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ファクタリングとは?仕組みや種類・意味・注意点を簡単に解説!

ファクタリングとは?仕組みや種類・意味・注意点を簡単に解説!

ファクタリングの基礎知識

ファクタリングとは、企業が持っている「売掛金」をファクタリング会社へ売却し、売掛金の支払期日よりも前に資金化(現金化)する金融サービスです。

手数料はかかりますが、融資などの他の資金調達方法と比べると入金までのスピードが格段に早く、信用情報に記録が残る心配もありません。

本記事では、ファクタリングの意味や仕組み、種類、利用する際の注意点について、図解を使用して簡単に説明します。

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目次

1.ファクタリングとは?どんな意味?

ファクタリングの仕組み

ファクタリングとは、企業が持つ「売掛金(売掛債権)」をファクタリング会社に買い取ってもらうサービスです。

売掛先からの支払期日よりも早く売掛金を資金化(現金化)することができ、融資(借入)などに比べ、手続きが簡単でスピーディーな資金調達が可能です。

売掛金は、売上にはなりますが、支払期日に回収できなければ資金として支払い等に使うことができません。

しかし、ファクタリングを利用することで

・売掛金の入金前に支払いが重なり、手元に資金がない
・回収前に売掛先が倒産して「貸倒れ」になる

といった資金不足の解消や資金繰りが悪化するリスクの軽減が期待できます。

また、融資(借入)とは異なり、信用情報にも影響がなく、負債が増えないという点も特徴です。

近年ではWeb上で手続きが完結するファクタリングサービスもあります。

利便性は日々向上しており、ファクタリングを利用する企業は増加しています。

1-1.ファクタリングにおける売掛債権(売掛金)とは

売掛債権(売掛金)」とは、商品やサービスの売上代金(売掛金・受取手形等)を受け取る権利のことです。

企業間の取引では、基本的に一定期間に提供したサービスを売掛金としてまとめて請求し、後日受け取ります。

ただし、売掛債権は、一般的に請求してから入金までに30日~60日かかります

しかし、ファクタリングを利用することで早期に資金化(現金化)することができるのです。

売掛債権を利用した資金調達の促進は国の施策でもあり、融資に代わる新しい資金調達方法として経済産業省が推奨している安全な資金調達方法です。
経済産業省中小企業庁:売掛債権の利用促進について

1-2.ファクタリングの資金化イメージ

掛け取引でファクタリングを利用するイメージ図

たとえば、支払サイトが「月末締め・翌々月末支払い」で、売掛先企業と取引しているとしましょう。

4月10日に納品した商品分の代金は「4月末締め・6月末支払い」となります。

この場合、売掛金が入金されるのは【6月30日】です。

この【6月30日】よりも前のタイミングで、ファクタリング会社に売掛金(売掛債権)を買取ってもらい、早期に資金を入手できるのがファクタリングとなります。

2.ファクタリングの仕組み

資金調達と書かれた紙とボールペンと電卓

ファクタリングの契約方法は

・2者で取引を行う「2者間ファクタリング」
・3者で取引を行う「3者間ファクタリング」

の2つの方法があります。

2-1.2者間ファクタリングの仕組み

2者間ファクタリングの仕組み

①売掛金をファクタリング会社に売却(譲渡)する
②ファクタリング会社から売却代金が利用者に振り込まれる
③売掛先から利用者へ売掛金が支払われる
④利用者は回収した売掛金をファクタリング会社に送金する

2者間ファクタリングは、

①お客様(債権者)
②ファクタリング会社

の2者で契約するため、売掛先に利用の承諾を得る必要はありません。

そのため売掛先に、自社の資金繰りについてマイナスイメージを持たれることなく、申し込みから最短即日でスピーディーな資金調達ができます。

2-2.3者間ファクタリングの仕組み

3者間ファクタリングの仕組み

①利用者が売掛先に対して債権譲渡を通知、ファクタリングを利用する承諾を得る
②売掛金をファクタリング会社に売却(譲渡)する
③ファクタリング会社から売却代金が利用者に振り込まれる
④売掛先がファクタリング会社に直接売掛金を支払う

