ファクタリングは、企業が売掛金(売掛債権)を売却して資金調達する方法です。
「医療ファクタリング」とはファクタリングの一種で、医療機関経営の資金不足対策や、キャッシュフロー改善に用いられています。
医療報酬(診療報酬・介護報酬・調剤報酬)で資金調達を行うことから、企業のファクタリングとは少し仕組みが異なります。
この記事では、医療ファクタリングの基礎知識や資金調達の流れ、利用する際のメリットや注意点などを解説します。
医療ファクタリングにおすすめのファクタリング会社もご紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
1.医療ファクタリングとは?医療ファクタリングの仕組みと流れ

医療機関経営の資金ニーズに合わせて、ファクタリングを活用しましょう。
初めに、医療ファクタリングの仕組みや利用の流れなどの基礎知識を解説します。
ファクタリングの仕組みや特徴、注意点については「ファクタリング」の基礎知識のコラムをご覧ください。
1-1. 医療ファクタリングとは?
医療ファクタリングとは、医療機関の社会保険診療報酬支払基金(社保)や国民健康保険団体連合会(国保連)への診療報酬(レセプト報酬)債権等をファクタリング会社に買い取ってもらい、早期に現金化(資金化)する資金調達方法です。
医療報酬(診療報酬・介護報酬・調剤報酬)などの債権が対象となります。
医療ファクタリングは通常のファクタリングサービスとは異なり、病院やクリニック、調剤薬局などの医療機関のみが利用できます。
また、医療ファクタリングは、契約者(医療機関)・ファクタリング会社・社保または国保連の3者間で契約を交わします。
1-2. 医療ファクタリングの仕組み
医療機関などでは、保険適用となる診療やサービスの提供を行った場合、公費負担分の診療報酬等を国民健康保険団体連合会や社会保険診療報酬支払基金に対して請求します。
そのため、診療などのサービス提供から診療報酬等を実際に受け取るまでにタイムラグが発生します。
本来、支払機関である国保連・社保から請求金額を受け取るまでには、原則として2か月~3か月程度かかります。
医療機関で診療が行われた後は、診療月の翌月10日までに国保連・社保へ診療報酬明細書(レセプト)を提出することで、診療月の翌々月20日以降のタイミングで入金されます。
このように診療報酬等を受け取るまでの期間が長いことから、出費がかさむと手元資金が減り、月々の資金繰りが苦しくなるケースも少なくありません。
医療ファクタリングは、実際の診療から診療報酬等を受け取る前に現金化(資金化)する手段として利用することが可能です。経営に必要な資金を調達し、資金繰りを改善するのに役立てられます。
医療ファクタリングは一般的に利用者となる医療機関などとファクタリング会社、国保連・社保の3者が関わるため、仕組みとしては3者間ファクタリングに近いと言えるでしょう。

3者間ファクタリングについて詳しくは、「3者間ファクタリングとは?メリット・デメリットやおすすめの相談先、利用手順を解説」の記事をご覧ください。
1-3. 医療ファクタリングを利用する際の流れ
医療ファクタリングを利用する際には、しっかりと利用の流れを把握しておきましょう。
ここでは、医療ファクタリングを利用した場合の大まかな流れを解説します。
STEP1.医療機関がファクタリングを申し込む
初めに、医療機関(利用者)がファクタリング会社へ申し込みを行います。
このとき、ファクタリングの対象となるのは、医療報酬(診療報酬・介護報酬・調剤報酬)の公費負担分です。
申し込みの際は、ファクタリング会社へ提出する必要書類を準備しておきましょう。
【医療ファクタリングの必要書類の例】
・保険医療機関指定通知書(=医療機関としての実態が確認できる書類)
・経営者の本人確認書類
・決算書(=経営の状態が確認できる書類)
・診療報酬等決定通知書など
STEP 2.診療報酬債権等をファクタリング会社に譲渡する
ファクタリング会社で審査が実施されます。
審査に通過した場合は、ファクタリング会社と診療報酬債権等の譲渡契約を締結し、債権を譲渡します。
