ABLとファクタリングの違いとは?

企業が資金調達を行う際の方法として、ABLとファクタリングの2つの手法が語られることがあります。この2つの方法は共通点も多いですが、基本的なところに大きな違いがあるのです。では、ABLとファクタリングには具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

ABLとは?

ABL=アセット・ベースト・レンディングとは、売掛債権や動産を担保として売掛金保有会社が資金調達サービス業者から融資を受けるものです。ABLを日本語にすると、売掛金担保融資や動産・債権担保融資となります。ABLを利用する際に売掛債権以外に担保となる動産には、商品やストックしている在庫、また機械設備や農産物といった資産があげられます。

ABLは、従来のように資金調達サービスにおいて不動産を担保する必要がないことがメリットです。そしてABLが実行されるには、融資を受ける売掛金保有会社と資金調達サービス会社が密接な信用関係を築くことが大切です。

 

ファクタリングとは?

一方ファクタリングとは、売掛金保有会社の売掛債権をファクタリング会社が買い取り、該当する金額を売掛金保有会社が受け取るシステムです。ファクタリングを日本語で表現するとき、売掛債権譲渡といわれます。ファクタリングでは、売掛金保有会社とファクタリング会社の間に売掛債権の売買・譲渡の関係が成り立ちます。そして、売掛債権はファクタリング会社に移り、ファクタリング会社は債権回収業務を請け負うことになるのです。

そしてファクタリングは売掛債権の売買となるため、迅速に資金を受け取ることが可能な取引でもあります。そのため、ファクタリングはすぐに資金が必要である企業にとって強い味方になるでしょう。

 

ABLとファクタリングの違い

こちらでは、ABLとファクタリングが企業にとってどのように違ってくるかを解説します。

審査の際に重視される信用

ABLもファクタリングも、取引を行う上で重要になるのが信用力です。この信用力について、重視される部分がどのように違うか比べてみましょう。

 ●ABL

ABLでは、資金調達サービス業者が売掛金保有会社に融資を行います。そのため、売掛金保有会社に融資額の返済能力があるかどうかは厳しく審査されるのです。たとえば、業績が思わしくなかったり、税金を滞納していたりなどといった場合、信用力がないとみなされてABLの取引が成立しない可能性が高くなります。

 ●ファクタリング

一方、ファクタリングでも信用力は重要な要素ですが、その信用力が重視されるのは売掛金保有会社よりも売掛先となります。売掛金保有会社がファクタリング会社に売掛債権を売却した場合、基本的に売掛債権は売掛先から回収することになるためです。つまり、売掛金保有会社の業績や税金の納付状況などに多少の問題があったとしても、ファクタリングは成立することがほとんどなのです。

審査の厳しさ

では次に、ABLとファクタリングの審査の厳しさを比較します。

 ●ABL

ABLにおいての審査は、担保となる売掛債権や動産に対して行われます。審査では、これら担保となる資産についてどれくらいの価値があるかを計られるのです。つまり、担保となる資産に価値が認められなければ、融資を受けられる可能性は低くなります。そのため、ABLの審査は厳しいものであるといえるでしょう。

 ●ファクタリング

ファクタリングでは、売掛金保有会社がファクタリング会社に売却する売掛債権に対して審査が行われます。ファクタリングでは、売掛先の信用力を含めて売掛債権の回収能力や支払期限などが重視されるでしょう。つまり、売掛債権が信頼できるものであればファクタリングを行うことが可能になるため、審査はABLと比べると多少緩やかともいえます。

調達までのスピード感

資金調達におけるスピード感は、ABLとファクタリングで異なります。その違いは、主に審査や手続きにかかる時間によるものです。

 ●ABL

ABLの場合は、金額の融資までに時間がかかることが多いです。その期間は申し込みからおよそ2~3週間が相場です。売掛金保有会社がABLで融資を受ける際は、期間に余裕を持っておくことが必要です。

 ●ファクタリング

ファクタリング会社においては、審査結果を最短即日回答して資金の入金までその日に行えることが多くあります。そのため、ABLと比べてファクタリングの資金調達スピードはかなり早いと考えて良いでしょう。

登記

ABLとファクタリングでは、登記の必要性についても違いがあります。

 ●ABL

ABLで融資を受ける際、売掛金保有会社は資金調達サービス業者に対し、担保として動産や売掛債権を譲渡する形になります。そのため、売掛金保有会社はこれらの担保について動産・債権譲渡登記を行う必要があるのです。

 ●ファクタリング

ファクタリングでは、基本的に売掛債権の所在を明確にするために債権譲渡登記を行います。ただし、売掛金保有会社とファクタリング会社、売掛先の間で行う3社間ファクタリングでは、売掛先への通知のみを行い売掛債権の所在を示す(対抗要件を満たす)手続きで終えることも可能です。

調達可能な金額

ABLとファクタリングで大きく異なる点の1つには、調達可能な金額の上限があげられます。

 ●ABL

ABLにおける資金調達の金額上限は、資金調達サービス業者が売掛金保有会社に対して行った審査結果によって異なります。売掛金保有会社の信用力が高いとされれば、その分金額の上限額は引き上がり、信用力が低い場合は上限額も下げられます。

 ●ファクタリング

ファクタリングの場合は、ファクタリング会社が売掛債権を買い取ってその対価を売掛金保有会社に支払う形となります。そのため、ファクタリングで調達できる金額は売掛債権に該当する金額以内となります。

金利・手数料

ABLとファクタリング取引における金利や手数料については、以下のようになっています。

 ●ABL

ABLは資金の借り入れという形になるため、担保の価値や信用力に応じて金利が発生します。さらに、ABLでは債権譲渡登記が必要になることから登記費用が必要になるほか、資金調達サービス会社への手数料も支払うことになるのです。そのため、ABLにかかる金利や手数料の支払いが煩雑になる可能性もあるでしょう。

 ●ファクタリング

一方ファクタリングでは業者に支払う手数料のみで完結します。ただし、ファクタリング会社が債権者となり貸し倒れリスクを負うため、手数料自体は若干高めになる傾向があります。とはいえ、他の費用や手数料がかからないことを考えると、金額の計算が明確になるでしょう。

 

以上、ABLとファクタリングがどのように違うかを説明しました。その中でも、特にファクタリングは売掛債権の信用があれば迅速に資金調達が行えるため、おすすめの方法といえます。もし急いで資金調達を行いたいということであれば、ぜひファクタリングを活用してください。

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