3者間ファクタリングは、

①お客様(債権者)
②ファクタリング会社
③売掛先

の3者で契約をします。

先ほど説明した2者間ファクタリングとは違い、ファクタリングの利用について売掛先の承諾を得る必要があります。

3.ファクタリングの種類

ファクタリングは大きく分けて

・「買取型ファクタリング」
・「保証型ファクタリング」

の2種類があります。

「買取型ファクタリング」は売掛金を早期資金化(現金化)することを目的としたサービスで、「買取型」のファクタリングサービスは4種類あります。

「保証型ファクタリング」は売掛金が未回収になるリスクを保証するサービスで、「保証型」のファクタリングは2種類あります。

3-1.「買取型」ファクタリング

買取型ファクタリングは、以下の4つの種類に分けられます。

・買取ファクタリング
・診療報酬ファクタリング
・介護報酬ファクタリング
・注文書ファクタリング
・一括ファクタリング

ここでは、それぞれの仕組みや特徴などを詳しく解説します。

3-1-1.買取ファクタリング

一般的に資金調達を目的としたファクタリングという場合には、買取ファクタリングを指している場合が多いようです。

買取ファクタリングでは、基本的に売掛金を償還請求権なし(ノンリコース)で買い取ってもらうため、借り入れにはあたりません。

そのため、借入金を増やすことなく資金調達が可能です。

2者間では、ファクタリング会社に売掛金を買い取ってもらった後、利用者が代金を回収しファクタリング会社に入金します。

一方、3者間ではファクタリング会社が期日に売掛金を回収するという形になります。

3-1-2.診療報酬・介護報酬ファクタリング

診療報酬ファクタリング介護報酬ファクタリングとは、医療機関や介護施設などが保有する診療報酬債権もしくは介護報酬債権をファクタリング会社に買い取ってもらって資金化(現金化)する方法です。

診療報酬や介護報酬は、国民健康保険団体連合や社会保険診療報酬支払基金に請求してから入金される仕組みとなっています。

そのため、請求から受け取るまでの期間が長く、一般的には50日程度かかるとされています。

診療報酬・介護報酬ファクタリングを利用することで、2か月近く待たなくても資金化できるため早期の資金調達が可能です。

3-1-3.注文書ファクタリング

注文書ファクタリングとは、注文書(将来債権)をもとに資金化(現金化)する方法を指します。

注文書ファクタリングの大きな特徴は、取引が成立した時点で資金化できることです。

注文書ファクタリングの場合には、案件が発生した場合に発行される注文書や発注書を売却して資金化する仕組みなので、請求書での買取ファクタリングよりも支払いサイトを大幅に短縮できます。

早ければ取引成立から数日程度で資金調達できるため、できるだけ早く資金化したい場合に適した方法です。

3-1-4.一括ファクタリング

一括ファクタリングとは、買取ファクタリングに加えて決済業務を一括で引き受ける決済システムのことです。

手形割引に代わって利用されるシステムのため、業務効率化やコスト削減などのメリットがあります。

また、一括ファクタリングを利用する際には、納入企業・ファクタリング会社・売掛先企業の3者間で契約をします。

一括ファクタリングの場合には売掛先が利用するかどうかを決定する点も大きな違いです。

3-2.「保証型」ファクタリング

「保証型」のファクタリングには以下2種類があります。

・保証ファクタリング
・国際ファクタリング

「保証型」ファクタリングは資金化(現金化)が目的ではなく売掛金の未回収となるリスクを保証するサービスで、万が一に備えてファクタリング会社に保証料を支払います。

売掛先が売掛金を支払えない状況にならず取引が正常に行われた場合は、保証ファクタリングは実行されません。

海外企業との取引の場合は国際ファクタリングで未回収リスクを軽減することができます。

3-2-1.保証ファクタリング

保証ファクタリングとは、売掛先の倒産などによって売掛金が回収できなくなるリスクに備えて、売掛金の回収を保証してもらう金融サービスです。

利用者は、ファクタリング会社に保証料を支払うことで売掛金に保証をかけることができます。

初めて取引する会社や与信管理が十分にできておらず、売掛金の回収が確実にできるかどうか不安な場合に適したサービスです。

売掛金の回収を保証するサービスのため、売掛金の回収が滞りなく行われた場合は保証ファクタリングは実行されません。

支払った保証料は戻ってこないため、保証をかける売掛金は慎重に選ぶ必要があります。

3-2-2.国際ファクタリング

海外企業との取引による売掛金の未回収リスクを軽減するサービスが「保証型」ファクタリングの国際ファクタリングというサービスです。

貿易取引では輸出貿易保険を利用する方法もありますが、手続きが複雑で契約が完了するまでに時間がかかります。

国際ファクタリングではファクタリング会社が信用調査等を行ってくれるため、そのような手間がかかることなく未回収のリスクを軽減することができます。

4.ファクタリングのメリットとは?