なお、医療ファクタリングは売掛先である国保連・社保の信頼性が高いため、審査に通過し資金調達できる可能性が高いとされています。
STEP 3.国保連・社保へ診療報酬債権等の譲渡を通知する
医療機関とファクタリング会社の連名で、国保連・社保へ診療報酬債権等の譲渡を通知(国保連・社保へ「債権譲渡通知書」を送付)します。
STEP 4.ファクタリング会社から医療機関へ入金される
ファクタリング会社から医療機関へ、診療報酬債権等の金額からファクタリング手数料を差し引いた金額が入金されます。
STEP 5.国保連・社保からファクタリング会社へ診療報酬が入金される
国保連・社保からファクタリング会社へ、診療報酬等が入金されます。
こちらで医療ファクタリングが完了となります。
医療ファクタリングを利用する際の具体的なステップについて詳しくは、「診療報酬ファクタリングとは?仕組みを図解で徹底解説」の記事をご覧ください。
2.医療ファクタリングの3つの種類

医療ファクタリングは、以下の3つの種類に分けられます。
・診療報酬ファクタリング
・介護報酬ファクタリング
・調剤報酬ファクタリング
このように、診療報酬だけではなく介護報酬や調剤報酬も対象となります。それぞれの医療ファクタリングの特徴についてみていきましょう。
2-1. 診療報酬ファクタリング
診療報酬ファクタリングとは、病院や診療所、歯科クリニックなどの診療サービスを提供する医療機関を対象としたファクタリングサービスです。
前述したとおり、国保連や社保に対して自院が持っている診療報酬債権を譲渡して、資金調達する方法です。
診療報酬ファクタリングを利用することで早期に現金化(資金化)できるため、設備を刷新したい、高額な機器を導入したい、人件費の支払いに充てたいなど、できるだけ早く資金が必要な場合に活用できます。
医療ファクタリングを利用する際の具体的なステップについて詳しくは、「診療報酬ファクタリングとは?仕組みを図解で徹底解説」の記事をご覧ください。
2-2. 介護報酬ファクタリング
介護報酬ファクタリングとは、介護施設や福祉施設などの介護サービスを提供する介護事業者を対象としたファクタリングサービスです。
診療報酬ファクタリングと同様に、介護事業者・ファクタリング会社・国保連または社保の3者間でファクタリング契約をして、早期に現金化(資金化)する資金調達方法になります。
介護報酬の申請から受け取りまで待つ必要がないため、新しく設備投資をしたい場合や経費を支払うために急ぎで資金を調達する必要がある場合にも便利です。
介護報酬ファクタリングについて詳しくは「介護報酬ファクタリングとは!メリットとおすすめな会社を比較」の記事をご覧ください。
2-3. 調剤報酬ファクタリング
調剤報酬ファクタリングとは、調剤薬局が持っている調剤報酬債権を対象としたファクタリングサービスです。調剤報酬も診療報酬同様に、申請から受け取りまで2か月~3か月程度の期間がかかります。
そこで、調剤報酬をファクタリング会社に譲渡して、早期に現金化(資金化)する方法として調剤報酬ファクタリングが使われています。
調剤報酬ファクタリングを利用すれば早期の現金化を実現できるため、新しい機器の導入や医薬品の共同購入など、さまざまな用途で利用が可能です。
3. 資金調達に医療ファクタリングを活用するメリット

医療ファクタリングを活用することで得られるメリットは以下の7つです。
1.早期に現金化できる
2.開業時でも利用できる
3.負債を増やさず資金調達できる
4.売掛先へ通知しても影響がない
5.資金繰りを改善できる
6.資金の使用用途が自由
7.手数料を比較的安く抑えられる
以下では、それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。
3-1. 早期に現金化できる
医療ファクタリングを活用することで、早期に現金化(資金化)できる点は大きなメリットです。
保険適用となる診療などを行った際の診療報酬は、通常申請から受け取りまで2か月~3か月かかります。
しかし、医療ファクタリングを利用すれば支払日よりも前に資金調達できます。
また、銀行融資などと比較すると審査機関が短いこともポイントです。
