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「ファクタリングは違法ではなく合法」ただし違法業者には注意が必要

「ファクタリングは違法ではなく合法」ただし違法業者には注意が必要

ファクタリングの基礎知識

「ファクタリングは違法なのでは?」

という疑問に結論からお伝えすると、ファクタリングは合法です。

ファクタリングとは主に、売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらい、売掛金の入金期日より先に資金化する資金調達の手段です。

ファクタリングの取引は違法ではなく、何の問題もありません。

しかし、違法な取引を行った一部のファクタリング業者や事例が有名になったことで、「ファクタリング=違法」と勘違いしている方も少なくないようです。

あらゆるビジネス取引がそうであるように、法律にそぐわないやり方をすれば、違法となります。

そこで本記事では、ファクタリング自体が違法な取引ではないことをわかりやすく解説するとともに、どんな違法の事例があるのか判例もご紹介します。

本記事のポイント
・ファクタリングがなぜ違法ではないのか解説
・ファクタリングにまつわる裁判や判決を紹介
・違法業者にだまされないための注意点をお伝え

「ファクタリングに違法性はないのか知りたい」
「利用してみたいが合法なのか不安」

…という方におすすめの内容となっています。

この解説を最後までお読みいただければ、「ファクタリングは違法ではない」ことがわかって不安が払拭されると同時に、違法業者から身を守るための術も身につきます。

安心してファクタリングを利用するために必要な知識を身につけていきましょう。

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1. 大前提:ファクタリング自体に違法性はまったくない

そもそもの大前提として、冒頭でも触れたとおりファクタリング自体に違法性はまったくありません。

まず、どういった法的な背景で違法性がないのかを解説します。

※「ファクタリングとは何か?」の基礎知識がまだない方は、先に「ファクタリングサービスとは?意味や仕組みを図解でわかりやすく解説!」の記事からお読みいただくと、理解しやすいかと思います。

1-1. 売掛債権は譲渡できる(債権法/民法第466条)

ファクタリングを行うときには、ファクタリング会社との間で、「ファクタリング契約」を締結します。

▼ ファクタリングのイメージ図

“ファクタリング契約”と呼ばれる契約の中身は、売掛債権(売掛金)を売却する「債権譲渡契約」です。

ここでまず疑問となるのが、

「売掛債権を第三者へ譲渡することに、法的な問題はないのか?」

という点です。

結論からいえば、問題ありません。

売掛債権を含む債権は、債権法(民法の契約などに関する部分)の民法第466条に、

「債権は、譲り渡すことができる」

と明記されています。

第四節 債権の譲渡(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。
ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。

ファクタリング会社に売掛債権を譲渡することは、合法です。

1-2. 権利譲渡禁止の特約がついていても譲渡できる(2020年4月改正)

次に論点となりやすいのが、

「売掛先との契約書に『権利譲渡禁止の特約』がついていても、売掛債権を譲渡できるのか?」

という点です。

たとえば、売掛先との契約書に、以下のような条項が記載されているケースがあります。

▼ 譲渡禁止特約の文例

第○条(権利義務の譲渡禁止)
甲及び乙は、相手方の事前の書面による同意なくして、本契約から生じた権利義務の全部または一部を第三者に譲渡し、もしくは担保に供し、または引き受けさせてはならない。

このような譲渡禁止の特約がついていても、売掛先の同意がなくても売掛債権を譲渡することはできます。

1-2-1.2020年4月施行の債権法改正で変わった

じつは、譲渡禁止の特約があっても同意なしに売掛債権を譲渡できるようになったのは、2020年4月に債権法が改正されてからです。

改正前には「当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない」という一文がありました。

▼ 改正前の条文

第四百六十六条 
債権は、譲り渡すことができる。
ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。

2 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。
ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。

2020年4月施行の条文では「債権譲渡の禁止や制限の意思表示をしても、債権譲渡の効力を妨げられない」という内容に変更されています。

▼ 改正後の条文(2017年5月成立・2020年4月施行)

第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。
ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。