ファクタリングのメリットは主に以下の4つが挙げられます。

① 信用情報に不安があっても資金調達が可能
② 資金を得るまでが迅速
③ 売掛金の未回収リスクを軽減できる
④キャッシュフローを改善できる

詳しく解説します。

4-1.①信用情報に不安があっても資金調達が可能

ファクタリングの大きなメリットの一つは、信用情報に不安があっても資金調達が可能であることです。

通常の銀行融資では、企業(借主)の信用情報が審査に大きく影響します。

しかし、ファクタリングの場合、審査で重要視されるのは売掛先や売掛金の信用度です。

そのため、利用者の信用情報に傷があっても、売掛先が信用度の高い企業であれば、ファクタリングを通じて資金を調達することができます。

また、新規事業の立ち上げや一時的に資金繰りが悪化した場合でも、柔軟に対応することが可能です。

4-2.②資金を得るまでが迅速

ファクタリングのもう一つの大きなメリットは、銀行融資や他の資金調達方法と比べ、資金を得るまでのスピードがはやいことです。

申し込みから売却金額の入金までは最短即日から遅くとも1週間程度で完了します。

そのため、急な資金需要や資金繰りの改善に非常に有効です。

例えば、急な仕入れや設備投資が必要になった場合でも、すぐに資金を確保することで事業の継続性を維持することができます。

4-3.③売掛金の未回収リスクを軽減できる

ファクタリングは資金調達だけでなく売掛金の未回収リスク軽減の有効な手段でもあります。

売掛金をファクタリング会社が買い取ることで、債権者はファクタリング会社になります。

売掛金の回収はファクタリング会社が担うため、売掛先からの支払い遅延や売掛先の倒産などによる未回収リスクを軽減することができます。

そのためファクタリング会社は売掛先の信用度を審査し、リスクを見極めた上で買い取りを行います。

また、ファクタリングは償還請求権がない契約なので、万が一、売掛先が売掛金を支払えない状況になっても利用者は売掛金を立て替え払いする責任はありません。

4-4.④キャッシュフローを改善できる

ファクタリングを利用することで、キャッシュフローの改善を図ることができるのもメリットです。

売掛金を早期に資金化(現金化)することで、手元の資金を増やすことができ、日々の運転資金や新たな投資、債務返済に充てることができるためキャッシュフローの改善や経営の安定を図ることができます。

キャッシュフローの改善は、企業の成長や持続的な経営に直結するため、支払いサイトが長く未回収の売掛金が多くある場合、ファクタリングの利用は非常に有益です。

5.ファクタリングにデメリットはある?

