
支払いサイトとは「取引代金の締め日から実際に代金を支払うまでの期間」を指すビジネス用語で、図で表すと下記の期間を指します。

支払いサイトという言葉が日常生活で使われることは滅多にありませんが、商取引の現場においては当たり前に使われるため、経営や経理に関わる方であれば、ビジネスの常識としてその意味をしっかり理解しておかなければなりません。
また、支払いサイトは事業の資金繰りに大きな影響を及ぼすため、設定を誤ると、利益が出ているにも関わらず手元資金が足りなくなる「黒字倒産」などのトラブルを起こす原因となります。

上記のようなトラブルを回避するためには、支払いサイトの意味を理解するだけでなく、「決め方」をあわせて知っておくことが大変重要です。
そこで本記事では、
・支払いサイトとはどういった意味なのか
・一般的にどれくらいの長さで設定されるものなのか
・法律による制限はあるのか
などといったことをご紹介し、支払いサイトについての理解を深めていただいたうえで、支払いサイトの決め方を徹底解説します。
本記事をお読みになれば、支払いサイトの意味と決め方を正しく理解し、事業の円滑な運営に役立てることができるようになるでしょう。
「資金繰り改善のため、既存の支払いサイトを見直したい」という場合にとるべき方法についても触れていきますので、是非参考になさってくださいね。
ファクタリングについては5-2.ファクタリング会社を利用するで解説しています。

目次
1.支払いサイトとは

冒頭でも述べたとおり、支払いサイトは商取引において当たり前に使われる言葉です。
経営や経理に関わる立場であるからには、支払いサイトとは一体何なのかということを正しく理解しておかないと、恥ずかしい思いをすることになってしまいます。
そこでまずは理解を深めるべく、支払いサイトの意味と語源を詳細に確認していきましょう。
1-1.支払いサイトの意味
繰り返しになりますが、支払いサイトとは「取引代金の締め日から実際に代金を支払うまでの期間」を指す言葉で、代金を後払いする商取引の際にセットで使われます。
最もよく使われる支払いサイト「月末締め翌月末払い」を例に図説すると、下記のとおりです。

そもそも、なぜ「代金後払いの商取引」の際に「支払いサイト」という言葉がセットで使われるのかというと、単に「精算は後日にしましょう」と取り決めるだけでは、具体的にいつ支払いが行われるかが不明瞭なためです。
そこで、安心して代金後払いの商取引を行うべく、事前に
・取引代金の締め日(例:月末締め など)
・支払い日(例:翌月末払い など)
を取り決め、支払いサイトを明確化したうえで取引を進めるという手順がとられるのです。
なお、下記のとおり、代金後払いの商取引の仕組みは、プライベートで利用するクレジットカードの仕組みに似ています。

そのため、「クレジットカードの請求金額が確定してから引き落とし日までの期間が、商取引における支払いサイトに当たる」と考えると分かりやすいでしょう。
【POINT】
代金後払いの商取引のことを「掛取引(信用取引)」と言います。
下記のとおり、商品の引渡しと同時に精算を行う「現金取引」の対義語にあたる言葉です。

現金取引は、小売業や飲食業における一般的な取引方法。
しかし、
・請求書や領収書などの書類を都度発行しなければならず、手間がかかる
・釣銭など現金を管理する手間がかかる
などのデメリットがあることから、日本の商取引の現場の多くでは掛取引が習慣的に行われています。
掛取引が習慣的に行われているということは即ち、商取引の場で「支払いサイト」という言葉が多用されているということと同義。
だからこそ、ビジネスの常識として「支払いサイト」という言葉を正しく理解しておく必要があるのです。
1-2.支払いサイトの語源
ところで、「”支払いサイト”という言葉が、どうして”支払いの期間”という意味になるんだろう?」と疑問に感じたり、分かりにくいと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このような疑問は、支払いサイトの語源を知ることで解消します。
「”サイト”と聞くと、ウェブサイトなどの”サイト(Site)”が思い浮かぶ」という方が大半だと思いますが、支払いサイトの語源は「At sight」という熟語です。
「At sight」は古くからある貿易用語で、荷為替手形の提示を受けた時点ですぐに輸入者が代金を支払わなければならない「一覧払い」という意味を持っています。
これが、「At 30 Days Sight(荷為替手形提示の30日後に一覧払い)」などといった具合に、期間を表す用例で使われるようになったことが、支払いサイトという言葉の起源となっているのです。
とは言え、「Sight」という英単語は視界・視力・見解などといった意味であり、それ自体に「期間」という意味は無いため、「支払いサイト」という言い回しは日本独自のもの。
英語では以下のような表現になるので、英語での商取引をされる方は覚えておくと良いでしょう。
【支払いサイトの英語表現】
・terms of payment:支払期間
・usance:手形の支払猶予期間
なお、Siteとの混同を避けるため、「支払い債渡(さいと)」という当て字が使われることもあります。
2.支払いサイトの一般的な長さ