2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。

1-2-2.円滑な資金調達を実現するための法改正

前述の法改正の背景を、経済産業省の資料からご紹介しましょう。

以下をお読みいただくと、ファクタリングは違法どころか、中小企業がファクタリングを活用しやすくするために法改正した面もあることが、おわかりいただけるかと思います。

▼ 法改正の背景

「債権譲渡」は、弁済期前に債権を売り渡して代金を得ることや、債権を担保に供し融資を受けることなどを目的とし、中小企業の資金調達のために行われることがあります。
 
しかし、改正前の民法の下では、債権者と債務者との間の契約に「譲渡制限特約」を付すことで債権譲渡を無効とすることができたため、債権者(中小企業等)の円滑な資金調達を妨げているという声がありました。
 
今回の改正は、このような実情に対応したものとなっております。
 
この改正により、企業の皆様にとっては、債権を活用した資金調達が行いやすくなるというメリットがあります。

出典:経済産業省

出だしの“「債権譲渡」は、弁済期前に債権を売り渡して代金を得ることや…”が、まさにファクタリングを指しています。

“この改正により、企業の皆様にとっては、債権を活用した資金調達が行いやすくなるというメリットがあります”

と経済産業省の資料に書かれていることからも、ファクタリングが安心して利用できる手法であることがわかります。

1-3. 無償ではなく有償で譲渡(売却)できる

「“売掛債権の譲渡”が合法なことはわかったけれど、有料で売っていいの?」

という疑問を抱いた方もいるかもしれません。

これも問題ありません。

「譲渡」とは、有償無償を問わずに権利を他者に移転させることです。

よって、有償で売掛債権を譲渡する(=売却する)ことに何ら違法性はありません。

ただし、無償で譲渡する場合には税務上の問題が生じる可能性がありますのでご注意ください。

2.ファクタリングで違法となった判例とは?

ここまでお読みいただくと、ファクタリング自体は政府に推進の姿勢が見られるほど法的にクリーンで、まったく違法性がないことがおわかりいただけたかと思います。

「それならば、なぜ違法のイメージがあるのか?」

といえば、ファクタリングの名前を使って貸金業を無登録で行っている違法業者の影響と考えられます。

2-1. 給与所得者向けの「給与ファクタリング」は貸金業とみなされる

近年問題となったのが「給与ファクタリング」です。

給与ファクタリングとは、会社に勤めて給与を得ている会社員向けに、給与所得者の給与を債権とみなし、給料日前よりも現金が得られると謳うサービスです。

給与ファクタリングは「給与債権の譲渡」と称していても実態は貸金業であるという見解が金融庁から出ています。

給与ファクタリングについて、これを業として行うものは貸金業に該当する旨を2020年3月に公表し、広く一般への注意喚起を行うとともに、無登録業者の広告等について、SNS事業者やプラットフォーマーに対し削除を要請した。
出典:金融庁

前述のとおり、合法の売掛債権のファクタリングは「債権譲渡契約」を締結して行う債権譲渡であり、「金銭消費貸借契約」を締結して行う金銭貸借ではありません。

ここが重要なポイントで、金銭消費貸借契約であれば、貸金業を登録がない業者が行うと貸金業法違反となります。

給与ファクタリングは、債権譲渡契約(ファクタリング契約)のように見せかけていても実態は貸金であるとみなされます。よって、貸金業の登録がない業者が行うと違法になります。

※給与ファクタリングを貸金業とみなす金融庁の法的根拠を詳しく知りたい方は、2020年3月に公表された「金融庁における一般的な法令解釈に係る書面照会手続(回答書)」をご覧いただくと、具体的に記載されています。

2-1-1.給与ファクタリングの判例(七福神)

実際に給与ファクタリングの違法性を認めた判例を見てみましょう。

2021年2月9日、「七福神」の名称で給与ファクタリングを展開していた株式会社ZERUTAに対し、5都道府県の男女9人が総額約430万円の返還を求めた訴訟で、東京地裁は違法と認め、全額返還するように命じました。