ファクタリングにはいくつかのデメリットも存在します。

① 手数料がかかってしまう
② 調達できる金額に上限がある
③ 一括で送金する必要がある
④売掛先の承諾が必要な場合がある

これらのデメリットを理解したうえでファクタリングを利用しましょう。

以下では、ファクタリングの主なデメリットについて詳しく解説します。

5-1.①手数料がかかってしまう

ファクタリングを利用する際のデメリットは、手数料がかかることです。

ファクタリングを利用する際にファクタリング会社に支払う手数料は、売掛先の信用度や売掛金の金額、入金までの期間などをファクタリング会社が審査し、決定します。

売掛金の金額から手数料を差し引いた金額が入金されるため、このコストは利用者にとって大きな負担となる場合があります。

ファクタリングを利用する際には、複数社から見積りを取って手数料を確認し、相場と相違ないかや利用すべきかを検討することが重要です。

5-2. ②調達できる金額に上限がある

ファクタリングには、調達できる金額に上限があるというデメリットも存在します。

ファクタリング会社は独自の審査基準に基づき審査を行い、手数料や買取金額を決定し、資金として提供します。

そのため、売却した売掛金の100%を資金化(現金化)できるわけではないため、売掛金以上の金額は資金調達できません。

またファクタリング会社によっては買取金額の下限上限を設定しているところもあるため、利用前に確認するようにしましょう。

5-3.③一括で送金する必要がある

2者間ファクタリングでは、利用者が売掛先から売掛金を回収し、ファクタリング会社へ送金する仕組みとなっています。

ファクタリング会社へ送金を行う際は一括で売掛金を送金する必要があります。

そのため、2者間ファクタリング利用後は売掛金の入金日に一括で送金しても資金繰りが悪化しないように計画的に利用することが大切です。

送金が遅れた場合や踏み倒した場合、売掛先へ通知されたり、刑事告訴されたりする可能性もありますので、注意しましょう。

5-4.④売掛先の承諾が必要な場合がある

3者間ファクタリングの場合は売掛先の承諾が必要となります。

売掛先がファクタリングに対して消極的で、承認を得るのが難しい場合、3者間ファクタリングは利用できません。

事前に売掛先に相談のうえ、利用を検討しましょう。

6.ファクタリングの手数料の目安・相場はどのくらい?

ファクタリングの手数料の目安・相場は下記のとおりです。

・2者間ファクタリングなら売掛金の8%~18%
・3者間ファクタリングなら売掛金の2%~9%

2者間ファクタリングの場合は、利用者とファクタリング会社での契約となるため、売掛先に直接売掛金の存在等を確かめることができません。

ファクタリング会社にとっては存在しない売掛金を譲渡されるリスクがあることから手数料が高めに設定されています。

3者間ファクタリングの場合は、売掛先に売掛金があるかどうかを確認できることから、架空の売掛金を譲渡されるリスクが低いため手数料も低めに設定されているのです。

また、手数料は売掛先の信用度や売掛金の支払期日までの長さなどによっても変動します。

手数料はファクタリング会社の利益になりますが、売掛金が未回収になるリスクを負うことへの対価でもあります。

そのため、信用力の低い売掛金の場合、手数料が高くなりかえって資金繰りが悪化する可能性もあります。

信用度が高い売掛先の売掛金を譲渡する、必要書類以外にも売掛先との継続的な取引のエビデンスを提出するなど手数料を抑えるための工夫が必要です。

7.ファクタリングの入金までかかる時間・期間は?

ファクタリングの入金までにかかる時間・期間は最短即日から1週間程度と他の資金調達方法と比べ時間・期間が短いです。

申し込み・審査・契約、そして入金までを即日で完了させられる会社が増加しており、中にはオンライン完結で数時間以内に入金が完了する会社もあります。

ファクタリングは、銀行融資などの資金調達方法に比べて必要書類が少なく、審査にかかる時間が短いため、資金調達までの時間・期間が短くスピーディーな資金調達が可能です。

8.ファクタリングの申し込みに必要な書類は?