複雑な手続きもなく簡単に契約できるため、できるだけ早く資金調達をしたいなどの事情がある場合にも利用しやすいでしょう。
3-2. 開業時でも利用できる
医療ファクタリングは開業したばかりでも利用できます。
ファクタリングは銀行融資などとは異なり、審査の際に売掛先の信用力が重視されます。
医療ファクタリングの場合には、売掛先は国保連・社保のため一般企業よりも信用力が高く、審査に通りやすいため、開業時でも利用しやすい資金調達法です。
開業したばかりで融資が受けにくいといった場合でも利用できるので、開業直後の資金繰りに不安があるときに検討しましょう。
3-3. 負債を増やさない
ファクタリングは融資ではないため、調達した資金は借入金には当たりません。
そのため、負債が増える心配をせずに資金調達できるというメリットがあります。
負債を増やすことなく資金を調達できるため、決算書に与える影響が少なくて済むでしょう。
金融機関から融資を受ける際には、財務状況も重視されます。
しかし、医療ファクタリングなら財務状況を悪化させる心配も少ないため、将来的に融資を検討しているという場合にも利用しやすいでしょう。
ファクタリングと融資の違いについて詳しくは「ファクタリングと融資の違いを解説!比較してわかるメリット・デメリット」の記事をご覧ください。
3-4. 売掛先へ通知しても影響がない
医療ファクタリングは通常、3者間ファクタリングになるため売掛先へファクタリング利用を通知する必要があります。
通常のファクタリングの場合、売掛先は民間企業です。
そのため、ファクタリングの利用を通知することで信用力が低下するなどのリスクがありました。
しかし、医療ファクタリングでは売掛先が社保や国保連といった国の機関なので、ファクタリング利用を通知しても信用力低下などの心配をする必要がありません。
3-5. 資金繰りを改善できる
患者の減少による減収や人件費の増加などによって、一時的に資金繰りが悪化するケースもあるでしょう。
医療機関では、サービスの提供から診療報酬などの受け取りまでタイムラグがあるため、資金繰りが難しくなる場合もあります。
しかし、医療ファクタリングを活用することによって支払日まで待つ必要がなく、早期に現金化(資金化)できます。
必要な時に資金調達ができるため、資金繰りの改善につながる可能性が高いでしょう。
3-6. 資金の使用用途が自由
銀行から融資を受ける場合には、審査の際に資金使途を確認されます。
基本的に、利益につながるような資金使途でなければ融資の審査に通らない可能性があるため、運転資金の調達にはあまり向いていません。
一方、ファクタリングは融資ではないため、資金の使用用途は自由です。
例えば、家賃や人件費の支払いなどにも問題なく使えます。
そのため、銀行融資を断られた場合の資金調達法として利用しやすいでしょう。
3-7.手数料を比較的安く抑えられる
医療ファクタリングは3者間ファクタリングに近い方法であるため、ファクタリング会社に支払う手数料は比較的安く、コストを抑えて利用できます。
ファクタリングには、利用者とファクタリング会社で行われる「2者間ファクタリング」と、利用者・ファクタリング会社・売掛先で行われる「3者間ファクタリング」の種類があります。
両者を比較すると、3者間ファクタリングはより売掛金(売掛債権)の未回収リスクが低いことから、手数料が安く設定されているケースが多いです。
【通常のファクタリング手数料の相場】
2者間ファクタリング | 8%~18%程度 |
3者間ファクタリング | 2%~9%程度 |
4. 医療ファクタリングの利用に向いているケース

医療ファクタリングの利用に向いているケースとは、どのような場合なのでしょうか。
ここでは、医療ファクタリングの利用が向いているケースを3つ紹介します。
医療ファクタリング利用を検討している場合は、参考にしてください。
4-1.資金繰りが厳しい場合
資金繰りが厳しくなった場合は、医療ファクタリングの利用が向いています。
例えば、一時的に患者数が減って減収になった、スタッフが増えて人件費が増加したなどの理由で資金繰りが厳しくなることもあるでしょう。