この判決では、前述の金融庁の見解と同じく、

・「契約の実質は、金銭消費貸借契約である」
・「給与ファクタリングの手法は貸金業にあたる」

と認定しています。

貸金業に必要な登録を受けずに無許可で貸金業を営んだことや、年利にして少なくとも260%を超える違法な金利を受け取ったことから「契約は無効」と判断されました。

参考:東京地方裁判所令和3年2月9日判決

2-2. 中小企業の経営者や個人事業主を狙ったヤミ金融業者も出ている

では、給与所得者ではなく、事業者向けのファクタリングサービスならすべて合法なのか?というと、そうとは断言できません。

中小企業の経営者や個人事業主を狙ったヤミ金融業者が出ているからです。

実際に確認されているのは、

「ファクタリングを装って、貸金登録のない業者(ヤミ金融業者)が、債権を担保とした違法な貸付けを行っている」

という偽装ファクタリングの事案です。

偽装ファクタリングとは?

高額な手数料を差し引いて売掛債権の買い取りを行うものの、買主(業者)は債権回収リスクを負わず、売掛金を回収できない場合は買い戻しを強いられます。

実態はヤミ金融による貸付けで、正規のファクタリングではありません。
参考:日本貸金業協会

偽装ファクタリングの可能性が高いケース

• 償還請求権がついている(売掛金回収ができなかったときに支払義務がある)
• 申込人の通帳・銀行印・キャッシュカードを預かる
• 金銭消費貸借契約を締結し、代表者や家族に保証人になることを求める
• 売買代金の受け取りが、銀行などからの送金ではなく手渡しでされる
• 契約書の写し・領収書などの書類が渡されない
参考:日本貸金業協会

事業者向けの売掛債権をめぐる契約の場合、ファクタリング(債権譲渡)か、違法な貸付け(金銭貸借)の線引きが見極めにくい分、注意が必要です。

ファクタリング会社と誤解してヤミ金融業者と取引すれば、違法な高金利で返済請求額が雪だるま式に膨れあがり、脅迫まがいの厳しい取り立てに遭うリスクがあります。

では、違法業者をどう見極めればよいのでしょうか。

具体的な方法を次章で解説します。

3.ファクタリングを装った違法業者を見極める3つのポイント

ファクタリング業者を装った違法業者を回避するために、3つの見極めポイントをご紹介します。

ファクタリング契約であれば以下を満たしている必要があり、満たしていなければ違法業者の可能性が高くなります。

◎ 償還請求権がない(ノンリコース)→OK
◎ 手数料の金額が暴利ではない →OK
◎ 契約書に債権譲渡契約であることが明確に書かれている →OK

それぞれ見ていきましょう。

3-1. ◎ 償還請求権がない(ノンリコース)

1つ目のポイントは「償還請求権がない(ノンリコース)」ことです。

これが最も重要で、わかりやすい見極めポイントになります。

償還請求権は「遡及権(そきゅうけん)」ともいい、売掛先の倒産などで売掛金が回収できなかったときに、その金額を、ファクタリング会社がファクタリング利用企業に請求できる権利のことです。

ファクタリングを利用する企業の視点から見ると、“償還請求権がない”ということは、

「売掛先が倒産しても、売掛先に代わって売掛金をファクタリング会社に支払う義務がない」

という意味になります。

償還請求権がないことを別の言い方では「ノンリコース」といいます。

3-1-1.ファクタリングと違法な貸付けの違いは「債権回収のリスクを負っているか」

なぜ償還請求権が重要なのかというと、ファクタリングと違法な貸付けは「債権回収のリスクを負っているか」で線引きできるからです。

実際の裁判例で、ファクタリング(債権譲渡)ではなく金銭貸借であると認定した判決では、その根拠として、

「ファクタリング業者が債権回収のリスクをほとんど負っていない」

ことが指摘されています。

そこで検討するに,金銭消費貸借契約であれば,貸主は,利息制限法所定の制限利率の限度でしか利息を収受することができず,債権の売買契約ということでこれを上回る利益を上げることが正当化されるとすれば,買主が,売買対象の債権につきある程度回収のリスクを負うなど,相応の理由があってしかるべきであるが,上記認定事実によれば,被告は,債権回収のリスクをほとんど負っていない。