ファクタリングを利用する際には、審査や契約に必要な書類の準備が重要です。

必要書類が少ないファクタリング会社もありますが、審査・見積り時に必要な書類と契約時に必要となる一般的な書類について詳しく説明します。

8-1. 審査・見積りの時に必要な書類

・売掛金に関する書類(請求書や契約書など)
・通帳のコピー
・直近の決算書
・代表者の身分証明書

まず、ファクタリング会社が審査を行うための必要書類として、上記のような書類を求められることが多いです。

「会社が実在するか」「ペーパーカンパニーではなく、適切にビジネスを行っているのか」などを確認するために必要な書類です。

8-2.審査後の契約の際に必要な書類

・商業登記簿謄本
・印鑑証明書

審査が完了し、契約を結ぶ際には、上記のような書類の提出を求められる場合があります。

発行する際、費用がかかるものもあるため、注意が必要です。

9.ファクタリングを利用する際の流れ

ファクタリングを利用する際の流れを確認しましょう。

ファクタリングを利用する際の流れは大きく分けて以下4つのステップで進んでいきます。

9-1.①審査の申し込み

最初に選定したファクタリング会社に対して審査の申し込みを行います。

審査の申し込み方法はWebフォーム・メールといったオンラインで行うことができる会社や必要書類を郵送する必要がある会社など様々です。

申し込み後、ファクタリング会社が提出された書類をもとに売掛金の信用度や財務状況を審査します。

9-2.②審査結果の送付・連絡

審査が完了すると、ファクタリング会社は利用者に審査結果を提示します。

審査結果には、売掛金の買取金額や適用される手数料率、契約条件などが含まれます。

審査通過後、利用者はファクタリング会社から提示された条件を検討し、利用するかどうかを判断します。

9-3.③契約を結ぶ

審査結果に納得したら、契約の締結に進みます。

ファクタリングの契約書や債権譲渡通知書など、必要な書類を取り交わします。

契約書にはファクタリングの契約内容や具体的な条件、手数料、支払いスケジュールなどが詳細に記載されているため、内容を十分に確認することが重要です。

また、3者間ファクタリングの場合は売掛先に対して債権譲渡通知を行い、ファクタリングの利用の承諾を得る必要があります。

9-4. ④完了後に入金

契約が完了すると、ファクタリング会社から利用者が指定した口座に売却代金が入金されます。

入金までの期間は、契約を締結した日時やファクタリング会社によって異なりますが、一般的には即日~3日で完了します。

調達した資金は、必要な運転資金や新たな投資に充てることができます。

10.ファクタリングの審査の基準は?

ファクタリングの審査においては、以下の基準が重要視されます。

・売掛先の信用度
・支払期日が遠すぎないか
・利用者の信用度

ファクタリングの審査基準として何より重要視されるのが、売掛先の信用度の高さです。

なぜなら、売掛先の経営が不安定で、倒産してしまったり、支払いが遅れた場合、ファクタリング会社が大きな損失を受けることになるからです。

また、売掛金の支払期日が近いほど審査に通りやすくなります。

支払期日が遠いと、その間に売掛先の経営状況が悪くなる可能性もあるため売掛金が回収できなくなるリスクが高まります。

加えて利用者の信用度もある程度は審査基準に含まれます。

利用者の信用度は、主に3つの視点から見極められます。

・売掛先との継続的な取引があるか、取引の期間が短すぎないか
・申し込み金額と利用者の事業規模のバランスは適切か
・利用者の対応は誠実で信用できるかどうか

主に架空の会社からの申し込みではないか?架空の売掛金ではないか?などをチェックしています。

2者間ファクタリングの場合、利用者が売掛金を回収しファクタリング会社に送金する仕組みのため、利用者がファクタリング会社に送金せず使い込んだりしないかなど利用者の信用度も確認しています。

審査に通るためにもファクタリング会社からの連絡には丁寧に対応するようにしましょう。

11.ファクタリングを利用するのにおすすめの場面・タイミングとは?

ファクタリングを利用するのにおすすめのタイミングを紹介します。

ファクタリングはさまざまな場面で有効な資金調達方法ですが、具体的には、次のような場面やタイミングでの利用がおすすめです。

11-1. 高額案件を受注したとき

高額な案件を受注した場合、その案件に必要な材料費や労働コストなどの高額な初期費用を早急に調達しなければならないことがあります。

このような場合、ファクタリングで、売掛金を資金化(現金化)することで、高額案件を受注するための十分な資金を確保することができます。

これにより、事業を円滑に進めることができ、タイムリーに取引先からの要望に応えることが可能となります。

11-2. 資金繰りの悪化を改善したい

ファクタリングでは利用者の経営状況はあまり重視されないため、赤字や税金滞納といった状況でも資金調達が可能です。

また、
「支払いサイトが長く資金繰りが悪化しやすい」
「給料の日払いなど定期的な支払いがある」
という場合に、資金繰りを改善する方法として売掛金を支払期日よりも前に資金化(現金化)するファクタリングは適しています。