また、医療機関ではさまざまなコストがかかります。
医薬品や医療用の材料、消耗品、医療器具などの仕入れにかかるコストも多いのが実情でしょう。
このような仕入代金の支払いなどにも、医療ファクタリングは利用できます。
ファクタリングで現金化(資金化)した資金を元手にして内装をリフォームしたり、広告宣伝に活用したりすれば新規の患者を獲得しやすくなる可能性もあります。
新規の患者が増えれば、結果として資金繰りの改善につながるかもしれません。
4-2. 開業して間もない場合
開業して間もない医療機関も、医療ファクタリングの利用がおすすめです。
医療機関などを経営していくには、家賃や水道光熱費、人件費などのランニングコストがかかります。
開業して間もない時期は患者が集まりにくいなど、収益が安定しにくいというケースも多いでしょう。
そのため、運転資金が不足してしまうおそれもあります。
金融機関からの融資は信用力が重要になるため、融資を受けられないケースもあるでしょう。
しかし、ファクタリングは開業後でも売掛金(売掛債権)があれば利用できるため、開業時でも利用しやすい資金調達方法です。
ファクタリングを活用して資金調達することで、開業して間もない場合でも安定した経営を維持しやすくなります。
預貯金を減らしたり借入を増やしたりせずに経営を継続できるため、財務状態の健全化にもつながります。
4-3. 設備投資にまとまった資金が必要な場合
設備投資をしたい場合にも、ファクタリングの利用が向いています。
医療機関などでは、定期的に最新の設備やデジタルツールなどの導入が必要になることが少なくありません。
このような設備の導入にはまとまった資金が必要になるため、資金調達が課題になります。
また、医療機関は衛生環境も重要になるため、古くなった設備の補修や交換が必要になる場合も多いでしょう。
ファクタリングを利用することで早期に資金を確保できるため、設備投資もしやすくなります。
最新の設備を導入したり衛生環境を整えたりすることは、患者にとっても大きなメリットです。
患者に選ばれやすくなり、患者数が増加することが期待できます。
設備投資をすることで、収益が増加する可能性もあるでしょう。
5. 医療ファクタリングの注意点

医療ファクタリングにはデメリットもあります。
そのため、医療ファクタリングの利用を検討する際には、事前にデメリットを把握しておくことが大切です。
ここでは、医療ファクタリングの注意点を解説します。
5-1. 受け取れる報酬額が少なくなる
医療ファクタリングを利用する際には、手数料等や諸経費がかかります。
報酬額から手数料などを差し引いた額が振り込まれることになるため、受け取れる報酬額が少なくなる点には注意しましょう。
医療ファクタリングは、通常のファクタリングよりも手数料が安めに設定されているケースもあります。
しかし、手数料がかかることに変わりはないため、複数のファクタリング会社を比較して、手数料ができるだけ安いところを選ぶと良いでしょう。
ファクタリングの手数料について詳しくは「ファクタリング手数料相場は?高くなる理由と手数料の決まり方」の記事をご覧ください。
5-2. 計画的に利用する必要がある
医療ファクタリングを利用すると、診療報酬などを前倒しで受け取ることができます。
ただし、もとの支払日よりも早く資金を受け取るということは、次の診療報酬などを受け取るまでに期間が空いてしまうということでもあります。
そのため、医療ファクタリングを利用して現金化(資金化)した後、次の診療報酬などを受け取るまでに資金繰りが苦しくなってしまい、再度医療ファクタリングを利用するというケースも珍しくありません。
医療ファクタリングの利用には手数料がかかるため、長期的に利用することで資金繰りの悪化を招くリスクが高くなります。
無計画に利用するのではなく、財務状況などを考慮しながら計画性を持って利用しましょう。
5-3. 資金調達できる金額には限界がある
医療ファクタリングで受け取れる報酬額は、70%~90%の掛目が設定されます。
つまり、最初の振込時に全額を受け取れるわけではありません。
また、診療報酬債権等は最大でも2か月分しか請求できないため、資金調達できる金額には限界があるのです。