取引代金の締め日から実際に代金を支払うまでの期間を指す支払いサイトですが、一般的に、どれくらいの長さに設定されるものなのでしょうか。
一般的な支払いサイトの長さは「現金や口座振込で支払われる場合」と「手形で支払われる場合」とで異なり、
・現金や口座振込で支払われる場合→30日~60日
・手形で支払われる場合→30日~120日
で設定されることが多いです。
これから、上記2パターンについて、それぞれ確認していきましょう。
2-1.現金・口座振込の場合は「30日~60日」
支払いが現金や口座振込で行われる場合、支払いサイトは30日~60日の間で設定されることが一般的です。
先にも少し触れたとおり、最もよく使われる支払いサイトは「月末締め翌月末払い」。

例えば4月中に取引があったとすると、4月末に取引代金が締められ、5月末に支払いが行われるというものです。
多少の前後はあれど、1か月はほぼ30日なので、「月末締め翌月末払い」の支払いサイトは、
・支払いサイト30日
・30日サイト
などと呼ばれることもあります。
また、「月末締め翌月末払い」の次によく使われる支払いサイトは「月末締め翌々月末払い」です。

上記の図のとおり、こちらは
・支払いサイト60日
・60日サイト
などとも呼ばれるので、あわせて覚えておきましょう。
2-2.手形の場合は「30日~120日」
一方、支払いが手形で行われる場合の支払いサイトは、現金や口座振込の場合と比べて長くなる傾向にあり、30日~120日の間で設定されることが一般的です。
長くなる傾向にある理由は、通常の「支払いサイト」の他に「手形サイト」が加わるためです。
手形サイトとは、手形が発行される「振出日」から、その手形を現金化できるようになる「支払期日」までの期間のこと。
一例として、「月末締め翌月末払い」で、「60日手形(手形サイト=60日の手形)」による支払いが行われた場合を想定した下記の図をご覧ください。

手形は「支払い日」にあたる日に振り出されるのが一般的なので、上記の例の場合、まず手形が振り出されるまでに30日かかります。
更にそこから起算して60日の手形サイトが発生するため、支払いサイトは合計は90日と、長めになる訳です。
支払いは現金や口座振込で行われることが多いですが、業種によっては手形で行われることもあるため、このあたりの情報もしっかり頭に入れておきましょう。
3.要注意|法律によって支払いサイトの長さが制限されるケース

「一般的な支払いサイトの長さは分かったけれど、それより短かったり長かったりしたらいけないの?」
本記事をここまでお読みになって、このように感じられた方もいらっしゃるでしょう。
結論を申し上げますと、短い分には問題ありませんが(但し、短すぎると手続き等が慌ただしくなるため、最短でも15日程度が無難)、長くすると「下請法」という法律に抵触するケースがあるので注意が必要です。
そこで、
・下請法とは、どのようなケースで適用される法律なのか
・支払いサイトについて、具体的にどのような制限があるのか
をそれぞれ確認していきましょう。
3-1.下請法が適用されるケース=「買い手」と「売り手」に資金格差があるケース
下請法は、「下請代金支払遅延等防止法」の略。
親事業者(買い手)側と下請事業者(売り手)側に資金格差があり、親事業者が経済的に優越した地位にあるときに適用される、下請事業者を守るための法律であり、具体的には下記のようなケースにおいて適用されます。