11-3.融資を受けにくくなってしまったとき

利用者の信用情報や経営状況が悪いと、銀行からの融資を受けにくくなります。

また、新規事業やリスクが高いプロジェクトに対しては、金融機関が融資を渋ることも少なくありません。

ファクタリングは、売掛先の信用度を基に審査が行われるため、このような状況下でも資金調達が可能です。

また融資を受ける際は複数の資料の準備や、面談に行く時間を確保する必要があり、手間と時間がかかります。

時間がなくすぐに資金調達したい方はもちろん、融資がおりるまでのつなぎ資金としてもファクタリングでの資金調達はおすすめです。

12.ファクタリングを利用する際の注意点

ファクタリングにはさまざまなメリットがありますが、利用する際には注意したいポイントもあります。

ここでは、ファクタリングを利用する際の注意点について解説します。

ファクタリングの利用を検討している方は参考にしてください。

12-1.手数料が適切かどうかを判断する

ファクタリングを利用する際には、手数料を必ず確認しましょう。

手数料が高すぎると受け取れる資金が少なくなってしまうため、適切な手数料を設定しているファクタリング会社を選ぶことが重要です。

先述しましたが、手数料の相場は、
・2者間ファクタリングなら売掛金の8%~18%
・3者間ファクタリングなら売掛金の2%~9%
です。

・複数のファクタリング会社から見積りを取る
・提示された手数料が適切かどうか相場と比べる
・不明瞭な手数料が追加されていないか契約書を確認する

ことが大切です。

12-2.売掛金を上回る資金調達はできない

デメリットでも挙げた通り、ファクタリングで調達できる資金は売掛金の金額から手数料を差し引いた金額となります。

売掛金を上回る金額の資金調達はできないため、売掛金以上の資金が必要な場合には向いていません。

必要な資金や資金調達にかかる時間などを考慮して、ファクタリングと融資のどちらを利用するかを判断しましょう。

12-3.悪徳業者を見分ける必要がある

ファクタリングを利用する際には、優良な業者と悪徳業者を見分ける必要があります。

現状ファクタリングを規制する法令はなく、どのような企業でもファクタリングを提供することが可能です。

そのためファクタリングを装って貸付を行う『偽装ファクタリング』を提供する闇金業者なども存在します。

悪徳業者と契約しないために、契約書をよく確認しましょう。

・「債権譲渡契約(売買契約)」の記載がない
・見積りと異なる高額な手数料が記載されている

といった場合には、悪徳業者の可能性が高いでしょう。

その他、HPやオフィスが存在していない、審査なしで利用できると謳っているファクタリング会社は、悪徳業者の可能性がありますので、申し込まないようにしましょう。

12-4.償還請求権の有無を確認する

ファクタリングには

・リコースと呼ばれる償還請求権がある契約
ノンリコースと呼ばれる償還請求権がない契約

があります。

償還請求権がない場合、万が一売掛金が回収できなかったとしても利用者はファクタリング会社に売掛金を支払わなくて済みます。

償還請求権ありの契約の場合、ファクタリングではなく貸金に該当するため、ファクタリングを装った悪徳業者の可能性があります。

12-5.契約書・明細の控えを受け取る

契約書は後々のトラブルを未然に防ぐためにも重要な書類です。

必ず契約書を確認し控えを受け取ることをおすすめします。

また、手数料が上乗せされていないか等、明細も確認し、不明な点は契約前に確認することが大切です。

13.ファクタリングの利用事例を紹介

ファクタリングはさまざまな業種で利用されており、様々なニーズに応じた資金調達ができるとされ、近年利用が拡大しています。

以下では、ファクタリングと特に相性が良い業種である運送業、建築業・建設業、医療・介護業、IT関連業の具体的な利用事例をご紹介します。

13-1.運送業

【食品輸送業A社の活用事例】

業種:食品輸送業
調達できた資金額:600万円
調達までの期間:2日

食品輸送を取り扱っているA社では、売掛先からの売掛金の入金が遅れたことによって、ガソリン代や駐車場代、高速料金などの経費の支払いができない状態になってしまいました。