当然、売掛金(売掛債権)となっている金額以上の資金調達もできません。
一方、融資の場合は審査状況によっては多額の資金を調達できる可能性があります。
設備投資などに多額の資金調達が必要な場合には、融資と併用するなど工夫が必要です。
5-4.2者間ファクタリングよりも現金化に時間がかかる
医療ファクタリングは3者間ファクタリングに近い方法であるため、2者間ファクタリングと比較すると現金化(資金化)に多くの時間がかかる傾向にあります。
ファクタリング会社にもよりますが、国保連・社保への請求後から最短5営業日程度での入金となることも多いです。
ファクタリングの種類の中でもっともスピーディーな現金化が期待できるのは2者間ファクタリングです。
2者間ファクタリングは利用者とファクタリング会社のみで完結することから、審査から入金までがスムーズに進みやすいといえます。
5-5.医療ファクタリングを取り扱う会社が少ない
医療ファクタリングのサービスを取り扱う会社は、一般的なファクタリングを取り扱う会社と比べて、数が少ない傾向にあります。
医療ファクタリングの場合、一般企業の売掛金(売掛債権)とは異なり診療報酬等が対象となることから、よりサービスの専門性が高く、対応できる会社が限られます。
そのため、医療機関がファクタリングを利用する場合は、ファクタリング会社の選択肢が少なくなることがデメリットです。
5-6.信頼できるファクタリング会社を選ぶ必要がある
医療ファクタリングは高額な取引となるため、信頼できるファクタリング会社を選び、お金のトラブルを避けなければなりません。
なかには悪徳業者も存在し、「偽装ファクタリング」と呼ばれる手口で利用者が騙されるリスクが懸念されています。
特に注意が必要なのが、ファクタリングを装って不正な融資を行う手口です。
契約前の段階で、ファクタリング会社に不審な点がないか確認する必要があります。
6.医療ファクタリングを選ぶ際のポイント
医療ファクタリングを利用する際、信頼できるファクタリング会社を選ぶためには、以下のポイントを確認すると良いでしょう。
ここでは、医療ファクタリングの選び方のポイントをお伝えします。
6-1.会社の実績と評判
優良なファクタリング会社を見極めるポイントとして、取引実績の多さが挙げられます。
ファクタリング会社のWebサイトなどで「取引件数」や「取引実績のある業界」といった情報をチェックして、過去の実績を確認しておきましょう。
また、口コミなどで評判を調べておくことも大切です。
6-2.手数料
ファクタリングの手数料は、ファクタリング会社ごとに設定されています。
手数料が安いほど手元に多くの現金を残せるため、基本的にはできるだけ手数料が安いサービスを選ぶことがポイントです。
ただし、不当に手数料が安い場合は悪徳業者である可能性が考えられるため、あくまでも相場と比較したうえで判断しましょう。
6-3.買取可能額
ファクタリング会社によって買取可能額の上限・下限が設定されている場合があります。
利用者が希望する買取金額がファクタリング会社の条件を上回っていたり、あるいは下回っていたりすると、ファクタリングを利用できません。
申し込み前にファクタリング会社のWebサイトなどで買取可能額をご確認ください。
6-4.入金のスピード
ファクタリングの審査から入金までのスピードは、ファクタリング会社によって異なります。
ただし、基本的に医療ファクタリングでは一般的なファクタリングと比べて入金までに時間がかかる傾向にあります。
資金が必要なタイミングを踏まえてファクタリングの申し込みを行いましょう。
6-5.サポート体制
ファクタリングの手続きをスムーズに進行させるには、サポート体制も重視しましょう。
ファクタリング会社によっては、オンラインでのサポート体制が充実していて、非対面で申し込みから入金までのやり取りを完結することも可能です。
多忙な医療機関の経営者でも利用しやすい利便性の高いサービスを選ぶと良いでしょう。
初めての利用でオンラインでのサポートだけでは不安という方には電話でのサポートも行っているファクタリング会社がおすすめです。