参考:公正取引委員会
違反すると、
・50万円以下の罰金
・行政処分
・公正取引委員会の立ち入り検査
などといった罰則の対象となる可能性があるため、「自社よりも小規模な事業者と商取引をする際は、下請法の存在を意識する必要がある」ということを、頭に入れておくようにしましょう。
3-2.下請法における、支払いサイトに関する制限
経済的に立場が弱い下請事業者を守るための法律である下請法。
支払いサイトに関して、具体的にどのような制限があるのか、
・支払いが現金・口座振込で行われる場合に関する制限
・支払いが手形で行われる場合に関する制限
の2パターンに分けてご紹介していきます。
3-2-1.現金・口座振込の場合は「60日以内に支払わないと罰則」
下請法では、支払いが現金・口座振込で行われる場合に関して、「給付(物品やサービス等)を受領した日から起算して60日以内」に支払わなければならないと定められています。
実際の条文の内容は下記のとおりです。
【下請法第2条の2】
下請代金の支払期日は,親事業者が下請事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず,親事業者が下請事業者の給付を受領した日(役務提供委託の場合は,下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日。次項において同じ。)から起算して,60日の期間内において,かつ,できる限り短い期間内において,定められなければならない。
出典:公正取引委員会
ここで気を付けなければならないのは、「支払いサイトを60日にすれば良い」のではなく、「物品やサービス等を受領した日から起算して60日以内に支払わなければならない」ということ。

上記のとおり、支払いサイトを60日に設定すると違法になってしまうケースもありますので、注意が必要です。
3-2-2.手形の場合は「手形サイトが長すぎると罰則」
一方、支払いが手形で行われる場合に関しては、「下請代金の支払期日までに一般の金融機関による割引を受けることが困難であると認められる手形」を決済に用いることを禁止すると定められています。
「割引を受けることが困難であると認められる手形」の具体的な定義は明記されていないのですが、簡潔に言うと手形サイトが長過ぎる手形のことを指し、
・繊維業の場合→手形サイトが90日を超える手形
・その他の業種の場合→手形サイトが120日を超える手形
は下請法違反と解されるのが一般的です。
【下請法4条の2】
親事業者は,下請事業者に対し製造委託等をした場合は,次の各号(役務提供委託をした場合にあつては,第1号を除く。)に掲げる行為をすることによつて,下請事業者の利益を不当に害してはならない。
二 下請代金の支払につき,当該下請代金の支払期日までに一般の金融機関(預金又は貯金の受入れ及び資金の融通を業とする者をいう。)による割引を受けることが困難であると認められる手形を交付すること。
出典:公正取引委員会
実際の条文の内容は上記のとおりですので、あわせて確認しておきましょう。
【POINT】
前述のとおり、これまで、下請代金の支払いにかかる手形サイトの上限は120日まで(繊維業では90日まで)認められてきましたが、近年、これを60日に短縮しようとする動きが生じています。
令和3年3月31日、公正取引委員会事務総長及び中小企業庁長官の連名文書により、関係事業者団体に対し、下記の要請が行われました。
・下請代金の支払に係る手形等のサイトについては、60 日以内とすること。
・前記要請内容については、新型コロナウイルス感染症による現下の経済状況を踏まえつつ、おおむね3年以内を目途として、可能な限り速やかに実施すること。
つまり、上記文書が出されてから3年以内(令和6年3月31日)までに、下請法が適用される商取引においては、手形サイトを60日以内に改める必要があるということです。
この点も、忘れずに覚えておきましょう。
4.支払いサイトの決め方3ステップ

実際の商取引の中で、支払いサイトはどのように決められるものなのでしょうか。
結論から申し上げますと、下記のとおり3つのステップを経て支払いサイトを決め、明確化したうえで商取引を開始するという流れが一般的です。

