になるため、基本的に売掛先にファクタリングのことを知られることはありません。

しかし債権譲渡登記をすると、誰でもその情報を見ることができるため、売掛先にファクタリングしていることを知られる可能性もあります。

売掛先にファクタリングしていることが知られてしまうと、

「そんなに資金に困っていたんだ」

とマイナスなイメージを与えてしまう可能性もあるので、知られたくない方も多いでしょう。

したがって、ファクタリングは売掛先にファクタリングのことを知られてしまう・知られる可能性があるというデメリットがあります。

売掛先に資金調達の状況を知られたくない場合は、2者間ファクタリングで債権譲渡登記不要にしている会社に依頼するか、手形割引など他の方法を考えましょう。

2-2-3.売掛先の業績によって審査に通らないことがある


最後に、売掛先の業績によって審査に通らないことがあるということです。

ファクタリングは債権者(利用者)の信用力ではなく、売掛金があるか・売掛先の信用力はどうか(売掛金が支払われるか)という部分が審査の対象となります。

ファクタリングは償還請求権がないことが多いため、もし売掛先の倒産などで債権が回収できなくなってしまったら、ファクタリング会社の損失になってしまいます。

そのため、売掛先の信用力をしっかり審査するのです。

したがって、売掛先の赤字経営が続いているといった場合には、審査が通らない可能性もあるのです。

反対に、債権者(利用者)の信用力で審査されないため、個人事業主や駆け出しの企業なども審査に通りやすいという大きなメリットでもあります。

3.手形割引のメリット・デメリット


次にファクタリングと手形割引を比べた場合の、手形割引のメリット・デメリットについて解説していきます。

3-1.手形割引のメリット


まずは、ファクタリングと比べた場合の手形割引のメリットをお話ししていきます。

ファクタリングと比べた手形割引のメリットは次の2つです。

手形割引のメリット

1つずつ解説していきますね。

3-1-1.手数料が低い


まずは手数料が低いというメリットがあります。

これは2章のファクタリングのデメリットでもお話ししましたが、手形割引はファクタリングに比べて手数料を低く抑えることができます。

2章で計算した手数料について、もう一度見てみましょう。

▼500万円の売掛金を手数料10%で資金調達する場合

・ファクタリングの場合     …50万円 (手数料は期間に関係なく一定)
・手形割引  支払期日が1か月後…約4万円(42,465円)
        支払期日が90日後 …約12万円(123,287円)

このように、500万円の債権があった場合、ファクタリングと手形割引で手数料が同じでも、こんなに手数料が変わってきます。

これは、ファクタリングの手数料は金額に対して一定ですが、手形割引の手数料(割引料)は手形の支払期日によって変動するからなのです。

手数料をできるだけ低く抑えることができると、その分現金化できる金額が多くなり資金として使える金額が大きくなりますよね。

3-1-2.売掛先に知られない


次に売掛先に知られないというメリットがあります。

こちらも2章のファクタリングのデメリットでお話ししましたが、ファクタリングは売掛先に知られてしまったり、知られるリスクがありますが、手形割引は売掛先に知られません。

手形割引は昔から資金調達方法として広く認知されていますが、ファクタリングは近年普及してきた資金調達方法ですので、ファクタリングによる資金調達に馴染みがない会社も多いようです。