出典:大阪地方裁判所平成29年3月3日判決

3-1-2.リスクも含めて売掛債権を買い取っていればファクタリングと判断できる

前述の判例からもわかる通り、「売掛債権」の性質として含有しているリスク(倒産によって売掛金が回収できないなど)も含めてファクタリング会社が買い取っていれば、それは「債権譲渡契約」とみなされます。

しかし、債権回収リスクをファクタリング利用者に負わせた状態で金銭だけ渡すのであれば、それは「金銭消費貸借契約」とみなされるので、ファクタリングではなく貸金にあたります。

債権回収リスクの有無を示すのが、先に解説した「償還請求権がない(ノンリコース)か」となります。

◎ 償還請求権がない(ノンリコース)
ファクタリング会社が債権回収リスクを負っている → 債権譲渡契約(◎ファクタリング)

× 償還請求権がある(ウィズリコース)
ファクタリング会社が債権回収リスクを負っていない → 金銭消費貸借契約( × 貸金)

ファクタリング会社と契約するときには、 償還請求権がない(ノンリコース)ことを確認し、契約書にもその旨が明記されていることを確認します。

3-2. ◎ 手数料の金額が暴利ではない

2つ目のポイントは「手数料の金額が暴利ではないか」です。

手数料が高額だからといって、すなわち違法とはなりませんが、

「良心的な会社か、悪質業者の可能性がある会社か」

を判断するひとつの目安にはなります。

参考までに、ビートレーディングであれば手数料の目安は【2%〜12%】程度です。

悪質業者の場合、【手数料30%以上】のように暴利ともいえる高額の手数料を要求することがあります。

 実際に、先にもご紹介した大阪地方裁判所平成29年3月3日判決には、

「60万円を受領する代わり,所定の期限には100万円を支払わなければならないと知って一旦は断ったが…」

との文言があり、最初から手数料として【40%】が提示されていたことがわかります。

平成25年9月初旬頃,資金繰りに窮し,ファクタリングという金策手段があると聞いて,被告の開設したインターネット上のホームページを見た上,被告本店で説明を受けたところ,60万円を受領する代わり,所定の期限には100万円を支払わなければならないと知って一旦は断ったが,再考した結果,被告との取引を開始したこと,…(略)
出典:大阪地方裁判所平成29年3月3日判決

このように手数料が高額すぎる業者は、違法性があるかもしれないと考え、契約しないことが自分の身を守ることにつながります。

3-3. ◎ 契約書に債権譲渡契約であることが明確に書かれている

3つ目のポイントは「契約書に債権譲渡契約であることが明確に書かれているか」です。

「債権譲渡契約を締結しているが、実態は貸金とみなされる」というケースのほかに、ファクタリング契約といいながら、「金銭消費貸借契約」を締結させるケースもあります。

たとえば、暴力団などの反社会勢力とは知らずに金銭消費貸借契約を結んでしまうと、非常に危険です。

違法な高金利で返済額が雪だるま式に膨れあがり、暴力的な取り立てにさらされ、やがて破産に追い込まれる事例もあります。

契約書の中身が債権譲渡契約になっているか、きちんと確認することが大切です。

4.違法ではない安全なファクタリング会社を選ぶ5つの条件

前章では、違法業者を見極めるために最低限知っておきたい3つのポイントをご紹介しました。

さらに、より安全なファクタリング会社を選ぶためには、以下の5つの条件を満たしているかチェックしてみてください。

▼ より安全なファクタリング会社を選ぶ5つの条件

・条件1:契約数の実績が月間100件以上
・条件2:手数料が最大で20%以下
・条件3:顧問弁護士が公開されている
・条件4:社内のコンプライアンス体制が整備されている
・条件5:契約書に不審な点がない