このままでは経費の支払いができず、資金ショートを起こしてしまいます。

そこでこれから入金予定の売掛金をファクタリングで資金化(現金化)し、600万円を調達することにしました。

調達した資金で経費の支払いを行うことができたため、資金繰りがスムーズに回るようになりました。

13-2.建設業・建築業

【内装業B社の活用事例】
業種:内装業
調達できた資金額:300万円
調達までの期間:1日

内装業を行うB社では、内装工事が進行中の現場で、急遽必要になった資材がありました。

資材を購入しなくてはいけませんが、その前に行った仕事の売掛金入金前で手元に資金が不足している状態のため、資材を購入できず工事が進められない状況になりました。

そこで売掛金をファクタリングしたところ、契約当日に入金してもらうことができ、資材の購入を行うことができました。

スピーディーに資金を調達できたことで、内装工事を滞りなく進めて納期に間に合わせることができました。

13-3.医療・介護業

【眼科クリニックC社の活用事例】

業種:医療業
調達できた資金額:600万円
調達までの期間:3日

眼科クリニックを開業したC社は、開業からすぐに受診する人が増えて経営は順調に見えました。

しかし、予想より受診する人が増えたことで、開業時の設備では不十分になり、検査などの待ち時間が増えてしまったのです。

待ち時間を解消して患者さんの満足度をあげるためには新しい検査機器を導入することが必要となりました。

すでに開業時に銀行から融資を受けており、開業から間もないために追加融資は難しい状態です。

そこで診療報酬ファクタリングを利用して、資金調達をすることにしました。

通常なら60日から90日かかる診療報酬を3日で資金化(現金化)することができ、ファクタリングで得た資金を使って無事新しい検査機器を導入できました。

13-4.IT関連業

【アプリ開発会社D社の活用事例】

業種:IT関連業
調達できた資金額:300万円
調達までの期間:2日

アプリ開発を行っているD社では、順調に業績を伸ばしていく中、新規で大口の受注を受けることができました。

今までよりも大型の案件のため、早急に人員を確保する必要がありましたが、手元の運転資金では増員分の人件費を支払うことができません。

そこで注文書ファクタリングを利用し、人件費を賄うための資金を調達することにしました。

注文書ファクタリングを利用したことで受注した仕事の完了前に資金を調達できました。

その結果、期日までに納品することができ、会社の利益も出すことができました。

14.ファクタリングは違法ではない?違法になる場合とは?

ファクタリングは、経済産業省も推奨している資金調達方法ですがファクタリングは違法ではないかと感じてしまう方も多いようです。

下記で詳細に解説します。

14-1.ファクタリングは違法ではない

まず、ファクタリングは違法ではありません。

ファクタリングは、企業や個人事業主が持つ売掛金を早期に資金化(現金化)する合法的な方法です。

また、近年では国が推奨する手法の一つとして利用する企業が増えています。

ファクタリングの仕組みは、あくまで売掛金の譲渡によるものであり、債権の譲渡は債権法の民法466条で「債権は、譲り渡すことができる」と明記されています。

そのため違法性はなく、安心して利用できる資金調達方法です。

14-2.偽装ファクタリング会社は違法

注意が必要なのは、貸金業登録のない会社がファクタリングを装って売掛金の買取ではなく融資(貸付)を行うケースです。

貸金業登録をせずに貸付を行うことは違法です。

分割払いが可能なファクタリングや償還請求権があるファクタリングは実質貸金(貸付)に該当するため、貸金業登録の必要がないファクタリング会社がこのようなサービスを提供すると違法となります。

契約書の内容がファクタリング契約(債権譲渡契約)ではなく、金銭消費貸借契約の内容になっている可能性もありますので、契約書の内容をよく確認・理解し、信頼できる会社と契約を結びましょう。

15.ファクタリングと他の資金調達方法の違い

ファクタリングと他の資金調達方法の違いを詳しくご紹介します。

違いをきちんと理解したうえで、どの資金調達方法を選択するかを決めることが重要です。

ファクタリングファクタリングは自社で保有する売掛金をファクタリング会社に売却し資金調達する。                          
手形割引との違い手形割引は手形を資金化(現金化)する。
手形割引は貸金業法が適用されるため、償還請求権があり、金利が発生する点が大きく異なる。
電子記録債権(でんさい)との違いでんさいは売掛金を資金化する点は共通している。
償還請求権の有無や手数料、契約回数などに違いがある。
融資との違い融資は銀行や金融機関からお金を借り入れる資金調達方法。
貸金のため貸金業法が適用され、仕組みや信用情報に影響があるかなどファクタリングとは全く異なる。
ビジネスローンとの違いビジネスローンは事業活動のための資金を借りられる融資。
資金調達までの期間が短いことは共通しているが融資なので、仕組みや特徴が大きく異なる。
取引信用保険との違い取引信用保険は売掛金が支払われない場合に保証金の受けとりが可能。
売掛金を対象とすることは共通しているが、利用目的が売掛金の保証であり、資金調達が目的の買取ファクタリングとは目的が異なる。
ABLとの違いABLは売掛金を担保にしてお金を借り入れる。
売掛金を利用する点は共通しているが、ABLは融資に該当するため、ファクタリングとは契約内容や審査対象など大きく異なる。

16.ファクタリングに関するよくある質問

ファクタリングのよくある質問をまとめました。

ファクタリングを利用する際や検討するにあたって不安な点、疑問点がある場合は参考にしてみてください。

16-1.ファクタリングの審査に落ちることはありますか?