そのため、ファクタリングの利用を売掛先に知られると、

「そんなに資金に困っているのか。大丈夫かな?」

とマイナスなイメージを持たれてしまう可能性があります。



しかし、手形割引は売掛先に知られることがないので、

「売掛先に自社の資金調達事情を知られてしまうかも」

という不安を抱かずに利用することができるのです。

3-2.手形割引のデメリット


次にファクタリングと比べた場合の、手形割引のデメリットを解説していきます。

ファクタリングと比べた手形割引のデメリットは以下の2つです。

それぞれ解説していきますね。

3-2-1.貸し倒れのリスクがある


まずは、貸し倒れのリスクがあるということです。

手形割引は償還請求権があるので、手形振出人(手形を発行した人)が倒産などで支払いができなくなった場合、手形の支払い義務が依頼者にかかってきます。

そうなってしまうと、依頼人は約束手形の金額を支払わなければなりません。

このように、債権を回収できなくなる貸し倒れのリスクがあるのが手形割引のデメリットです。

3-2-2.信用情報に影響がある


次に、信用情報に影響があるというのも手形割引のデメリットです。

先ほども述べましたが、信用情報とは、金融機関への借り入れ状況やローンやクレジットの申し込みや取引事実を登録している個人情報のことです。

信用情報に傷がついてしまうと、将来ローンを組みたかったり、クレジットカードを作りたかったりする際に、審査が通りにくくなってしまいます。

手形割引は融資の一種なので、手形割引を利用したということが信用情報として記録されます。

そうなると、将来融資を受けたいという場合に、審査に悪影響がある可能性もあるのが手形割引のデメリットと言えます。

4.ファクタリングがおすすめな人


これらをふまえて、手形割引と比べてファクタリングの方がおすすめな人を解説していきます。

ファンディングがおすすめな人

それぞれ解説していきます。

4-1.融資審査が通らない人【赤字決算の企業・創業間もない企業・個人事業主】


融資の審査が通らない人は、ファクタリングがおすすめです。

特に赤字決算だった企業や、創業間もない企業、個人事業主などは、融資の審査が通りにくいです。

そういった融資の審査が通らなかった方でも、ファクタリングの審査は通る場合もあります。

ファクタリングは、売掛先の信用力を重視するため、融資の審査に落ちてしまったという方にもおすすめです。

4-2.貸し倒れのリスクを避けたい人


次に貸し倒れのリスクを避けたい人にも、ファクタリングはおすすめです。

ここが利用者にとっては一番大きなポイントと言えます。

1章でお話ししたように、ファクタリングには償還請求権がない(ノンリコース型)ものが多く、手形割引には償還請求権がある場合がほとんどです。

償還請求権がないことで、万が一売掛先の企業が倒産などで売掛金の支払いができなくなった場合は、ファクタリング会社が負担することになるのです。

売掛先の倒産など、貸し倒れのリスクを回避したい方は、ファクタリングがおすすめです。

ただし、貸し倒れることが分かっている売掛金や既に支払いが遅れているような売掛金を使ってファクタリングはできませんので注意しましょう。

5.手形割引がおすすめな人


次に、ファクタリングより手形割引がおすすめな人について解説していきます。

手形割引がおすすめな人は、このような方です。

手形割引がおすすめな人

それぞれ解説していきます。

5-1.手数料を抑えたい人


手数料を抑えたい人は、ファクタリングより手形割引がおすすめです。

2章のファクタリングと手形割引の違いでもお話ししましたが、手形割引の手数料は日割り計算なので、ファクタリングより手数料が低い傾向があります。

例えば、支払期日が1か月後の手形500万円を割り引いた場合と、支払期日が1か月後の売掛債権500万円をファクタリングした場合の手数料を計算してみます。(手数料・年利10%計算)

・ファクタリングの手数料…50万円

・手形割引の手数料…約4万円(42,465円)

このように、ファクタリングと手形割引では、同じ10%でも大きな差が生まれるのです。

したがって、手数料をできるだけ低く抑えたいという方は、ファクタリングより手形割引がおすすめです。

5-2.取引先に知られたくない人


取引先(売掛先)に知られたくない人も、ファクタリングより手形割引がおすすめです。

手形割引は、自分の持っている約束手形を金融機関に譲渡するので、手形振出人(取引先)に知られることはありません。

一方で、ファクタリングの場合、3者間ファクタリングは利用者とファクタリング会社と売掛先の3者で契約する方法のため売掛先に知られてしまいますし、2者間ファクタリングは債権譲渡登記をすれば知られてしまう可能性もあります。

また、2者間ファクタリングで債権譲渡登記をしなくても良いという会社もありますが、その場合、手数料が高くなる可能性が高いです。

取引先に絶対に知られたくないという方は、基本的に手形割引の方がおすすめですが、総合的に見てファクタリングの方が良いという方は、2者間ファクタリングで債権譲渡登記をしなくても良いという会社を探してみましょう。

6.まとめ


いかがでしたか?

ファクタリングと手形割引の違いについて理解でき、どちらにするか判断できるようになったのではないでしょうか?

ファクタリングと手形の違いは、

・そもそも現金化する対象が違う
・貸し倒れのリスク回避ができるかどうか
・審査の通りやすさ
・現金化できるスピード
・取引先に知られるかどうか

などがあります。


まずは、手形を持っているのか売掛金を持っているのか?という所を確認し、あなたがどこを重視したいかを考えて、ファクタリングと手形割引のどちらにするか判断しましょう。


この記事を元に、あなたのご希望の方法で現金化できることを願っています。