以下でそれぞれ解説します。

4-1. 条件1:契約数の実績が月間100件以上

1つ目の条件は「契約数の実績が月間100件以上」です。

実績数が多いファクタリング会社は、それだけ利用者の支持率が高いと判断できます。

目安として、月間100件以上(年間1,000〜1,500件以上)の実績があれば、良質なファクタリング会社の可能性が高いといえます。

参考までに弊社ビートレーディングの場合、月間契約数は【800件以上】となっています。

4-2. 条件2:手数料が最大で20%以下

2つ目の条件は「手数料が最大で20%以下」です。

前述のとおり、30%〜40%以上の暴利を取るファクタリング会社は違法性が高いので避けるのが賢明です。

妥当な手数料の金額は売掛債権の内容によって変わりますが、【最大20%以下】がひとつの目安になります。

※弊社ビートレーディングの手数料は【2%〜12%】程度です。

4-3. 条件3:顧問弁護士が公開されている

3つ目の条件は「顧問弁護士が公開されている」です。

ファクタリングでは、必ず債権譲渡契約を締結することや、法的な知識がないと貸金業の範疇に踏み込む可能性があることから、法の専門家のサポートが不可欠です。

ファクタリング会社を探すときには、コーポレートサイトの会社概要のページなどに、顧問弁護士が公開されているか確認してください。

▼ 顧問弁護士が公開されている例

出典:ビートレーディング

顧問弁護士のことも調べてみて、豊富な実務経験があり信頼性の高い弁護士がついているか、確認しておきましょう。

4-4. 条件4:社内のコンプライアンス体制が整備されている

4つ目の条件は「社内のコンプライアンス体制が整備されている」です。

良い顧問弁護士がついているだけでなく、コンプライアンスへの取り組みをしっかり行っている会社かどうかについても、コーポレートサイトで確認しましょう。

▼ コンプライアンス体制の例

出典:ビートレーディング

とくに、「債権譲渡に関する法務」や「反社会勢力排除」の教育をきちんと行っているファクタリング会社を選ぶことが大切です。

4-5. 条件5:契約書に不審な点がない

5つ目の条件は「契約書に不審な点がない」です。

契約書は、ファクタリングのトラブルから身を守るための重要ツールです。

契約を締結する前に、契約書に不審な点がないか、必ず全文を確認することが大切です。

具体的には、以下の点をチェックしてください。

・口頭で受けた説明や見積書など認識している契約内容と契約書の内容が合っているか
・償還請求権がない(ノンリコース)と明記されているか
・自社にとって不利となる項目がないか
・意味が理解できない項目がないか

ファクタリングを利用するときには、資金繰りが悪化していて、焦りのなかで慌てて申込みの手続きをする経営者も少なくありません。

そこにつけこんで、契約書に不利な項目を混ぜ込む不誠実な業者も存在しますので、くれぐれもご注意ください。

できれば緊急時に初めてファクタリングを利用するのは避けたいところです。

余裕のあるときに、数万円程度の少額の売掛債権で試しに利用してみて、じっくりと契約書に目を通しておくことをおすすめします。

実際に担当者とやり取りすることでも、良心的なファクタリング会社かどうか見極めやすくなります。

5.まとめ

本記事では「ファクタリングの違法性」をテーマに解説しました。

簡単に要点をまとめます。

ファクタリング自体に違法性はありません。

その根拠として以下があります。

・売掛債権は譲渡できる(債権法/民法第466条)
・権利譲渡禁止の特約がついていても譲渡できる(2020年4月改正)
・譲渡は無償でも有償でもよい(無償で譲渡する場合は税務上の問題が生じる可能性があります)
ファクタリングで違法とみなされる事案には次の2パターンあります。

・給与所得者向けの「給与ファクタリング」は貸金業とみなされる
・中小企業の経営者や個人事業主を狙うヤミ金融業者がいる
ファクタリングを装った違法業者を見極めるポイントは次のとおりです。

・償還請求権がない(ノンリコース)か
・手数料の金額が暴利ではないか
・契約書に債権譲渡契約であることが明確に書かれているか
より安全なファクタリング会社を選ぶ5つの条件をご紹介しました。

・条件1:契約数の実績が月間100件以上
・条件2:手数料が最大で20%以下
・条件3:顧問弁護士が公開されている
・条件4:社内のコンプライアンス体制が整備されている
・条件5:契約書に不審な点がない

ファクタリングは本来、経営者にとって倒産危機に備えるリスクマネジメントの手法として、有効活用されるべきものです。

違法トラブルに巻き込まれることなく、本来のファクタリングの恩恵を享受するために、本記事でご紹介した知識を役立てていただければ幸いです。