不明点やサービスについて説明を受けながら進めることができ、オペレーターや営業担当の対応によって信用できるファクタリング会社かどうかも見極めやすくなります。
6-6.契約内容の明確さ
ファクタリング会社の担当者から契約内容を明確に説明してもらえるかも重要なポイントです。
前述した悪徳業者による被害を避けるためにも、契約内容に不審な点がないか、入念にチェックする必要があります。
また、契約後のトラブル防止の観点からも、契約締結後は契約書の控えを必ず受け取りましょう。
7.医療ファクタリングが可能な会社5選
ここでは、医療ファクタリングに対応しているファクタリング会社をご紹介します。
医療機関向けのファクタリングサービスをお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。
7-1.ビートレーディング
ビートレーディングは、多彩なファクタリングサービスを提供し、あらゆる業界でのファクタリング実績が豊富な点が特長です。
一般的な2者間・3者間ファクタリングに加えて、医療ファクタリング(診療報酬ファクタリング・調剤報酬ファクタリング・介護報酬ファクタリング)や注文書ファクタリングにも対応しています。
2025年3月時点での取引実績は7.1万社以上、累計買取額は1,550億円と事例が多い点でも安心です。
ニーズに合わせたスピーディーで柔軟な対応が期待できます。
手数料 | ・2者間:4%~12%程度 ・3者間:2%~9%程度 ・医療ファクタリング:2%~ |
入金スピード | ・最短2時間(ポータルサイトからの利用で最短50分) ・医療ファクタリング:最短2日程度 |
運営会社 | 株式会社ビートレーディング |
7-2.日本中小企業金融サポート機構
日本中小企業金融サポート機構は、ファクタリングサービスを提供する一般社団法人です。
2者間・3者間ファクタリング、医療ファクタリングに加えAIファクタリングサービス「ファクトル」や、その場で調達可能額が分かる「即日調達診断」など、利用者のニーズに合わせたサービスを提供しています。
経営革新等支援機関に認定されているなど信頼性の高さから多くの経営者・個人事業主に選ばれています。
手数料 | 1.5%〜 |
入金スピード | 最短3時間 (ファクトルは最短40分) |
運営会社 | 一般社団法人日本中小企業金融サポート機構 |
7-3.三菱HCキャピタル
三菱HCキャピタルは、介護事業者・調剤薬局・医療機関向けのファクタリングサービスです。
上場企業の信頼性と資金調達力の高さを生かして、業界最低水準の手数料率で利用できます。
ファクタリングによる毎月の買取金額は、数百万円から数億円と規模の幅が広いのが特長で、少額での買取にも対応可能です。
手数料 | 月0.2%~ |
入金スピード | 国保連・社保への請求後から最短5営業日後 |
運営会社 | 三菱HCキャピタル株式会社 |
7-4.カイポケ
カイポケの早期入金サービスでは、介護報酬・診療報酬・調剤報酬を早期に現金化(資金化)することができます。
国保連・社保への請求から5営業日後には請求額の80%が早期入金されるため、キャッシュフロー改善に貢献します。
なお、サービス利用では入金額に応じた手数料のほか、「初回手数料」や「月額利用料」などの事務手数料が発生する点を押さえておきましょう。
手数料 | 0.8%~ |
入金スピード | 国保連・社保への請求後から最短5営業日後 |
運営会社 | 株式会社エス・エム・エス |
7-5.エヌエスパートナーズ
エヌエスパートナーズでは、医療機関・介護施設向けのコンサルティングサービスや、ファクタリングサービスを提供しています。
資金使途に制限がないため設備資金や運転資金として活用できます。
数か月分の診療報酬を一括譲渡することも可能です。
手数料 | 記載なし |
入金スピード | 記載なし |
運営会社 | エヌエスパートナーズ株式会社 |
8.医療ファクタリングに関するQ&A
最後に、医療ファクタリングに関するよくある質問と回答をご紹介します。
医療ファクタリングの利用前に疑問を解消しておきましょう。
8-1.Q1.医療ファクタリングが利用できるクリニックに条件はありますか?