ファクタリングの審査に落ちる可能性はあります。

審査では主に以下の点が評価されます。

・売掛先の信用度
・売掛金の内容と金額
・利用者の信用度
・取引履歴と実績

ファクタリングの審査では特に売掛先の信用度が重要視されます。

売掛先の信用度が低い場合は審査に落ちることもあります。

また、売掛金の存在が明確に立証できない場合や、企業の財務状況が極端に悪化している場合も、審査に落ちることがあります。

16-2.ファクタリングに金利はかかりますか?

ファクタリングは貸金ではないため金利はかかりませんが、手数料が発生します。

手数料は売掛金の額や取引条件、売掛先の信用度によって異なります。

一般的には、2%~18%程度の手数料がかかります。

手数料はファクタリング会社によって異なるため見積りを複数出してもらい、比較するようにしましょう。

16-3.ファクタリングに税金はかかりますか?

ファクタリングを利用する際に発生する手数料には税金はかかりませんが、事務手数料や債権譲渡登記をする際に発生する司法書士の報酬などには税金がかかります。

見積りや契約書等でファクタリングの手数料に税金がかかっている場合は悪徳業者の可能性がありますので、注意しましょう。

16-4.ファクタリング会社に支払いをしないとどうなりますか?

2者間ファクタリングで回収した売掛金の支払い(送金)ができない場合でも、分割払いや支払いの先延ばしはできません。

まずはすぐにファクタリング会社に状況を説明しましょう。

売掛先からの入金が遅れている場合は、売掛先に支払いを催促するなどの対応を行いましょう。

売掛金を回収しているにもかかわらず、利用者の使いこみなどにより支払いができない場合には売掛先に債権譲渡通知が送られたり、遅延損害金を請求されたりする可能性があるので、すぐに対応する必要があります。

最悪の場合、横領や詐欺罪に問われる可能性もあるため注意しましょう。

17.おすすめのファクタリング会社は?

資金調達やキャッシュフローの改善を考えている企業や個人事業主にとって、信頼できるファクタリング会社を選ぶことが重要です。

ここでは優良なおすすめのファクタリング会社をご紹介します。

17-1.ファクタリングするならビートレーディング

ビートレーディングは、実績豊富で多くの企業から高い信頼を得ているファクタリング会社であり、以下の特徴を持っています。

・取引実績5.8万社以上
・オンライン完結
・お申込みからお振込みまで最短2時間で完了
・必要書類はたったの2点
調達可能額制限なし(1万円~7億円の買取実績あり)
・個人事業主も利用可能

急ぎの資金調達をご希望の方はもちろん、高額な資金調達したい方、少額から利用したい方など様々なニーズに柔軟に対応しております。

初めての利用で不安な方は専任のオペレーターが丁寧にご案内いたしますので、疑問点も解決しながら安心してご利用いただけます。

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18.まとめ

本記事ではファクタリングの意味や仕組み、種類、メリット・デメリット、利用する際の注意点などについて解説してきました。

融資に比べ審査に必要な書類が少なく、審査にかかる時間も短いため急ぎで資金調達をしたい方や融資までのつなぎ資金が必要な方におすすめです。

しかし、ファクタリング会社を装った悪徳業者も存在するため、ファクタリング会社を選ぶ際には悪徳業者を見分け、優良な会社を選ぶようにしましょう。

ファクタリング会社によって必要書類や審査基準も異なるため、融資の審査や他社のファクタリングの審査に落ちてしまってもご利用いただける可能性がありますので、まずはお問い合せ・ご相談ください!

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監修者

株式会社ビートレーディング 編集部編集長

筑波大学大学院修士課程修了後、上場企業に勤務。不動産ファンドの運用・法務を担当した後、中小企業の事業再生や資金繰り支援を経験。その後弊社代表から直々の誘いを受け、株式会社ビートレーディングに入社。現在はマーケティング・法務・審査など会社の業務に幅広く携わる。

<保有資格>宅地建物取引士/貸金業務取扱主任者