支払いサイトを決める3つのステップについて、詳細に確認していきましょう。
4-1.STEP1:自社に有利な支払いサイトを考える
まず、自社に有利な支払いサイトを考えます。
この際、
・「2.支払いサイトの一般的な長さ」の内容を参考に、常識の範囲内で支払いサイトを考える
・下請法が適用される商取引の場合、「3.要注意|法律によって支払いサイトの長さが制限されるケース」を確認し、違反しないよう配慮する
といったことも重要ですが、何よりも大切なのは「資金繰り」を考慮して支払いサイトを考えること。
なぜなら、資金繰りを考慮せずに支払いサイトを考えてしまうと、手元の資金が枯渇し、経営が立ち行かなくなるという事態を招きかねないためです。
具体例として、下記のケースをご覧ください。

上記ケースでは、商品を売り上げたことで利益が出ており、帳簿上は黒字の状態であるにも関わらず、5月20日の時点で手元資金が不足してしまっています。
冒頭でも少し触れましたが、このような状態を「黒字倒産」と言い、上記ケースにおいて黒字倒産を防ぐには、下記のように、4月30日の売上の支払いサイトを短めの15日に設定するなどし、5月20日までに入金するようにしなければなりませんでした。

こういった事例を見ると、資金繰りを考慮して支払いサイトを考えることがいかに重要か、お分かりいただけるのではないでしょうか。

一般的には、上記のように、「売り手側はなるべく短く・買い手側はなるべく長く」を意識して支払いサイトを考えると、資金繰りの観点で有利になりやすいですよ。
4-2.STEP2:商取引の相手方の合意を取り付ける
自社に有利な支払いサイトを考えたら、次は商取引の相手方の合意を取り付けます。
問題無く合意に至れば良いですが、「相手方からも、相手方にとって有利な支払いサイトの提案があった」などの理由で、話がまとまらないケースもあるでしょう。
そういった時、「相手方がそう言うんだから仕方ない」と、相手方の要望を丸呑みしてしまう方も多くいますが、簡単に諦めるのは早いです。
なぜなら、交渉によって自社が希望する支払いサイトに合意してもらえる可能性は十分にあり、その交渉の成功のカギを握るのは「交換条件」です。

上記の例のように、相手方にとって有利な条件と引き換えに支払いサイトの交渉をしてみると、受け入れられる可能性が高くなりますよ。
4-3.STEP3:書面化し、支払いサイトを明確にしておく
双方合意の支払いサイトが決まったら、商取引を開始する前に、支払いサイトを書面化して明確にします。
口約束だけで商取引を開始してしまうと、後々支払いサイトがあやふやになる可能性があり、
・入金が遅れる
・誤った請求が来る
などのトラブルが起きたときに対応できないため、書面化して明確にしておくことは極めて重要です。
最も理想的なのは、契約書を作成して取り交わすという方法。
相手方が習慣的に口頭で受発注をしているなど、どうしても契約書を作成するまでに至らないケースにおいては、
・取り決めた内容を自分で書面化し、相手方に確認用として送付しておく
・「お取引内容のご確認をお願い致します。」などと記載したメールを送っておく
等の方法をとると良いでしょう。
明確にした取引内容を相互に確認したうえで商取引を開始すること、そして、後から見直せる形に残しておくことが大切だということを覚えておいてください。
5.資金繰り改善のため、既存の支払いサイトを見直す方法2つ

支払いサイトをじっくり考えたうえで商取引を始めても、途中で「やっぱり支払いサイトを見直したい」と思うケースもあります。
なぜなら、「急に大きな設備投資が必要になって、手元資金が足りなくなりそう…」など、予測できないトラブルにより、資金繰りが悪化してしまうこともあるためです。
悪化した資金繰りを改善すべく、既存の支払いサイトを見直す方法は、以下の2つ。
・相手方と交渉し、支払いサイトを変更してもらう
・ファクタリング会社を利用する
上記方法について、1つずつ詳細に確認していきましょう。
5-1.相手方と交渉し、支払いサイトを変更してもらう
1つ目は「相手方と交渉し、支払いサイトを変更してもらう」という方法です。
既存の支払いサイトの変更交渉は難航する可能性も否めませんが、「4-2.STEP2:商取引の相手方の合意を取り付ける」でご紹介した、新規の支払いサイトの合意交渉の際と同じく、「交換条件」が成功のカギとなります。
・価格を変更したい
・納期を変更したい
など、相手方にとって有利な提案をされた際に、交換条件として支払いサイトの変更を申し出るなどし、交渉を上手く進めましょう。
支払いサイト自体の変更が叶わなくても、一部代金について、前倒しで入金してもらったり支払いを遅らせてもらったりする「分割払い」をお願いしてみるという手段も、チャレンジしてみる価値有りですよ。
5-2.ファクタリング会社を利用する
そして、2つ目は「ファクタリング会社を利用する」という方法です。
ファクタリングとは、売掛債権(売掛金)をファクタリング会社へ売却することにより、売掛金の支払期日前に当該売掛債権を資金化することができるサービスのことを指します。
・利用者とファクタリング会社の2者で契約し、売掛先には通知する必要の無い「2者間ファクタリング」
・利用者・ファクタリング会社・売掛先の3者で契約する「3者間ファクタリング」
の2種類があり、それぞれの違いは下記のとおりです。