医療ファクタリングの利用にあたり、健康保険の診療を行う保険医療機関であることが主な条件となります。
具体的には、病院・診療所(クリニック)・歯科医院(歯科クリニック)・調剤薬局・介護老人施設・通所介護(デイサービス)・訪問介護といった医療機関の経営者が利用可能です。
8-2.Q2.医療ファクタリングと一般的なファクタリングの違いは何ですか?
医療ファクタリングとは、保険請求を行う医療機関が、国保連・社保から診療報酬等を受け取る権利を譲渡する方法です。
医療機関・ファクタリング会社・保険者の3者間で取引が行われます。
それに対して、一般的なファクタリングとは、企業が商品・サービスの売上代金を受け取る権利(売掛金)を譲渡する方法です。
企業とファクタリング会社の2者間、あるいは企業・ファクタリング会社・売掛先企業の3者間で取引が行われます。企業間の取引を証明する請求書などが買取対象となります。
8-3.Q3.医療ファクタリングと銀行融資の違いは何ですか?
ファクタリングと融資は、どちらも資金調達で利用されますが、両者はまったく異なるサービスです。
ファクタリングでは「売掛金(売掛債権)の買い取り」が行われるのに対して、融資では「金融機関からの借入」が行われます。
ファクタリングで締結する契約は「売掛債権譲渡契約」で、融資で締結する契約は「金銭消費貸借契約」です。
会計上の分類は、ファクタリングでは「資産(勘定科目変更)」となりますが、融資では「負債」となります。
このように、ファクタリングは融資とは異なるサービスでファクタリングでは売掛先の信用力が主な審査基準となるので、医療機関の場合は国保連・社保の信頼性の高さから資金調達を実現しやすいといえます。
8-4.Q4.医療ファクタリングは創業資金として利用できますか?
医療ファクタリングは、医療機関の開業時でも利用可能な資金調達の方法です。
保険者である国保連・社保が売掛先となるため、一般企業よりも信用力が高いことから審査に通過しやすい傾向にあります。
診療報酬があれば開業したばかりの医療機関でも利用されています。
8-5.Q5.医療ファクタリングの支払いはどのように行われますか?
医療ファクタリングの買取代金は、ファクタリング会社との契約締結後、国保連・社保へ診療報酬債権等の譲渡を通知した後に、ファクタリング会社から利用者である医療機関へ支払われることになります。
利用後、本来の支払い期日には国保連・社保からファクタリング会社へ直接診療報酬の支払いが行われます。
9.まとめ
医療ファクタリングとは、医療分野・介護分野・調剤分野で活用できるファクタリングサービスです。
病院やクリニック、介護施設や調剤薬局などで資金調達手段として利用されています。
通常のファクタリングよりも審査に通りやすく手数料も安く抑えられているため、利用しやすくなっています。
また、使用用途も限定されておらず、さまざまな用途に利用できるため、開業後の運転資金や設備投資などに幅広く利用可能です。
ビートレーディングでは、診療報酬ファクタリング・介護報酬ファクタリングといった医療ファクタリングを提供しています。
医療報酬を短期間で現金化(資金化)することが可能です。
Webフォーム・電話・LINEでの無料見積りや調達可能額診断など多くのお問い合わせ方法に対応しているので、医療ファクタリングを検討している方はぜひお気軽にご相談ください。
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筑波大学大学院修士課程修了後、上場企業に勤務。不動産ファンドの運用・法務を担当した後、中小企業の事業再生や資金繰り支援を経験。その後弊社代表から直々の誘いを受け、株式会社ビートレーディングに入社。現在はマーケティング・法務・審査など会社の業務に幅広く携わる。
<保有資格>宅地建物取引士/貸金業務取扱主任者