それぞれのメリット・デメリットは下記のとおりなので、自社の状況に適した方を選ぶと良いでしょう。

先にも申し上げたとおり、既存の支払いサイトの変更交渉は難航するケースも多々あります。
また、支払いサイトを変更しなければならないほどに資金繰りが悪化していることを相手方に知られることで、信用を失ってしまうかもしれません。
この点、ファクタリングを活用すれば、手数料は控除されるものの、短期間(最短即日)で売掛債権を資金化し、急な出費や他取引における買掛金の支払いに備えることが可能となります。
・資金繰りをとにかく早急に改善しなければならない場合
・支払いサイトの変更交渉などによって、相手方との関係性を悪化させてしまうことは避けたいという場合(この場合、相手方に通知不要な「2者間ファクタリング」を選択するのがおすすめ)
上記のようなケースにおいては、ファクタリング会社の利用を検討すると良いでしょう。
ファクタリングについて更に詳しく知りたいという方は
「ファクタリングとは?仕組みや他の資金調達方法との違いなどを解説!」の記事を、
おすすめのファクタリング会社を知りたいという方は
「【2023年最新版】厳選!ファクタリングおすすめ優良16社比較」
「【2023最新】ファクタリング会社10選|目的別におすすめを紹介」こちらの記事をあわせてご参照ください。
6.まとめ
本記事の内容をまとめます。
支払いサイトとは「取引代金の締め日から実際に代金を支払うまでの期間」を差し、代金を後払いする商取引の際にセットで使われるビジネス用語です。

下記のとおり、プライベートで利用するクレジットカードの仕組みに似ているため、「クレジットカードの請求金額が確定してから引き落とし日までの期間が、商取引における支払いサイトに当たる」と考えると分かりやすいでしょう。

支払いサイトの長さについては、
・現金や口座振込で支払われる場合→30日~60日
・手形で支払われる場合→30日~120日
で設定されるのが一般的。
但し、親事業者(買い手)側と下請事業者(売り手)側に資金格差があり、下請法が適用される下記のような商取引においては、支払いサイトの長さが制限されるため、違反しないように注意が必要です。

また、実際の商取引において、支払いサイトは下記の3つのステップを経て決められるのが一般的。

上記のステップを踏まないと、
・資金繰りを考慮して自社に有利な支払いサイトを考えなかったことで、黒字倒産が起きた
・書面化しておかなかったことで、支払いサイトが曖昧になり、相手方と揉めた
などのトラブルが起こりかねませんので、しっかり頭に入れておきましょう。
資金繰り改善のため、既存の支払サイトを見直したいと思ったときは、下記2つのうちいずれかの方法をとると良いですよ。
・相手方と交渉し、支払いサイトを変更してもらう
・ファクタリング会社を利用する
本記事が、皆様の参考になれば幸いです。

【監修】株式会社ビートレーディング編集部編集長
筑波大学大学院修士課程修了後、上場企業に勤務。不動産ファンドの運用・法務を担当した後、中小企業の事業再生や資金繰り支援を経験。その後弊社代表から直々の誘いを受け、株式会社ビートレーディングに入社。現在はマーケティング・法務・審査など会社の業務に幅広く携わる。
<保有資格>宅地建物取引士/貸金業務取扱主任者